2016年9月5日 七ヶ宿ダム
阿武隈川水系は中流部の福島県中通地域と下流部の宮城県白石市・角田市でたびたび洪水被害を引き起こし、抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。
一方東北の中心都市として発展著しい仙台周辺では人口増や産業発展に伴う水需要の増加が続き、新たな水源を確保する必要性がでてきました。
そこで建設省は阿武隈川を1級河川に指定するとともに多目的ダムによる河川総合開発事業に乗り出し、1991年(平成3年)に阿武隈川の主要支流である白石川に竣工したのが七ヶ宿ダムです。
七ヶ宿ダムは大滝根川の三春ダム、摺上川の摺上川ダムと連携して阿武隈川水系の洪水調節を行うほか、慣行水利権分の用水補給と安定した河川流量の維持、仙台平野への農業用水補給、宮城県内7市10町への上水道の供給を目的としています。
また利水放流を利用した七ヶ宿ダム管理用発電所で最大3700キロワットの小水力発電を行っています。
白石市街から国道113号を西進し東材木岩トンネルを抜けると左に七ヶ宿ダム管理事務所への道が分かれます。
国道に沿って公園が設置され巨大なクワガタのモニュメントが現れます。
洪水吐。
クレストはラジアルゲート3門、オリフィスの予備ゲートが2門。
無塗装のラジアルゲートがメカニカルな印象を際立たせます。
ラジアルゲート下流側は赤い塗装。
洪水吐導流部と減勢工
堤体直下には公園があり材木岩から遊歩道が伸びていますが、震災以降立入禁止。
天端は歩行者のみ立ち入り可能。
堤体は緩やかに湾曲しています。
左奥の取水塔は上水道、工業用水の取水設備
管理事務所に隣接して左は灌漑用取水設備、右はインクライン。
右岸の壁面に七ヶ宿ダムの銘。
ダム湖(七ヶ宿湖)
右手に南蔵王の不忘岳と屏風岳が見えます。
下流面。
上流面。
堤体直下には公園がありますが、材木岩からの遊歩道は震災以降通行止め。
ダムの見学会に参加すれば下流からもダムを見ることができるようです。
平日なら予約なしでダム内部見学ができるのでぜひ平日に再訪したいと思います。
追記
七ヶ宿ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
0304 七ヶ宿ダム(0555)
宮城県刈田郡七ヶ宿町
阿武隈川水系白石川
FNAW
R
90メートル
565メートル
109000千㎥/99500千㎥
国交省東北地方整備局
1991年
◎治水協定が締結されたダム
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