ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

木都賀ダム

2021-06-04 22:25:17 | 島根県
2021年5月23日 木都賀ダム
 
木都賀ダムは島根県浜田市弥栄町木都賀の三隅川水系三隅川本流上流部にある島根県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により、新たに中国電力が誕生します。
同社は戦後の電力不足を補うために積極的な電源開発を進めますが、送電網末端部にあたる島根県では中国電力だけでは電力需要を賄いきれず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
三隅川水上流域の融雪による豊かな水量と急流に着目し1961年(昭和36年)に三隅川春米発電所の取水ダムとして建設されたのが木都賀ダムです。
ここで取水された水は約5.7キロの導水路で三隅川発電所に送られ最大7400キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
木都賀ダムは県道浜田美都線沿いにあり、今回は御部ダムから県道を北上して木都賀ダムに至りました。
ダム手前200メートルほどで樹間からダムと正対できます。
訪問時は三隅川発電所が改修のため運転を停止しており、ゲートがすべて開放されています。
カメラの感度を高く設定したため放流部分が白飛びしてしまいました。
 
ゲート部分をズームアップ
青いラジアルゲートが3門、雪が多い地域のためか?ゲート操作室は被覆されています。
 
右岸県道から
手前にバッチャープラント跡が残ります。
 
一番手前(右岸)のゲートはフラップゲート。
 
対岸に林道が続くため天端は重量制限があるものの車両通行可能 
ゲート部分は上流側にクランクしています。 
 
 
上流から。
青いゲートが鮮やか。
 
御影石の銘版
『木都賀堰堤』になっています。
 
減勢工
発電所稼働時は河川維持放流のみですが、現在はゲートが開放され流入量がそのまま流下します。
 
県道に張り付くように建つ管理事務所と取水口
手前には浮桟橋に繋留された巡視艇。
 
上流面。
 
下流面。
 
 
(追記)
木都賀ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1739 木都賀ダム(1640)
島根県浜田市弥栄町木都賀
三隅川水系三隅川
39メートル
98メートル
2526千㎥/1558千㎥
島根県企業局
1961年
◎治水協定が締結されたダム


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