軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

山野でみた鳥(2)ベニマシコ

2020-03-20 00:00:00 | 野鳥
 当地に引っ越してきた時、近隣に挨拶に伺ったが、居間の窓際に野鳥用の餌台を設けているMさん宅で、何枚ものMさん撮影の野鳥の写真を見せていただいた。その時、特に印象に残った美しい色の鳥がベニマシコであった。

 私が野鳥に関心を持っていると感じた元・大工のMさんは、後日、自作の同じような野鳥用の餌台を自宅まで持ってきてプレゼントしてくださった。これがきっかけで、私もこの餌台に来る野鳥の撮影をするようになった。すぐにシジュウカラなどのカラの仲間は餌を食べにやってくるようになったが、来てくれるといいなと思っていたベニマシコはこの6年間は餌台はおろか自宅周辺でもまったく見る機会がなかった。

 そのベニマシコに思いがけなく出会い、今回なんとか撮影することもできた。今年に入り、早朝雲場池に撮影を兼ねて散歩に出かけるようになったのが幸いした。

 いつものように、池の周囲を歩いていると、周辺に植えられている、冬枯れし、枝だけになっているドウダンツツジの茂みの中にいる一羽の鳥に気が付いた。しかし、小枝がじゃまになり姿がよく見えず、種を見極めることができなかった。この鳥を追うような形でしばらく歩いてみたが、すぐに見失ってしまった。いつもは引き返す、池にかかる橋をやり過ごして、さらに進んでいくと前の少し高い木の枝にさっき見た鳥が止まっているのが目に入った。今度は逃げていく様子がなく、何となく撮影してもいいよと言っている感じがして、数十枚の撮影ができた。

 私がこの散歩で常用しているカメラは古いニコンのデジタル一眼で、レンズは18-270mmのズームである。元々蝶などの昆虫や山野草の撮影が主体であったので、少し離れた位置からの接写用にとこのレンズを購入したが、野鳥となるとこの程度のレンズでは満足な撮影ができない。この時も同様で、撮影しながら距離を詰めていったがさすがに5-6mまで近寄ると逃げられてしまった。

 撮影時点でも、ベニマシコという名前が思い浮かんだが、初めてのことで確信がなく、帰宅して図鑑とみくらべてようやく間違いなくベニマシコであると判った。

 いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)を見るとベニマシコの項には次のように記されている。アトリ科の鳥である。

 「形態 ♂はばら色にて尾長い。嘴峰8~10mm、翼長62~70mm、尾長60~69mm、跗蹠15~17mm。♂のばら色は額および下面が特に濃い。背にはかっ色縦はんがある。頭上は桃色をおびた銀白色、尾は黒色でそとがわは白。翼に2条の白帯がある。♀は♂のばら色部分全部かっ色。
  生態 低木林や草原に生息し秋から冬にかけては小群をなす。なき声ビッピー、ビッピーと聞こえる。あまり人を恐れない。
  分布 北海道、本州北部(青森県)で繁殖し、秋期本州・四国・九州などに渡来して越冬する。」

 改めて写真を眺めているが、次の通り本当に紅色が美しい♂である。名前のベニマシコは紅猿子で、マシコとは猿のことである。猿の顔のような赤い色をしたアトリ科の鳥に付けられたという。他にはオオマシコ、ハギマシコなどがいるとされるが、ベニマシコは二重に赤いという名を付けられていることになる。















 私に餌台をプレゼントし、ベニマシコを教えてくれたMさんは2年前に病気で亡くなった。生前ご本人が希望されていたということで、奥様から葬儀委員長を仰せつかり、葬儀に参列したのであったが、Mさんは私と同年、まだ少し早い旅立ちであった。ベニマシコを見、撮影できましたよと報告できないのが残念である。
コメント
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