2017年7月29日 浅川ダム見学会
全国各地のダムが一斉に見学会等のイベントを実施する『森と湖に親しむ旬間』、国交省から各ダムのスケジュールが発表されると『どこに行こうか?』例年頭を悩ませるのですが、今年は『7月29日 浅川ダム』を見てここしかない!と即決。
田中元知事の『脱ダム宣言』に翻弄され、一時は事業中止の憂き目にあいながら今年ようやく運用開始に漕ぎ着けた浅川ダム初の公式な見学会ですからこれを見逃す手はありません。
ということで7月29日は浅川ダムの見学会に参加してきました。
朝の8時からスタートする『浅川ダム祭り』の一環として、10時から見学会がスタートするんですがちょっと早めの8時半に到着したら、あいにくの雨にもかかわらずすでに結構な人出、見学会の受付をすると11時の組となりました。
時間があるのでひと通りダムを見学して時間をつぶしたんですが、その間も続々と来場者が到来、なんと10時過ぎには午後の最終組まで定員がいっぱいになってしまう盛況ぶりで、遠方から見学会を目当てに来たダム愛好家の多くががっくり首をうなだれる姿もあちこちで見られました。
さて、見学会は1組16名で約1時間の予定、まずは天端に向かってダムの概要説明からスタートです。
浅川ダムは日本で3例目となる流水型治水専用ダムです。
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上流面に常用洪水吐と流木除けのゲージ(鳥籠)が見えます。
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堤体は左岸側が屈曲しています。
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天端
中央の建物はエレベーター棟
職員さんの話では長野市内の絶好の夜景展望スポットだそうです。
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治水専用のため普段はダム湖には水がありません
洪水の際はここに110万立米の水を貯め込んで下流の洪水被害を抑えます。
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湖岸を保護するため階段状の流路が作られています
向かって左にはジグザグの魚道。
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中央のゲートは建設工事の際の転流のためのゲートで、運用開始後は大きな流木や岩石を止める役割をするそうです。
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真下のゲージの下に常用洪水吐があり、平時は浅川の水はここから堤体を潜ってそのまま下流に流下します。
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減勢工
洪水の際クレストを越流した水は堤趾導流壁の内側の減勢工へ流れます
左手は常用洪水吐からの流路。
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エレベーターで地下6階の監査廊へ。
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監査廊の気温は17度。
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監査廊内の水を揚水する施設。
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揚圧力計
新しいダムなのでコンクリートの壁も計器も新品です。
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水位低下設備のプレート。
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水位低下設備。
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右岸から堤体直下に出ます。
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こんなアングルで堤趾導流壁を見れます。
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下流から。
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ゲートを開けて立ち入り禁止ゾーンへ。
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複雑な構造の減勢工
中央が常用洪水吐からの水路、つまり流水路です。
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流水型ダムの肝はもちろん流水路。
いよいよそこに進入します。
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この奥が常用洪水吐になります
平時は浅川の水はダムという巨大な壁の下を潜り、自然な形で流下してゆきます
右手は魚道。
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流路を抜けた水はそのまま浅川を流下します。
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たまたま同じ組になった地元にお住まいの高齢のご夫婦と懇意になり、1949年(昭和24年)の裾花川の大洪水の話や脱ダム宣言以降のごたごた話などいろいろお話を伺うことができました。
もちろん地元でも賛否両論はあったでしょうが、少なくとも浅川流域の皆さんにとっては長年の悲願がかなった浅川ダムの完成だということは確信できました。
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