2017年2月 4日 山内ダム
2024年2月26日
山内ダムは千葉県長生郡長南町山内の二級河川一宮川水系埴生川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
埴生川上流の山内地区は気候は温暖、地味も肥沃ながら水源となる埴生川の水量が不安定なうえに圃場整備も未着で非効率な稲作経営を余儀なくされていました。
そこで1997年(平成9年)に千葉県営かんがい排水事業山内地区が着手されその灌漑用水源として2004年(平成16年)に竣工したのが山内ダムです。
併せて圃場整備も進められ計約110ヘクタールの農地整備が実現し、効率的な稲作経営が可能となりました。
ダムの管理は長南町産業振興課が受託しています。
山内ダムには2017年(平成29年)2月に初訪、2024年(令和6年)2月に再訪しました。
ダムに通じる管理道路入口にはゲートが設けられ関係者以外立入禁止となっており、ダムは右岸下流側から垣間見えるのみです。
再訪時はダムを管理する長南町に見学を申請し、ダム便覧への記事掲載及び写真撮影を目的として立入許可を頂きました。
今回の見学はダムマイスターとしての取材の一環であり特例によるものです。
今後も部外者の立ち入りについては認められることがありませんので、その点はご留意いただきたいと思います。
また掲載写真はすべて再訪時のものとなります。
山内ダムに通じる管理道路入口
ゲートが設けられ関係者以外立入禁止。
ダムと正対
堤高21.6メートル、堤頂長99.8メートル
堤体は犬走を挟んで2段構成
右岸に残る地山を洪水吐斜水路が流下する特徴的な造形。
ダム下の寒緋桜がほぼ満開で、ちょっと立入禁止がもったいない気が?
左岸ダム下の放流設備
温暖な房総半島は田植えが早くこの辺りも3月初旬から灌漑期に
ダムの管理は長南町が受託していますが、灌漑期のバルブの操作は受益地区である山内地区が行います。
堤体と洪水吐斜水路の間に地山が残る独特の造形。
まるでスフィンクスの足のよう。
天端入口にも門扉があり職員さんに開けていただきました。
左岸から下流面
堤体の草刈も山内地区が行います。
左岸ダムサイトには記念碑と事業説明板が並びます
こちらは竣工記念碑。
農業ダムではおなじみの4文字熟語は『水潤豊実』。
事業説明版
WEBを検索しても山内ダムの情報はなかなか出てきません。
実はこれが一番見たかった?笑。
ダム下の眺め。
関係者以外立入できない天端ですが、2車線幅がありきれいに舗装されています。
総貯水容量は36万立米
約110ヘクタールの水田を潤します。
右手は管理事務所。
右岸の洪水吐。
斜水路手前に副ダムがあります。
上流面はコンクリートブロックで護岸。
房総の田植えは早く長南町でも3月には灌漑期が始まります。
田起こしに備えてほぼ満水。
右岸の横越流式洪水吐。
管理事務所と斜樋
職員の常駐はなく、日々の巡回のみ。
初回訪問時より構内の様子が気になっていた山内ダム。
今回は特別のご配慮で中を見学することができました。
堤体も含めてダム全体がきれいに整備され、受益農家にとって貴重な言灌漑用水源であること見て取れます。
対応していただいた長南町産業振興課には厚く御礼申し上げます。
3293 山内ダム(0825)
千葉県長生郡長南町山内
一宮川水系埴生川
A
E
21.6メートル
99.8メートル
360千㎥/340千㎥
長南町産業振興課
2004年
日本語の美しさを感じさせられます。
どこもかしこも整然と整備が成されており
「ああ、ダムってこんなにも豊かな自然を造り出すんだ」と思いました。
洪水吐斜水路の間の地山
印象に残る一場面ですね
以前もお話ししたように房総は総じて地味が豊かで温暖。
水さえあれば農業生産にはぴったりの土地柄なんです。
江戸期には将軍家への献上米も房総のお米だった。
きれいに整備された堤体を見れば「水さえあれば」という農家の意気が伝わってきます。
フォロー欄にまっちさんのお名前が見えて
飛んできました
もうすっかり春めいた気温になって
これからは八重桜の季節ですね。
どうぞお体を大切に
また素晴らしき水の恵みを紹介して下さい