セツブンソウという名前はもっと前から知っていたのかもしれないが、初めてこの花が自生しているところを見たのは広島県三次市に赴任していた20年ほど前のことであった。
同僚のOさんの実家裏山にこの花の自生地があると聞いて、早春のある日案内していただいたことがあった。Oさんのお父さんが大切に保護されているということで、訪問当日には小さく可憐な花の姿を見ることができ、写真撮影をして帰ったことが思い出される。
今回、セツブンソウのことを書いてみようと思い、改めてネット検索をして驚いたのは、広島県庄原市の観光情報にあのOさん宅裏庭をはじめとして合計7か所の自生地が紹介されていて、開花情報も出ていたことだ。
私がお伺いした当時とは様変わりし、セツブンソウの株数も大幅に増えたようで、すっかり市の観光資源に変わっていた。
さて、思い出話が少し長くなってしまったが、埼玉県秩父郡小鹿野町にこのセツブンソウの日本有数の自生地、「節分草園」があると知って懐かしくなり妻と出かけてきた。軽井沢からは片道約2時間のドライブである。
目的地の少し前からのぼり旗が出ていて、迷うことなく現地にたどり着くことができた。園は道路に接した北斜面にあり、道路反対側の駐車場に車を止めて受付に向かった。
駐車場からみた「節分草園」(2017.2.28 撮影)
駐車場から見ると斜面に白い点々が見えて、セツブンソウだとは判るものの、まだ開花には少し早すぎたのではと軽い後悔の気持ちを持ちつつ入園料を払って園内に入った。
右の小屋が「節分草園」の受付け入り口(2017.2.28 撮影)
しかし、確かにやや早い感じはあるもののセツブンソウの花はしっかりと咲いていた。花は大きいものでも2cm程度と小ぶりで、遠くからは白い点にしか見えなかったのだ。
すでに10名程度のカメラマン/ウーマンが来ていて、思い思いに写真撮影を始めていた。大半が私と同年代の方々で、女性の姿も多い。
熱心に撮影をしている人たち(2017.2.28 撮影)
園の入り口に近いところではたくさんのセツブンソウの花が咲いていた。園はここから斜面の上部と奥の方に広がっていて、広さは5000m2とされているが、その辺りではまだ花茎や葉がほとんど立ち上がっておらず、花も見られない。同じ園内でも僅かな温度・日照の差が有るのだろう。
斜面に広がるセツブンソウの群落(2017.2.28 撮影)
砂礫で覆われた地面に群生するセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花は小さく、写真撮影をしようとするとどうしても接写することになる。ここは北斜面になっていて、花は南向き太陽の方に向かって咲いているものが大半なので写真撮影をしようとするとローアングルになる。私も地面に膝をついて撮影を続けたが、中には遊歩道に寝転んで撮影する人も見られた。
セツブンソウの花1/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花2/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花3/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花4/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花5/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウはすでに書いた通り和名を「節分草」と書き、代表的な早春植物であるとされる。実際には節分のころは、野外では早すぎるようで、2月の下旬に咲き始める。
直径が1.5cmほどの球状の塊根を持つ多年草で、キンポウゲ科の植物である。写真で目立つ白い部分はがく片で通常5枚あり、小さくY字状をした黄色い部分が花弁であり、柄の先端部分から蜜を分泌する。その内側にある薄紫の部分は雄しべである。
このがくは葉が花の位置に移動したとされるもので、蕾を保護しており一般には緑色をしている。しかしキンポウゲ科の仲間では、がくは白、黄、紫などに着色しているものが多いとされる。それもあって、キンポウゲ科の植物には花が美しい種が多いようである。なじみのある所では、同じくこの季節に咲くフクジュソウがある。ほかにも、イチリンソウ、オキナグサ、トリカブト、ヤマオダマキ、ユキワリソウ、リュウキンカなどがそうである。
撮影をしていると、通常は5弁とされる白いがく片が6枚のものや7枚のものがあることに気が付く。がく片の形状も先が細くなっている標準的なもののほか丸味を持つものも見られる。
標準的な5弁で先が尖がり縦にすじの入ったがく片形状のセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
6弁のがく片を持つセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
7弁のがく片を持つセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
セツブンソウは本州の関東地方以西に分布する日本の特産種で、石灰岩地域に多く見られるという傾向があるとされている。
そういえば、今回訪問した埼玉県の秩父地方も広島県の庄原市も石灰岩地帯であり。周辺には鍾乳洞が点在する地域である。
セツブンソウの自生している場所は斜面になっていて、石灰岩の砂礫が多数みられるという点も両者で共通しているようである。
節分草園の受付には鉢植えが売られていたので、よほど一鉢買って帰り、自宅の庭に植えてみようかと思ったのだが、火山性の浅間石を主体にした我が家のミニ・ロックガーデンとの地質の違いを考えて思いとどまった。
会いたくなればまたここに見に来ることにしよう。
同僚のOさんの実家裏山にこの花の自生地があると聞いて、早春のある日案内していただいたことがあった。Oさんのお父さんが大切に保護されているということで、訪問当日には小さく可憐な花の姿を見ることができ、写真撮影をして帰ったことが思い出される。
今回、セツブンソウのことを書いてみようと思い、改めてネット検索をして驚いたのは、広島県庄原市の観光情報にあのOさん宅裏庭をはじめとして合計7か所の自生地が紹介されていて、開花情報も出ていたことだ。
私がお伺いした当時とは様変わりし、セツブンソウの株数も大幅に増えたようで、すっかり市の観光資源に変わっていた。
さて、思い出話が少し長くなってしまったが、埼玉県秩父郡小鹿野町にこのセツブンソウの日本有数の自生地、「節分草園」があると知って懐かしくなり妻と出かけてきた。軽井沢からは片道約2時間のドライブである。
目的地の少し前からのぼり旗が出ていて、迷うことなく現地にたどり着くことができた。園は道路に接した北斜面にあり、道路反対側の駐車場に車を止めて受付に向かった。
駐車場からみた「節分草園」(2017.2.28 撮影)
駐車場から見ると斜面に白い点々が見えて、セツブンソウだとは判るものの、まだ開花には少し早すぎたのではと軽い後悔の気持ちを持ちつつ入園料を払って園内に入った。
右の小屋が「節分草園」の受付け入り口(2017.2.28 撮影)
しかし、確かにやや早い感じはあるもののセツブンソウの花はしっかりと咲いていた。花は大きいものでも2cm程度と小ぶりで、遠くからは白い点にしか見えなかったのだ。
すでに10名程度のカメラマン/ウーマンが来ていて、思い思いに写真撮影を始めていた。大半が私と同年代の方々で、女性の姿も多い。
熱心に撮影をしている人たち(2017.2.28 撮影)
園の入り口に近いところではたくさんのセツブンソウの花が咲いていた。園はここから斜面の上部と奥の方に広がっていて、広さは5000m2とされているが、その辺りではまだ花茎や葉がほとんど立ち上がっておらず、花も見られない。同じ園内でも僅かな温度・日照の差が有るのだろう。
斜面に広がるセツブンソウの群落(2017.2.28 撮影)
砂礫で覆われた地面に群生するセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花は小さく、写真撮影をしようとするとどうしても接写することになる。ここは北斜面になっていて、花は南向き太陽の方に向かって咲いているものが大半なので写真撮影をしようとするとローアングルになる。私も地面に膝をついて撮影を続けたが、中には遊歩道に寝転んで撮影する人も見られた。
セツブンソウの花1/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花2/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花3/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花4/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウの花5/5(2017.2.28 撮影)
セツブンソウはすでに書いた通り和名を「節分草」と書き、代表的な早春植物であるとされる。実際には節分のころは、野外では早すぎるようで、2月の下旬に咲き始める。
直径が1.5cmほどの球状の塊根を持つ多年草で、キンポウゲ科の植物である。写真で目立つ白い部分はがく片で通常5枚あり、小さくY字状をした黄色い部分が花弁であり、柄の先端部分から蜜を分泌する。その内側にある薄紫の部分は雄しべである。
このがくは葉が花の位置に移動したとされるもので、蕾を保護しており一般には緑色をしている。しかしキンポウゲ科の仲間では、がくは白、黄、紫などに着色しているものが多いとされる。それもあって、キンポウゲ科の植物には花が美しい種が多いようである。なじみのある所では、同じくこの季節に咲くフクジュソウがある。ほかにも、イチリンソウ、オキナグサ、トリカブト、ヤマオダマキ、ユキワリソウ、リュウキンカなどがそうである。
撮影をしていると、通常は5弁とされる白いがく片が6枚のものや7枚のものがあることに気が付く。がく片の形状も先が細くなっている標準的なもののほか丸味を持つものも見られる。
標準的な5弁で先が尖がり縦にすじの入ったがく片形状のセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
6弁のがく片を持つセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
7弁のがく片を持つセツブンソウ(2017.2.28 撮影)
セツブンソウは本州の関東地方以西に分布する日本の特産種で、石灰岩地域に多く見られるという傾向があるとされている。
そういえば、今回訪問した埼玉県の秩父地方も広島県の庄原市も石灰岩地帯であり。周辺には鍾乳洞が点在する地域である。
セツブンソウの自生している場所は斜面になっていて、石灰岩の砂礫が多数みられるという点も両者で共通しているようである。
節分草園の受付には鉢植えが売られていたので、よほど一鉢買って帰り、自宅の庭に植えてみようかと思ったのだが、火山性の浅間石を主体にした我が家のミニ・ロックガーデンとの地質の違いを考えて思いとどまった。
会いたくなればまたここに見に来ることにしよう。
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