ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

日の出ダム

2021-07-27 05:59:18 | 北海道
2021年7月17日 日の出ダム
 
日の出ダムは北海道空知郡上富良野町第2安井牧場の石狩川水系コルコニウシベツ川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1955年(昭和30年)十勝岳山麓の36万平米に陸上自衛隊上富良野演習場が開設され、従来集水域であった森林が荒廃裸地化したことで同区域を水源とする灌漑用水の補給に齟齬が生じてきました。
そこで用水不足の補償として防衛施設庁(現防衛省)の全額補助を受けた北海道の障害防止対策事業により1982年(昭和57年)に建設されたのが日の出ダムです。
現在は富良野土地改良区が管理を受託し、約500ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
 
上富良野中心部からコルコニウシベツ川沿いに道道を北東に進むと日の出ダムに到着します。
ダム下は細長い草地になっておりその奥に堤高26.8メートルの堤体が谷を塞ぎます。
 
ダム下流の放流設備
底樋のほかにスルースバルブも装備。
 
天端は車両の通行が可能です。
 
上流面はコンクリートで護岸、対岸に横越流式洪水吐があります。
 
天端から
ダム下は谷に沿って細長い草地が続きます。
 
貯水池は総貯水容量44万5000立米。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐と上流面。
 
防衛施設庁への感謝の念が綴られた竣工記念碑。
草に覆われていますが、碑文は読めます。
 
左岸の取水設備。
北海道でよく見かける多孔式斜樋。
ここから2枚目写真の放流設備に送られます。
 
水利使用標識
有効貯水容量36万2000立米で514.6ヘクタールの農地の水を賄うのは無理があります。
あくまでも演習場により毀損した取水量の補填と言う意味合なんでしょう。

0116 日の出ダム(1655)
ため池コード
北海道空知郡上富良野町第2安井牧場
石狩川水系コルコニウシベツ川
26.8メートル
153メートル
445千㎥/362千㎥
富良野土地改良区
1982年


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