ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

竜神ダム

2015-12-21 08:00:00 | 茨城県
2015年12月18日 竜神ダム
 
竜神ダムは左岸が茨城県常陸太田市下高倉町、右岸が同市天下野町の一級河川久慈川水系山田川右支流竜神川にある茨城県土木部所管の重力式コンクリートダムで、建設省の補助を受けた補助多目的ダムとして1978年(昭和53年)に竣工しました。
洪水時最大90立米/秒の洪水をカットし、山田川下流基準地点で80立米/秒の洪水調節を行うほか、河川流量の維持と山田川流域農地への不特定灌漑用水(既得灌漑用水)の補給、太常陸太田市及び日立市への上水供給、常陸太田市への工水供給を目的としています。
ダム上流の竜神峡は紅葉の名所として知られる一方、ダム湖上には本州有数の歩行者用吊橋である竜神大吊橋が架橋され人気の観光スポットとなっています。
 
左岸下流から
放流設備として非常用洪水吐のクレストラジアルゲート2門、常用洪水吐のオリフィスローラーゲート1門を装備。
赤いゲートととんがり帽子の操作室の組み合わせは、同じ茨城県土木部所管の藤井川ダムの非常用洪水吐によく似ています。


ズームアップ。


天端は徒歩のみ開放
天端を渡った右岸から竜神大吊橋への遊歩道が続いています。


ダム湖の竜神湖(総貯水容量300万立米)の上空100メートルに架かる竜神大吊橋。


右岸から下流面。

 
減勢工
副ダムにはスリットが入っています。
放流しているのは利水放流管。


竜神大橋を渡ります
一人310円。


吊り橋から
まるで航空写真のようなアングルでダムを俯瞰できます。


ゲートの右側は選択取水設備。


上流から。
手前に艇庫とインクライン
2門のラジアルゲートの間にオリフィスローラーゲートの上部が水面からわずかに頭を出しています。


(追記)  
竜神ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 

0547 竜神ダム(0116)
左岸 茨城県常陸太田市下高倉町 
右岸       同市天下野町 
久慈川水系竜神川
FNWI
45メートル
90メートル
3000㎥/2700㎥
茨城県土木部
1978年
◎治水協定が締結されたダム

和田川ダム

2015-12-17 09:00:00 | 富山県
2015年12月15日 和田川ダム
 
和田川ダムは富山県砺波市増山の一級河川庄川水系和田川にある富山県土木部が管理する重力式コンクリートダムで、建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムとして1967年(昭和42年)に竣工しました。
和田川の洪水調節(最大65立米/秒のカット)、特定灌漑用水への供給、3市への上水供給、富山新港への工水供給、富山県企業局庄東第二発電所(最大出力7400キロワット)でのダム式発電を目的としています。
また同局庄東第一発電所(最大出力2万4000キロワット)の放流水がダム湖に流入しており、発電逆調整池の役割も果たしています。

左岸から下流面
堤高21メートル、堤頂長137メートルの小ぶりな堤体
最右岸にクレストラジアルゲートと減勢工があります。
堤体直下に富山県企業局庄川東発電所があり、水圧鉄管を覆う2本のコンクリートはまるでスフィンクスの前足の様。
 
天端は徒歩のみ開放
向かいの山には国の史跡で続日本100名城の増山城址があり、天端はこの入口となります。
 
天端から
真下には発電所。
 
発電所の右手には洪水吐減勢工。
 
上流から
クレストラジアルゲート1門、左手は発電所取水口。
多目的ダムの上流面のこの位置に、発電賞取水口が置かれるのは珍しい。
 
左岸の上工水取水口。
下流の和田川浄水場に送られます。

(追記)  
和田川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0854 和田川ダム(0114)
富山県砺波市増山 
庄川水系和田川
FAWP
21メートル
137メートル
3070㎥/1900㎥
富山県土木部
1967年

美鈴湖

2015-12-14 11:00:00 | 長野県
2015年12月13日 美鈴湖
 
美鈴湖は長野県松本市三才山の信濃川水系女鳥羽川左支流小寺尾川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
起源は16世紀末の安土桃山時代に遡り当初は『芦の田池』と呼ばれていました。
1939年(昭和14年)の大干ばつを契機に池の規模拡大機運が盛り上がり、1941年(昭和16年)に県営女鳥羽用水改良事業が採択され嵩上げ再開発が着手されました。
戦況悪化や戦後の混乱により工事は大きく遅延しますが、1951年(昭和26年)に無事竣工し現在の規模となりました。
さらに2年後の1953年(昭和28年)に美鈴湖と改名、以来管理は松本市が行っています。
貯水容量の大半は山の東側の女鳥羽川からの導水により、さらに当池西側に位置する番場池とも連絡水路で結ばれ一体運用されています。
美鈴湖周辺は浅間温泉や美ケ原に近い立地を生かし各種アウトドア施設が整備され、とりわけ管理釣り場は季節を問わず多くの釣り師が訪れる人気スポットとなっています。
 
美鈴湖の水の流れ
 
下流から
左岸から洪水吐導流部が伸びています。
 
天端は車道。
 
ダム湖は管理釣り場となっており、訪問時はヘラブナ釣り客でにぎわっていました。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の洪水吐
実質的には河道外貯留のため池のサイズに比べて洪水吐は小ぶり。
 
事前予習不足のため、女鳥羽川からの導水路吐口や番場池への取水口などを確認しないままに終わりました。
機会があれば再訪したいと思います。

0999 美鈴湖(0112)
ため池コード 
長野県松本市三才山 
信濃川水系女鳥羽川左支流小寺尾川
19メートル
174メートル(ため池データベース165メートル)
809㎥/809㎥
松本市
1951年

丹生ダム

2015-12-14 09:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 丹生ダム
 
丹生ダムは群馬県富岡市下丹生の利根川水系丹生川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1938年(昭和13年)に県営用水改良事業で丹生池が建設されますが、戦後の農林省(現農水省)による国営甘楽多野用水農業水利事業で再開発され1952年(昭和27年)に丹生ダム(丹生貯水池)として改めて竣工しました。
鏑川にある下仁田頭取工で取水された水が当ダムに貯留されたのち、甘楽多野用水により受益農地に補給されます。
管理は甘楽多野土地改良区が受託しています。
ダム湖(丹生湖)は管理釣場が開設されヘラブナやワカサギが釣りでにぎわうほか、春には湖岸の桜がダム湖を彩ります。 

堤頂長は400メートル近くに及び、下流面はきれいに草が刈られています。
 
天端は舗装されていますが車両進入禁止。
 
総貯水容量144万7000立米と溜池としては群馬県屈指の規模。
湖面に映る妙義山が丹生湖の売りの一つです。
管理釣り場が開設されワカサギ釣り客でにぎわっています。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
ダムの下流にはのどかな農村風景と桜並木が続きます。
 
向って左手が底樋、右手は洪水吐導流部。
 
甘楽多野用水路。
 
旅行の合間の見学のため、取水設備などを見落としてしまいました。
取水口である下仁田頭取工ともども再訪しなければいけません。

0601 丹生ダム(0110)
ため池コード 102100002 
群馬県富岡市下丹生 
利根川水系丹生川
17.3メートル
398.2メートル
1447㎥/1444㎥
甘楽多野用水土地改良区
1952年

大塩ダム

2015-12-14 08:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 大塩ダム
 
大塩ダムは群馬県富岡市南後箇の一級河川利根川水系鏑川右支流にある灌漑・上水目的のアースフィルダムです。
群馬県南西部の鏑川流域では農地は段丘中高位に分布しており水利に乏しく大半の営農は零細な畑作に留まっていました。
1959年(昭和34年)に農林省(現農水省)による国営鏑川農業水利事業が着手され、鏑川右支流南牧川で水利権を確保するとともに灌漑設備の整備が進められ、その調整池として1965年(昭和40年)に建設されたのが大塩ダムです。
農業水利事業全体も1970年(昭和45年)に竣工し、鏑川用水と呼ばれる水路網を通じ鏑川流域3市2町にまたがる約2600ヘクタール(現在は宅地化の進展などにより約1400ヘクタール)の田畑への用水補給が開始されました。
管理は併せて建設された竹沼ダム、南牧頭首工 などとともに鏑川土地改良区が受託しています。
南牧川の南牧頭首工で取水された水はいったん大塩ダムに貯留されたのち、幹線水路を通じて受益農地に補給されます 
また、南牧頭首工での取水のうち13%は上水用として取水され富岡市、甘楽町、高崎市吉井町に上水道用水を供給しており、大塩ダムも共用施設として利用されています。
したがってダムの目的は『A』ではなく『AW』が妥当かと思われ、当ブログでもそのように記載します。
 
天端は車輛通行可能。
 
堤体からの眺め。
 
上流面はコンクリートで護岸補強。
釣り禁止のため釣り師の姿はありません。
 
ダム湖(大塩湖)
総貯水容量184万1000立米
流域面積130.5平方キロのうち自己流域はわずか0.3%にとどまり、その大半は南牧川からの導水に依ります。
ダム湖を一周できる道路がありランニングやウォーキングする人が多く見られました。
 
今回は旅行の合間での訪問のため、洪水吐はもとより取水設備、南牧頭首工からの導水路吐口など主要設備を全く見ないままで終わりました。
機会があれば南牧頭首工も併せて、再度訪問してみたいと思います。

0613 大塩ダム
ため池コード 102100001 
群馬県富岡市南後箇 
利根川水系南牧川
AW
31.9メートル
250.6メートル
1841㎥/1748㎥
鏑川土地改良区
1965年

霧積ダム

2015-12-11 08:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 霧積ダム
 
霧積ダムは群馬県安中市松井田町坂本の一級河川利根川水系碓氷川左支流霧積川にある群馬県県土整備部が管理する重力式コンクリートダムで、建設省(現国交省)の補助を受けた補助治水ダムとして1975年(昭和50年)に竣工しました。
群馬県県土整備部による第1号ダムとなっています。
最大280立米/秒の洪水をカットし碓氷川の基準地点で最大200立米/秒の洪水調節を行うほか、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給を目的としています。

国道16号から県道56号北軽井沢松井田線に入り2.5キロ北上すると霧積ダムに到着します。
天端は車両も通行ができ左岸の管理事務所脇まで車で入れます。
左岸から
堤頂長は350メートルと長く、洪水吐の左岸側で屈曲しています。
 
さらに下流から
写真では見えませんが、放流設備は非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂2門、非洪水期常用洪水吐として自然調節式オリフィス1門、洪水期常用洪水吐としてオリフィス高圧ラジアルゲート1門、さらに利水放流用ホロージェットバルブ1条を装備しています。
 
天端は車両ができます。
堤体は天端のほぼ中央、洪水吐の左岸側で『く』の字に曲がっています。
右手の建屋は取水設備。
 
ダム湖(霧積湖)は総貯水容量250万立米、うち堆砂容量40万立米。
容量配分は洪水期(7月1日~9月30日)と非洪水期(10月1日~6月30日)で異なります。
訪問時は非洪水期と言うことでEL609.3メートルの常時満水位まで貯留されています。
また上流では排砂作業が行われています。
 
ホロージェットバブルからの利水放流。
 
左岸県道から俯瞰。
きれいな『く』の字
手前は取水設備、奥に管理事務所とインクラインがあります。
 
上流から
クレスト自由越流頂2門、間に非洪水期用自然調節式オリフィス1門
オリフィス上部に予備ゲートがあります
また水中には洪水期用オリフィス高圧ラジアルゲートが隠れています。
右手は多段式表面取水設備。
 
霧積といえば『人間の証明』
舞台となった霧積温泉はダムの7キロ上流にあります。

(追記)    
霧積ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。    

0618 霧積ダム(0107)
群馬県安中市松井田町坂本 
利根川水系霧積川
FN
59メートル
305メートル
2500㎥/2100㎥
群馬県県土整備部
1975年
◎治水協定が締結されたダム

円良田湖

2015-12-10 06:00:00 | 埼玉県
2015年12月09日 円良田湖
 
円良田湖は埼玉県大里郡寄居町末野の荒川水系逆川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
埼玉県内では1935年(昭和10年)の鎌北湖建設を契機に荒川中流北岸地域でも農業用貯水池建設機運が高まり、1942年(昭和17年)に県の補助を受け寄居町他9ヶ村溜池新設事業が着手されました。
しかし、戦況悪化に伴う人員物資不足等によりに事業は一時中断、戦後の食糧増産機運を受けて1949年(昭和24年)に事業が再開され1954年(昭和29年)に竣工したのが円良田湖です。
管理は北武蔵用水土地改良区が行っています。
その後関越道開通に合わせて寄居町観光協会管理が管理釣り場の運営を開始、現在ではヘラブナ、ワカサギを目当てに首都圏屈指の人気釣りスポットとなっています。
 
ダム下から
右岸の洪水吐斜水路
周辺には桜が植えられています。春もいいでしょうね。
 
湖面には管理釣り場として浮桟橋が設けられています。
また湖畔には釣り宿や貸しボート屋が軒を連ねます。
 
緩やかにカーブを描く右岸の横越流式洪水吐
放流した魚が流されないよう、ネットが張られています
ちょうど朝日が差し込み素晴らしい景色となりました。
 
上流面。
 
洪水吐導流部。
 
おしゃれな取水棟。

0635 円良田湖(0097)
埼玉県大里郡寄居町末野 
荒川水系逆川
21メートル
138メートル
650㎥/650㎥
北武蔵用水土地改良区
1954年

二瀬ダム

2015-12-08 12:00:00 | 埼玉県
2015年12月05日 二瀬ダム
 
二瀬ダムは埼玉県秩父市大滝の一級河川荒川本流上流部にある国交省関東地方整備局が管理する重力式アーチダムです
荒川はその名が示すように古来よりの暴れ川で、家康による江戸開府以来その治水は施政者の至上命題となっていました。
終戦直後の1947年(昭和22年)に襲来したカスリン台風により関東各地で滅的被害が発生、これを契機に主要河川で建設省直轄事業による多目的ダム建設を軸とした河川総合開発が企図されます。
荒川においては『荒川総合開発事業』が採択され、その中核施設として1961年(昭和36年)に竣工したのが二瀬ダムです。
二瀬ダムは建設省(現国交省)が直轄事業で建設した特定多目的ダムで、ダムの型式は現在日本で10基しかない重力式アーチを採用し、洪水期(7月1日~9月30日)での最大700立米/秒の洪水調節、荒川下流域約8500ヘクタールの農地への不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、東京発電(株)二瀬発電所(2008年に埼玉県企業局から移管)での最大5200キロワットのダム式発電を目的としています。

その後、1974年(昭和49年)の『利根川・荒川水資源基本計画水』により荒川水系での河川開発は水資源開発公団(現水資源機構)に移管され、1998年(平成10年)に浦山ダム、2007年(平成19年)に滝沢ダムが完成しました。
現在は荒川上流ダム群として、洪水時には3ダム合計最大3140立米/秒の洪水調節を行います。
また3ダムともに日本ダム協会により日本100ダムに選ばれています。
 
秩父市街から国道140号線を西進、道の駅『大滝温泉』の先で三峰山方面に向かうと二瀬ダムのダムサイトに到着します。
左岸展望台から
天端は三峰山に向かう県道278号線が通っており、信号による交互通行になっています。
 
ゲートの補修工事が行われています。
 
天端左岸は国道と県道の交差点。
 
ゲート。
 
ダム下流面。
 
クレストはラジアルゲートが4門
改修によりピカピカの緑色。
 
洪水吐導流部は重力式アーチ特有のジャンプ台式になっていますが、逆光のためいい写真が撮れませんでした。
 
二瀬ダムのダムカード。
 
秩父4ダムカードでもらえる二瀬ダムの特製カード。
 
今回はゲートの補修工事中ということで交通量も多く天端を歩くのは自粛しました。
ダムの特徴であるジャンプ台式の減勢工をうまく撮影できなかったので工事が終了したら改めて訪問したいと思います。
 
追記
二瀬ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。    

 
0637 二瀬ダム(0094) 
埼玉県秩父市大滝 
荒川水系荒川
FNP
GA
95メートル
288.5メートル
26900千㎥/21800千㎥
国交省関東地方整備局
1961年
◎治水協定が締結されたダム

宮沢溜池

2015-12-08 06:00:00 | 埼玉県
2015年12月05日 宮沢溜池
 
宮沢溜池は埼玉県飯能市宮沢の荒川水系小畔川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
飯能周辺では農地の大半は丘陵地や台地にあるため水利に乏しく多くの農家は苦難を強いられていました。
しかし1929年(昭和4年)に毛呂山での鎌北湖建設着手を契機に飯能でも溜池建設機運が高まり10年の歳月をかけ1941年(昭和16年)に宮沢溜池が完成しました。
池は小畔川だけでは十分な集水ができないため入間川から導水し、併せて建設された延長50キロ以上の用水路により水田への用水補給が開始されました。
現在池の管理は飯能市が行い入間第二用水土地改良区の水田に灌漑用水を供給しています。

昭和30年代に西武鉄道が池に隣接して遊園地を建設し、人気スポットとなりましたが西武の経営悪化を受け2008年(平成20年)に閉園。
変わって2018年(令和元年)に『メッツァビレッジ・ムーミンバレーパーク』が開業し新たな観光スポットとして人気を博しています。
 
訪問したのはまだムーミンパーク開園以前、早朝の訪問にもかかわらずワカサギ釣りを楽しむ人たちで駐車場はいっぱい。
ダム湖上流面はコンクリートで護岸されています。
 
総貯水容量は87万9000立米
湖岸だけではなく湖の中程まで釣り用の桟橋が設置されています。
 
天端を含め湖岸には遊歩道が整備されています。
 
天端から
真下が入間第二用水。
 
左岸の洪水吐。
 
ばたばたとした見学で、取水設備や底樋も確認しないまま。
いずれ再訪しなければいけません。

0634 宮沢溜池(0090)
埼玉県飯能市宮沢 
荒川水系小畔川
18.5メートル(ため池データベース19メートル)
240メートル
879㎥/879㎥
飯能市
1941年

水沼ダム

2015-12-05 18:00:00 | 茨城県
2015年12月04日 水沼ダム

水沼ダムは茨城県北茨城市華川町の二級河川大北川水系花園川にある茨城県土木部が管理する重力式コンクリートダムで、建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムとして1966年(昭和41年)に竣工しました。
茨城県土木部としては最初の多目的ダムで花園川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、上水道用水及び工業用水の供給を目的としています。
 
県道153号線を北西に走ると右手にダムが見えてきます。
初冬の残照を受けた山が湖面に映えて素晴らしい眺めとなりました。
ダム湖は総貯水容量223万立米と補助ダムとしてはかなり小ぶり。
 
クレストにローラーゲート1門。
右は選択取水設備。
 
天端は立ち入り禁止。
古いダムなので安全のために立ち入り禁止にしてるそうです。
 
堤高33.7メートルとさほど高さはありません。
ゲートが前面に張り出した作りは大内ダム大川ダムなど香川県営ダムに通じるデザイン。
取水設備から伸びたパイプは河川維持放流用に後付けしたっぽい。

追記
水沼ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。    

0543 水沼ダム(0089)
茨城県北茨木市華川町 
大北川水系花園川
FNWI
33.7メートル
140メートル
2230㎥/1660㎥
茨城県土木部
1966年
◎治水協定が締結されたダム

御前山ダム

2015-12-05 11:00:00 | 茨城県
2015年12月04日 御前山ダム
 
御前山ダムは左岸が茨城県常陸大宮市上伊勢畑、右岸が同市下伊勢畑の一級河川那珂川水系相川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
那珂川沿岸一帯は肥沃な土壌と温暖な気候を生かし、江戸期より新田開発が進み県下有数の農業地帯となっています。
しかし灌漑施設の老朽化に加え、台地上の畑地帯や中小支川沿いの水田の多くは利水に乏しく生産性向上のため灌漑施設の刷新、整備が強く求められてきました。
1987年(昭和62年)に農水省による国営農業水利事業那珂川沿岸地区が着手され、 その灌漑用水源として2012年(平成24年)に竣工したのが御前山ダムです。
ダムは2014年(平成26年)より運用が開始されていますが、農業水利事業全体はいまだ継続中のため一部受益農地への補給に留まっています。
現在の管理は農水省関東農政局が行っており、事業竣工の暁には約8500ヘクタールを超える広大な農地に灌漑用水が供給される見通しです。
事業の概要については下記リンクをご覧ください。
 
那賀川沿いの国道123号から県道39号を南に進むと右手に御前山ダムが見えてきます。
下流の相川橋から洪水吐と正対できますが、堤体と洪水吐の間に地山があるため堤体が見えません。
 
洪水吐をズームアップ。
 
ダム本体は立ち入り禁止のため、フェンス越しに見るのみ。
春秋に見学会が実施されるようです。
 
右岸に横越流式洪水吐があります。
 
総貯水容量720万立米と関東の農業用ダムとしてはかなり大規模。
管理事務所に斜樋が併設されています。
 
周辺は那珂川が大きく蛇行し北関東の嵐山と呼ばれる美しい景観が続いています。
ダムはフェンスに閉ざされていますが、開放すれば周辺の観光拠点の一つとして活用できると思うのですが。
 
追記
御前山ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3154 御前山ダム(0082)
左岸 茨城県常陸大宮市上伊勢畑 
右岸       同市下伊勢畑 
那珂川水系相川
52メートル
298メートル
7200㎥/6500㎥
那珂川沿岸土地改良区
2012年
◎治水協定が締結されたダム