2018年10月9日 殿ダム
殿ダムは鳥取市国府町殿の千代川水系袋川にある国交省中国地方整備局が管理する特定多目的ロックフィルダムです。
一級河川袋川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、鳥取市営水道への上水道用水の供給、鳥取県企業局への工業用水の供給、鳥取県企業局袋川発電所での最大1100キロワットのダム水路式発電を目的として2011年(平成23年)に竣工しました。
事業計画から建設着手まで長期にわたる補償交渉があったことも踏まえ地域との交流に配慮、ダム下の殿ダム記念広場をはじめダム周辺に4カ所の広場を設け地域住民の憩いの場となっています。
県道31号線を進むと右下に殿ダムの姿が見えてきます。
堤高75メートルは鳥取県内のダムでは最高、ダム下は記念広場として整備され見た目にも美しいロックフィルダムです。
特筆すべきはその洪水吐で、導流部がカスケードになっています。
右手は放流設備と袋川発電所。
明治大正期の上水用アースフィルダムでは階段状の洪水吐導流部をよく見かけます。
しかしこれほど大規模なものは殿ダムだけでしょう。
右岸ダムサイトにある管理所とダム下の記念広場を結ぶインクライン。
一般見学者は乗れるのかな?
ダムサイトまで上がってきました。
下流面は白い石が積まれていますが、上流は黒い丸石です。
天端から
ダム下の記念広場、
サッカー会場として利用されるなど普段は家族連れで賑わうようですがこの日は休園日。
下流面は白い石。
天端
管理所の開設時間に限り車両通行可能です。
左岸の側水路式の巨大な洪水吐
ゲートレスで奥の二つの穴がが常用、横越流部が非常用の洪水吐となります。
取水塔。
ダム湖は因幡万葉湖と命名され総貯水容量は1240万立米。
2011年に竣工したばかりのダムなので、見た目も美しく周辺の環境整備も行き届いています。
ダム管理事務所では「平成のピラミッド」を標榜していますが、できれば上流面と下流面の異なるロック材を俯瞰できる展望所でも作ってくれればピラミッドも実感できるのですが。
(追記)
殿ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
2931 殿ダム(1400)
鳥取県鳥取市国府町殿
千代川水系袋川
FNWIP
R
75メートル
294メートル
12400千㎥/11200千㎥
国交省中国地方整備局
2011年
◎治水協定が締結されたダム
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