ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

中山川ダム

2017-05-13 00:32:26 | 山口県
2017年5月6日 中山川ダム 
 
中山川ダムは山口県岩国市周東町の島田川水系中山川にある山口県営の多目的重力式コンクリートダムです。
岩国市周東町に源を発し周南市熊毛を経て光市を南北に貫流して瀬戸内海にそそぐ島田川は豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。とりわけ河口部の光市は島田川の沖積三角州上に町が形成されているためその被害は深刻で抜本的な洪水対策が求められていました。
一方山口県東部地域は山陽新幹線や山陽自動車道の開通、新日鉄(現新日鉄住金)の光市への進出などから都市用水の需要増加が見込まれ新たな水源確保が課題となっていました。
そこで山口県は島田川左支流の中山川に多目的ダムの建設を決定、1995年(平成7年)に竣工したのが中山川ダムです。
中山川ダムは中山川および島田川の洪水調節、安定した河川流量の保持と既得取水権への補給、岩国市、周南市、光市への上水道用水の供給を目的としています。
ただし上水道用水については給水予定だった水道企業団が既に解散、実質的には周南市熊毛地区への給水にとどまっており、事業見通しの甘さは否めません。
一方ダム湖の中山湖は南北に長い地形を生かしカヌーやボート競技の場として活用されるほか、湖畔各所に公園などが整備され水上レジャーやレクリエーションの場として親しまれています。
 
今回は柳井から県道7号を北上して中山川ダムに至りました。
ダムは県道に隣接しておりアプローチは簡単で、左岸管理事務所前に立派な駐車場が設置されています。
左岸にある竣工記念碑
山口県のダムでは『完工の碑』と記されたものが多く見られます。
 
左岸から
クレストには自由越流式洪水吐が6門並び、常用洪水吐としてオリフィスゲートがあります。
左岸からダム下に降りる遊歩道らしきものがありましたがクモの巣と藪がひどく断念しました。
 
天端は歩行者および自転車の通行が可能です。
 
減勢工
背の高い堤趾導流壁が精悍な表情に見せています。
 
ダム湖の中山湖
総貯水容量755万立米と県営ダムとしてはかなり大きな規模です。
縦長の特徴を生かしカヌーなどのレジャーに利用されています。
 
インクラインの代わりに右岸に桟橋が設置されています。
 
高覧には梅の花の装飾
梅が有名なんでしょうか?
 
右岸から。
 
上流面
左岸に立派な管理事務所がありますが無人でした。
 
追記
中山川ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2100 中山川ダム(0979)
山口県岩国市周東町用田
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
島田川水系中山川
FNW
 
37メートル
143メートル
山口県土木建築部
1995年
◎治水協定が締結されたダム


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