その後も初めの1クール(13本)は無事に終わった。
7話「シバの女王」 演出柴山 達雄
8話「サーカスの怪人」杉山卓
9話「沈むな太陽」杉山卓
10話「ミイラ工場」 高橋 良輔
11話「北の谷の決闘」手塚 治虫
12話「モグラモチ計画」 虫プロ演出家たち
13話「食鉄魚」高橋 良輔
14話「野犬の砦」杉山 卓
とワンクールと一本が終わる。11話以外は若林 一郎さんが脚本を書いてくれたがツー・クール目からは、文芸のスタッフたちが書くことになった。
相変わらずの忙しさにも関わらず、手塚治虫先生はそのために演出家のための講習会を開いてくれることになった。
場所は第一スタジオ3階 時間は午後7時から9時までの予定となり、毎週一回開かれた。 何日も寝ないで仕事をしていた者も、なんとか時間をあけて出席した、入社したての進行は、将来の夢のためにと準備を手伝い、一番前の席に陣取って熱心に講義を受けていた。
内容は既に昔のことで忘れてしまったが、それでも記憶を聞いてまとめてみたので書いてみる。
(1)テーマを立てる
そのストーリーの中でいったい何を言いたいのか。
(2)プロット(構想)
テーマを決めそれをどのような話で進めるのか
(3)ストーリー作り
脚本を書くに当たってはまず
○「シノップス」を作れと言う。
それはまず「簡単なストーリー」を初めに作ることから始まる。
次には
○ 「箱書き」
事件の山場や、息抜きの場面 などクライマックスに向け大まかな全体像を書く
そして
○ 「シナリオ」 にする、
せりふを書いたり、動きや背景なども書く
場所などの時代考証や設定も大切なことである。
○キャラクター
登場人物のキャラクター(人格)付け
敵役 悪役と言うのではなく、主人公と意見が合わないとか、ケンか相手、憎まれ役となるこれを旨くえがけば、主人公が引き立つ。
三枚目 (これは歌舞伎で名札の一枚目は主役(たて役)二枚目が敵役、三枚目がこっけいなことをする役であったことから)
主人公にはできるだけこっけいなことはやらせず。 サブキャラにやらせ、視聴者を笑わせ、楽しくさせる役。
複線:これはとても大切で複線を張っておく事で、視聴者がこうなるのではと想像できる、そしてストーリーの展開と想像どうりかどうかで 聴視者の興味を倍増できる大切なテクニックである。
楽屋落ち
仲間内で受けるギャグで、まったく知らない視聴者にとっては、ギャグでもなんでもなく、無駄なシーンとなることが多い。 アトムの初めの頃スタッフの似顔絵がサブキャラででていた、試写でスタッフに大いに受けたが、アメリカ売りの時、誰も笑わず 面白いシーンではないと気がつき、これはいけないことだと気がつきすぐに反省するのが手塚先生の良い所であった。
下品なギャグ
汚いギャグ
卑猥なギャグ
暴力
子供の漫画映画である。少しでも悪い影響を与えるものでは、あってはならないといっていた。
そのご流行った、ドリフターズなどのギャグを見て、うえに書いた禁止事項がすべて当てはまるのに、嫌な思いをしたが、現代そんなのは当たり前の時代になってしまい、感覚も麻痺して、目くじらを立てるほうが、変な人と思われる時代と変わってしまった。
演出上の注意点
大きな一本のテーマ
えだはとなる筋は軽くして途中で消したり本筋へ戻す。
筋の運びは、滑らかでわかりやすくする
先細りにならず、一から最後まで貫く。
中心となるテーマを途中でそらしてしまわない
横道にそれたストーリがなお枝葉に分かれてしまい
本来のテーマがわからなくなってしまう。
悪い例として
尻切れトンボになってしまう。
筋がギクシャク固い
独り善がり
こんがらがっている
意味の無いふくらみがある。
などが講習会の内容ですが、以上が必死になって思い出せたことです。
当時のノートなどが残っていれば、宝ものとなったでしょうね。
7話「シバの女王」 演出柴山 達雄
8話「サーカスの怪人」杉山卓
9話「沈むな太陽」杉山卓
10話「ミイラ工場」 高橋 良輔
11話「北の谷の決闘」手塚 治虫
12話「モグラモチ計画」 虫プロ演出家たち
13話「食鉄魚」高橋 良輔
14話「野犬の砦」杉山 卓
とワンクールと一本が終わる。11話以外は若林 一郎さんが脚本を書いてくれたがツー・クール目からは、文芸のスタッフたちが書くことになった。
相変わらずの忙しさにも関わらず、手塚治虫先生はそのために演出家のための講習会を開いてくれることになった。
場所は第一スタジオ3階 時間は午後7時から9時までの予定となり、毎週一回開かれた。 何日も寝ないで仕事をしていた者も、なんとか時間をあけて出席した、入社したての進行は、将来の夢のためにと準備を手伝い、一番前の席に陣取って熱心に講義を受けていた。
内容は既に昔のことで忘れてしまったが、それでも記憶を聞いてまとめてみたので書いてみる。
(1)テーマを立てる
そのストーリーの中でいったい何を言いたいのか。
(2)プロット(構想)
テーマを決めそれをどのような話で進めるのか
(3)ストーリー作り
脚本を書くに当たってはまず
○「シノップス」を作れと言う。
それはまず「簡単なストーリー」を初めに作ることから始まる。
次には
○ 「箱書き」
事件の山場や、息抜きの場面 などクライマックスに向け大まかな全体像を書く
そして
○ 「シナリオ」 にする、
せりふを書いたり、動きや背景なども書く
場所などの時代考証や設定も大切なことである。
○キャラクター
登場人物のキャラクター(人格)付け
敵役 悪役と言うのではなく、主人公と意見が合わないとか、ケンか相手、憎まれ役となるこれを旨くえがけば、主人公が引き立つ。
三枚目 (これは歌舞伎で名札の一枚目は主役(たて役)二枚目が敵役、三枚目がこっけいなことをする役であったことから)
主人公にはできるだけこっけいなことはやらせず。 サブキャラにやらせ、視聴者を笑わせ、楽しくさせる役。
複線:これはとても大切で複線を張っておく事で、視聴者がこうなるのではと想像できる、そしてストーリーの展開と想像どうりかどうかで 聴視者の興味を倍増できる大切なテクニックである。
楽屋落ち
仲間内で受けるギャグで、まったく知らない視聴者にとっては、ギャグでもなんでもなく、無駄なシーンとなることが多い。 アトムの初めの頃スタッフの似顔絵がサブキャラででていた、試写でスタッフに大いに受けたが、アメリカ売りの時、誰も笑わず 面白いシーンではないと気がつき、これはいけないことだと気がつきすぐに反省するのが手塚先生の良い所であった。
下品なギャグ
汚いギャグ
卑猥なギャグ
暴力
子供の漫画映画である。少しでも悪い影響を与えるものでは、あってはならないといっていた。
そのご流行った、ドリフターズなどのギャグを見て、うえに書いた禁止事項がすべて当てはまるのに、嫌な思いをしたが、現代そんなのは当たり前の時代になってしまい、感覚も麻痺して、目くじらを立てるほうが、変な人と思われる時代と変わってしまった。
演出上の注意点
大きな一本のテーマ
えだはとなる筋は軽くして途中で消したり本筋へ戻す。
筋の運びは、滑らかでわかりやすくする
先細りにならず、一から最後まで貫く。
中心となるテーマを途中でそらしてしまわない
横道にそれたストーリがなお枝葉に分かれてしまい
本来のテーマがわからなくなってしまう。
悪い例として
尻切れトンボになってしまう。
筋がギクシャク固い
独り善がり
こんがらがっている
意味の無いふくらみがある。
などが講習会の内容ですが、以上が必死になって思い出せたことです。
当時のノートなどが残っていれば、宝ものとなったでしょうね。