ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

旭川ダム

2022-12-11 13:34:17 | 秋田県
2022年10月25日 旭川ダム
 
旭川ダムは秋田県秋田市仁別の一級河川雄物川水系旭川上流部にある秋田県建設部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
旭川は雄物川の主要右支流ですが秋田市中心部を貫流することから、その治水は久保田藩時代からの至上課題となっていました。 
戦中戦後の燃料不足により旭川水源域が乱伐され保水能力が大きく低下したことで洪水被害が多発し抜本的な治水対策が求められました。
1967年(昭和42年)に建設省は新たに治水ダムへの補助制度を新設、秋田県はこれを活用して旭川治水ダム事業に着手、補助治水ダム適用第1号として1972年(昭和47年)に竣工したのが旭川ダムです。
同時に乱伐で荒廃した旭川源流域は仁別国民の森』として保全され保水力は大きく回復しました。
一方ダム南側には大平山リゾート公園として整備されオートキャンプ場や日帰り入浴施設、スキー場などを備えた東北最大規模の総合レクリエーションエリアとなっています。
 
ダムは左右両岸からアプローチできますが、今回は管理事務所のある左岸から
平日は職員が常駐です。


事務所脇の竣工記念碑。


提体は左岸が下流に折れ『カド』に。

毎度おなじみの『カド』。


ゲートは非常用となるクレストラジアルゲート2門と常用洪水吐となるコンジットラジアルゲート1門を装備
有効貯水容量すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムのため、平時は流入量はそのままコンジットゲートから放流する一方、洪水時は最大170立米/秒をカットします。
写真の黒いローラーゲートはコンジットの予備ゲート。




残念ながら下流からダムを見るポイントはありません。
下流面もこれが精いっぱい。


クレストゲート越しに
左手前面に突き出た建屋の下にコンジットゲートがあります。 


天端のクレーン
巡視艇昇降用か?


天端は徒歩のみ開放されています。


天端から貯水池を望む
旭川と支流の砥沢の合流地点にダムは建設され、ダム上流は仁別国民の森として保全され豊かな森が広がります。
治水専用ダムのため普段はダム湖は空っぽ、洪水時は最大420万立米を貯留します。
さらに治水協定により台風襲来時などは堆砂容量の空き分54万8000立米も洪水調節容量に転用されます。


ダム左岸の旭川ダム公園は紅葉の名所。
モミジが見ごろとなっていました。


ダムとは関係ないけどダムの下流には由利高原鉄道の車両が展示されています。


0383 旭川ダム(1914)
秋田県秋田市仁別
雄物川水系旭川
51.5メートル
380メートル
5200千㎥/4200千㎥
秋田県建設部
1972年


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