2018年3月25日 関地池
関地池は愛媛県西予市宇和町信里の肱川水系宇和川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
関地池の起源は古く江戸初期の寛永12年(1635年)に、宇和島藩初代藩主伊達秀宗の命により築造されたとされています。
戦後1952年(昭和27年)から1962年(昭和32年)にかけて農林省(現農水省)の補助を受けた県の事業により大規模な拡張工事が行われ現在の規模となりました。
管理は西予市上町土地改良区が行っています。
関地池の由来について現地説明板では、当初難工事で築造が進まない中『お関』という名の親子連れの巡礼が人柱になることを申し入れ、その後工事がはかどっったそうです。そこで『お関』さんのおかげでできた池ということで関地池になったと書かれています。
江戸時代の溜池築造に際しては各所にこのような人柱の伝承が残っています。
一方池の左岸には池に向かってボールを打つ水上ゴルフ場があります。広島県福山市の溜池ではおなじみですが、四国では西条市の城ノ谷池でゴルフ場跡を見かけただけ。四国で営業している水上ゴルフ場は関地池だけのようです。
国道56号線に関地池公園や宇和水上ゴルフ場を示す看板があり、これに従うと池の堤体が見えてきます。
訪問時は桜祭りに備えて多くの吹き流しや幟が立てられていました。
堤体は2段に見えますが、これは堤体中段を道路が通っているためです。
右岸に洪水吐があり、数日前までの雨で水位が上がった影響で越流しています。
転波により鱗が見えます。
上流面はコンクリートで護岸。
左岸の斜樋。
総貯水容量100万立米と溜池としては大規模な貯水池。
左岸に水上ゴルフ場があります。
水上ゴルフ場をズームアップ
「池に向かって打て!」
かなりの盛況です。
天端は車両通行可能
桜祭りの幟が立っていますが桜はまだまだ蕾、代わりに菜の花が満開です
桜祭り際には天端が来場者の車でいっぱいになるそうです。
下流面と祭りの吹き流し。
左岸の洪水吐
緩やかに湾曲しており、右岸側壁の洗堀を防ぐために中央に導流壁が作られています。
越流部
突起はゴミや流木の流下を防ぐためのものでしょうか?
2251 関地池(1310)
ため池コード
愛媛県西予市宇和町信里
DamMaps肘川水系宇和川
A
E
22.5メートル
155メートル
1000千㎥/1000千㎥
西予市宇和町土地改良区
1962年
思わずわらってしまいました。
多分、ダム湖という認識は無くて、ゴルフ場の為の池としか思って無さそう(笑)
満開の菜の花 天端が車で一杯になる光景
ダム湖がすっかり地域に密着している感じですね。
かつて取材した際に、利用してい方に伺うと「え?他所は池にゴルフ練習場ないの?」
というお答え。
現地はゴルフの打ちっぱなしは池でするのが当たり前のようです。
ちなみに浮力のある軽いボールは当然飛距離が出ません。
その点も質問すると、普段飛ばないボールを打つことで、いざ本番の芝の上では距離が出せるんだそうです。