ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

前田溜池

2023-09-10 17:08:25 | 山形県
2016年7月10日 前田溜池
2023年7月24日
 
前田溜池は山形県西村山郡大江町三郷乙の一級河川最上川水系深沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には土地改良区の事業で1951年(昭和26年)に竣工と記されており、団体営事業事業で建設されたと思われます。
現在の管理者は大江町土地改良区です。
2016年(平成28年)訪問時は入り口で規制があったため見学を断念、今回大江町土地改良区に規制解除の確認を取り再訪しました。

県道143号線沿いの池への入口
2016年7月10日時点では立入禁止でした。


ここからは再訪時の写真です。
県道143号線から川沿いを500メートル弱遡上します。
改修されたばかりの真新しいコンクリートが周りの風景とミスマッチ。

水路半ばにある分水工
左は灌漑用水路。右は深沢川になります。
訪問直前の梅雨前線による大雨もあり水量は豊富。


歩くこと5分ほどで堤体が見えてきます。
堤体右手にブルーシートが見えますが、堤体が欠損でもしているのか?
池の下に底樋管がありますが、草が深いので接近は断念。

下流面
堤高15.2メートル、堤頂長53.5メートルの小ぶりな堤体。
定期的に草は刈られているようですが、今年はまだ。


天端には過激派のピケのような物々しい設置物。
実は池には電線が引かれていないため、水位監視カメラ用の電源としてソーラーパネルと蓄電池が設置されています。

右岸の洪水吐
堤体に切れ込みが入った簡易な洪水吐です。


見づらいですが写真を斜めに走るコンクリートが越流堤。


草刈り前なので天端もご覧のありさま。


天端からダム下を見下ろすと
左手が歩いてきた深沢川、右手に小さく見える構造物は簡易水道の遺構。

総貯水容量3万7000立米と小さな溜池。
直前の梅雨前線による大雨で満水、水もかなり濁っています。


左岸の階段式池栓。


てっきり立ち入り禁止だと思い大江町土地改良区に確認したら規制は解除したとのこと。
無事見学できたので到達認定。
通算2014基目のダムとなりました。
  
3401 前田溜池(2014)
ため池コード
山形県西村山郡大江町三郷乙
最上川水系深沢川
15.2メートル
53.5メートル
37千㎥/37千㎥
大江町土地改良区
1951年


2 コメント

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電源の確保 (tibineko)
2023-09-10 17:24:42
水位監視カメラ用の電源としてソーラーパネルの設置、初めて見ました。
でも確かにこれで電源を取る事が出来たら、相当量の電気が賄えるのだろうと思います。
灯台もそうですが、人が普通に居住していない場所に設けられた施設を維持するのは、きっと想像以上に大変なんだろうなと感じさせられました
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tibinekoさま (まっち)
2023-09-12 12:23:55
返事が遅くなりました。
電線が来ている溜池ならば流入量や水位といったデータをオンラインで事務所に送ることができますが、ここのような山中の小さな溜池ではそれもかないません。
とくにこの溜池の下流には民家があるため、ことあれば命に係わる災害となります。
灌漑用水の供給という本来目的に加え、防災面、防犯面でもこういった施設の整備は重要かと思います。
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