2016年5月21日 太田ダム
2023年9月23日
太田ダムは新潟県小千谷市山谷の信濃川水系太田川にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
現地竣工記念碑によれば1922年(大正11年)に25町歩(約25ヘクタール)の開田に合わせ太田溜池として建設されました。
その後県営防災ダム事業により再開発され、1999年に農地防災容量が付加された太田ダムとして新たに竣工しました。
運用開始後は小千谷土地改良区が管理を受託し、64ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに流域の農地防災を担っています。
ダム便覧では竣工年度が1996年(平成8年)になっていますが、この根拠が不明なためここでは竣工記念碑の1999年を竣工年度とします。
太田ダムには2016年(平成28年)5月に初訪、渇水により貯水池が枯れているとの報を受け2023年(令和5年)9月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
ダム下から
堤体は堤高26.5メートル、堤頂長115メートル
犬走を挟んだ2段構成で右岸(向かって左)に洪水吐斜水路があります。
(2023年9月23日)
ダム下流の放流設備
ここで河川維持放流と灌漑用水を分水します。
(2023年9月23日)
洪水吐に架かる管理橋
左手の水路管が灌漑用のパイプライン。
(2023年9月23日)
管理橋から斜水路を見上げる。
(2023年9月23日)
減勢工にある転流工吐口。
(2023年9月23日)
河川維持放流ゲート
2枚目写真の放流設備から分水されます。
(2023年9月23日)
左岸から下流面。
(2023年9月23日)
天端は立ち入り禁止
ダムを所有する小千谷市に立ち入り交渉をしましたが残念ながら却下。
(2016年5月21日)
左岸の竣工記念碑。
太田溜池時代からの来歴が詳しく書かれています。
(2023年9月23日)
2023年(令和5年)は新潟県各所で渇水が発生、
太田ダムも8月に貯水率がゼロになり以来流入量をそのまま放流する低水運用を行っています。
上流面はコンクリートで護岸
対岸に横越流式洪水吐と斜樋があり高台には管理棟が建っています。
(2023年9月23日)
こちらは初回訪問時
これで常時満水位。
(2016年5月21日)
同じアングルで再訪時。
(2023年9月23日)
初回訪問時の貯水池。
有効貯水容量16万4000立米のうち灌漑容量11万5000立米が貯留され、残り4万9000立米が農地防災容量となります。
(2016年5月21日)
初回訪問時の斜樋。
(2016年5月21日)
再訪時
貯水池に溜まっているのは堆砂容量1万立米のみ
水位は取水設備の最低取水口を下回り、流入量は土砂吐ゲートからそのまま放流しています。
(2023年9月23日)
2023年(令和5年)7月にも新潟のダムを回りましたが、その時には予想もしなかった渇水。
当ダムのほか多くのダムで水不足に陥り、新潟県内の農家や土地改良区は近年まれにみる苦難を強いられました。
3116 太田ダム(0390)
新潟県小千谷市山谷
信濃川水系太田川
FA
E
26.5メートル
115メートル
174千㎥/164千㎥
小千谷土地改良区
1922年 太田溜池竣工
1996年 太田ダム竣工(ダム便覧)
1999年 (竣工記念碑)
ここまで水位が下がってしまうものなんですね
貯水率がゼロになると、灌漑用水を供給できなくなるのではと
素人はついそんな風に考えてしまうのですが
実際にはどうなんでしょう
いずれにしてもダムに水が無い状態は
素人考えでも大変な事なんじゃないかと思いつつ
じゃぁ、どう大変なのかと聞かれても
実際に所 良く分かってないという(^_^;)
ダムは行ってないですが
小千谷市・・・懐かしいです。
当然受益者である農地には満足な水が供給されませんのでコメの生育にも大きく影響し、コメの卸価格は下がります。
品種改良や農業技術の発展により収穫量こそ程々に挽回されたようですが、品質面での打撃は大だったようです。