毎年恒例になっているフキノトウ狩りに、群馬県吉井町にある妻の友人Mさんの畑に出かけた。
現地に着いてみると、今年はフキノトウがすでに成長していて花が咲いているものが多く、例年に比べると「食べごろ」のものは少なかったが、それでも二人暮らしの我が家には充分な量を収穫できた。
花が咲き、モンキチョウが吸蜜にきているフキノトウ(2022.3.30 撮影)
いつもの事だが、フキノトウを収穫した後、持ち寄った昼食をMご夫妻とご一緒してお土産に別途、カキナ、分葱、白菜などもいただいて帰路についた。
今回は、Mさんから、近くにある「小串カタクリの里」でカタクリの花が見ごろを迎えていると教えていただいた。TVのニュースで報じられていたので、途中立ち寄ってはどうかとのことである。
朝、畑に来る途中、近くの農家の庭先にある大きな枝垂れ桜が満開になっているのを見ていたので、帰りには以前から聞いていた別のサクラの名所を見て帰ろうかと妻と相談していたのであったが、そのサクラはまだ少し早いとのアドバイスもあり、カタクリ見物に方針変更をして車を走らせた。
吉井町の農家の庭先で見事な花を咲かせる枝垂桜(2022.3.30 撮影)
「小串カタクリの里」はMさんの畑から車で5-6分と近くにあったが、これまでその存在については知らなかった。
現地近くまで行くと、駐車場がありすでに多くの車が停まっていた。案内係の男性も数名いて、スムーズに駐車スペースを見つけることができた。駐車場のすぐ南側が斜面になっていて、車を降りて歩き始めると早速その斜面に咲くたくさんのカタクリの花が目に飛び込んできた。
小串カタクリの里に咲くカタクリの花(2022.3.30 撮影)
思っていたよりもはるかに多くの株がちょうど見ごろを迎えていて圧巻である。遊歩道も整備されていて、多くの客がカタクリの花を楽しみながら歩いていく。我々も写真を撮りながら、その流れに加わった。
歩き始めてすぐに、誰かが白花があると話している声が耳に入り、その方向を見ると、真っ白なカタクリが1輪ピンクの花に混じっているのが見えた。案内係の男性に聞くと、他にもすぐそばに3輪咲いていて、全山では10株ほどの白花があるとのことであった。
カタクリの白花(2022.3.30 撮影)
カタクリの白花(2022.3.30 撮影)
これまで、カタクリの花を見たいと思い、季節になると軽井沢からは我妻渓谷に、三次に赴任していた時は三良坂町方面に、上越時代には春日山や新井地区(現在は妙高市)の斐太史跡公園に、また神奈川県に住んでいた頃は津久井から高尾山方面に出かけたりといろんな場所にでかけてきたが、今回の「小串カタクリの里」ではこれまで出かけた中でも一番と思える規模で咲いていて、しばし、写真撮影を楽しむことができた。
小串カタクリ園のカタクリの花(12022.3.30 撮影)
いったい、どれほどの数のカタクリが生育しているのかと思い、帰宅後調べたところ、群生地は2.3ヘクタールあり、3月中旬から約5万株のカタクリが開花するという。今年は3月20日ごろに咲き始め、28日ごろには満開になるとのことであり、いい時期に行き会ったことになる。
この場所にはもともとカタクリが群生していたが、盗掘被害に遭っていた。「カタクリを守ろう」と声を上げたのは地元の小学生らで、子どもの熱意に地権者と行政が目を向け、1997年から整備を始め、現在は観察小屋や観察路からカタクリの花を楽しめるようになっているのだという。
実際、園内には案内板のほかに地元「いりの小学校」の生徒が作った看板が何枚も設置されていた。次の案内板には、実生からカタクリの花が咲くまでには9年もかかることが示されている。
小串カタクリの里に設置されている案内板(2022.3.30 撮影)
地元の小学生が作った看板(2022.3.30 撮撮影)
こうして、今回のフキノトウ狩りは思いがけず春を満喫できるものとなったが、やはり花より団子、帰宅してすぐに私はフキミソを、妻はフキノトウのてんぷらをつくり、春を味わったのでした。
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