ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

雪浦ダム

2019-08-01 13:32:08 | 長崎県
2019年7月14日 雪浦ダム
 
長崎市から西海市へと続く西彼杵半島には南北に約8キロ間隔で伊佐ノ浦、雪浦、神浦と3基のダムが並びいずれも名前に『浦』が付いています。
雪浦ダムは西海市大瀬戸町雪浦幸物郷の雪浦川本流上流部にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで雪浦川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権としての灌漑用水および西海市大瀬戸町への上水道用水の補給、長崎市への上水道用水の供給を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
多目的ダムではありますが主目的は長崎市への上水道用水の供給で、ダム建設と同時に雪浦ダムから神浦ダムを経て長崎市の手熊浄水場まで延長28キロにも及ぶ導水管が整備されました。
 
長崎市の水道施設網(長崎市上下水道局HPより)
 
県道12号の下山バス停で右手の分岐に入り雪浦川沿いを遡上すると雪浦ダムに到着します。
クレストにはラジアルゲートを装備していますが、下流からの展望ポイントは全くなくこれが精いっぱい。
せめてゲートだけでも見えるように木を切ってくれ!とも言えないのがつらい所。
 
昭和40年代のダムらしく、打継目のはっきりした下流面。
 
上流からの展望ポイントもほとんどありません
左岸が緩やかに屈曲しています。
 
諸元プレート。
 
減勢工はかなり長くずいぶん下流に副ダムがあります。
 
ダム下の放流設備
ここから神浦ダム経由で手熊浄水場に水が送られます。
 
河川維持放流。
 
ゲートを真上から
前日の雨で水位が上がり放流が行われています。
 
総貯水容量は390万立米。
 
右岸から
よく見ると堤体右岸も屈曲しています。
天端は車両通行可能ですが、右岸から上流に向かう道路が崩落で通行止めのためここで行き止まり。
 
長崎県では3基しかないラジアルゲート装備ダムですが、下流側からの展望ポイントは全くありません。
 
(追記)
雪浦ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
2618 雪浦ダム(1498) 
長崎県西海市大瀬戸町雪浦幸物郷
雪浦川水系雪浦川
FNW
44メートル
146メートル
3900千㎥/3220千㎥
長崎県土木部
1976年
◎治水協定が締結されたダム


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