ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

東荒川ダム

2016-12-18 13:50:00 | 栃木県
2015年10月04日 東荒川ダム
2016年12月11日 
 
東荒川ダムは栃木県塩谷郡塩谷町上寺島の那珂川水系荒川上流部にある栃木県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
荒川は那珂川の主要支流で、その名が示すように暴れ川でとりわけ利根川水系鬼怒川と河道が錯綜する中下流域では豪雨のたびに甚大な洪水被害が発生していました。
1968年(昭和43年)に荒川右支流の西荒川に県営治水ダムとして西荒川ダムが建設されましたが、荒川流域での治水対策は盤石とはいえませんでした。
一方、高度成長期以降の上水道需要の増加や農水省による国営芳賀台地農業水利事業への灌漑用水源の確保が求められることになり、栃木県は東荒川への多目的ダム建設を決定、1990年(平成2年)に竣工したのが東荒川ダムです。
東荒川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、西荒川ダムと連携した荒川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、芳賀台地土地改良区への灌漑用水の供給、塩谷町・さくら市・茂木町への上水道用水の供給、栃木県企業局東荒川発電所での最大600キロワットのダム式水力発電を目的としています。
 
塩谷町中心部から県道63号を北上すると東荒川ダムに到着します。
ダム左岸の展望台から
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂が10門、中央には取水設備と常用洪水吐としてオリフィスローラーゲート2門を備えています。
 
左岸上流から(2016年12月11日)。
 
減勢工と発電所(2016年12月11日)。
 
副ダムと洗堀防止目的のブロック工をズームアップ(2016年12月11日)。
 
ダム湖は総貯水容量610万立米、特にダム湖名はありません(2016年12月11日)。
 
天端は徒歩のみ開放されています。
右手はエレベータ棟、左手はオリフィスゲート操作室。
 
下流面(2016年12月11日)。
 
フーチングを覆うような背の高い堤趾導流壁が特徴(2016年12月11日)。
 
上流面(2016年12月11日)。
 
カラフルな水位計が刻まれたインクラインと艇庫
奥は管理事務所(2016年12月11日)。

尚仁沢はーとらんどで提供されるダムカレー
東荒川ダムを如実に表しているかどうかは別にして素揚げの野菜がおいしい。
 
追記
東荒川ダムには最大323万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに44万9000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0577 東荒川ダム(0006)
栃木県塩谷郡塩谷町上寺島
那珂川水系荒川
FNAWP
70メートル
290メートル
6100㎥/5330㎥
栃木県県土整備部
1990年
◎治水協定が締結されたダム


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