真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

哀しみのベラドンナ

2007年02月28日 11時48分17秒 | 虫プロ
公開は1973年(昭和43年)6月30日前作と同じヘラルド系

スタッフなど

虫プロダクション作品

原作 ジュール・ミシュレ
翻訳 篠田 浩一郎
現代思潮社刊「魔女」より

脚本 福田善之 山本暎一
美術 深井国
作画監督 杉井ギサブロー
原画
前田庸生、辻伸一、勝井千賀雄、野部駿夫、岡田敏靖、出崎統、吉田忠勝、羽根章悦、福田きよむ、光延博愛、北川玲子、村田四郎、関修一 

動画
小林準治、牛越和夫、猿山二郎、千田幸也、吉橋節、新井雅貴、岩崎治彦
仕上
木戸桂子、竹内翠、笠井志都子、唐崎泰子、鈴木絢子、望月智恵子

作画協力
林静一、
ウノ・カマキリ
背景 児玉喬夫、下道文治、馬郡美保子、佐々木順子、古佐小吉重、近井美穂

撮影
山崎茂、月岡英生、柴田昌利、宮内征雄、熊谷 幌史藤田正明、宮坂光一郎、下モ由紀子 
編集
古川雅士
現像
東京現像所
音響監督
田代敦巳
音楽
佐藤允彦
効果
柏原満
録音
岩田広一
主題歌
「青い鏡のなかで」ほか
 作詞
中山千夏
 作曲
佐藤允彦
 歌
中山千夏

 「哀しみのベラドンナ」
 作詞
阿久悠
 作曲
小林亜星
 編曲
川口真
 歌
橘まゆみ
 サントラ盤
シネディスク

製作
渡辺忠美、吉田輝明、本橋誠、 小池佳子

声の出演
長山藍子、中山千夏、高橋昌也、米倉斉加年、伊藤孝雄、しめぎしがこ、津坂匡章、山谷初男、新村礼子、林昭夫、山口譲、磯貝陽悟、石橋雅史、折尾吉郎、伊東満智子、後久博、菊池剣友会、仲代達矢

監督
山本暎一

以上敬称略
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哀しみのベラドンナ

2007年02月27日 18時51分56秒 | 虫プロ
 全編中、最も異色なシーンがジャンヌが身も心も悪魔に捧げた直後、ポップな画風で様々なイメージが錯綜するパートだ。

ここの作画は後に『まんが日本昔ばなし』で演出も手がける美術の児玉喬夫。その後のジャンヌが目覚めるシーンは、まるで油絵が動いているかのような映像だが、ここは漫画家、イラストレーターとしても知られる林静一が担当している。そして不透明の絵の具で描きながら、撮影を進める手法がとられている。

 当時の資料には、スタッフの中に「実写撮影」の役職で前衛的な作品で知られる写真家の森山大道の名がある。実は当初、劇中に実写パートが挿入される予定であり、そこに彼が撮った映像を使うプランだった。

 内容は現代の日本の女性を撮影した、ジャンヌの物語とは直接関係のないもので、当時の「キネマ旬報」の記事によれば、マスコミ向けの試写では、まだその実写パートが残されていた。

 ラストシーンも数バージョンあり、現在ソフト化されているものは、ヒロインのジャンヌが火あぶりになったあと、エピローグのフランス革命に物語がつながるかたちになっているが、この他にも、火あぶりのシーンで終わるバージョンなども公開されている。

 また、かつてあるアニメーション専門書に配給会社である日本ヘラルドの社長が、最初の試写で『ベラドンナ』を観て、わけがわからないと言い、そのために制作をやり直す事になったと書かれ、多くのアニメファンは、ながい間、その逸話を信じていた。

 1989年に山本暎一さんの著書「虫プロ興亡記 安仁明太の青春」が発行され、新事実が明らかになった。

 先に納品されたのは、納期に間に合わせるための間に合わせの映像を入れて、一度完成させたものであり、スタッフ達はその後も制作を続けのちに差し替えた。

そのために、莫大な製作費が浪費されてしまった。

また、『ベラドンナ』が映倫よりカットするように指示されたとも書かれていたが、LDのスタッフコメンタリー(リリース中のDVDにも同じものが収録されている)で山本さんはそれを否定。カットが入ったのは前々作の『千夜一夜物語』であり、『クレオパトラ』だったと、語っているのでそのとおりであろう。

お話

 中世フランスのとある村。ジャンとジャンヌの婚礼の日、領主は貢ぎ物の代わりにジャンヌを犯し、家来達に輪姦させた。村は飢饉だったが、悪魔の力を得たジャンヌは紡いだ糸を売って生計を立て、そのおかげでジャンは税金を取り立てる役人になる事ができた。だが、戦争の資金が調達できなかったジャンは左手首を切り落とされ、やがて、ジャンヌは悪魔つきとして村人に追われる事に。ジャンにも見放されたジャンヌは、身も心も悪魔に委ねて、魔女となった。黒死病が村を襲い、人々は倒れていった。ジャンヌは毒草ベラドンナを使い、人々の病を治すのだが……。

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哀しみのベラドンナ

2007年02月26日 02時23分50秒 | 虫プロ
「哀しみのベラドンナ」

アニメラマで アジをシメタ、(←下品な言い方)日本ヘラルドは、毎年、アニメの配給を考えたが、虫プロでは、毎年の制作がムリなことが、判ってきた。丁度そんなときに、東京テレビ動画、から、谷岡ヤスシの原作での劇場アニメの売込みがあり。アニメラマをポルノとに換えポルノラマとして、「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」を上映した。

 封切りしてみると、散々なもので、閑古鳥が鳴き、当初の2週間を急遽1週間で、打ち切るという、惨敗に終わった。

 そこで再度虫プロに、お願いすることになった、が、すでに虫プロには、手塚治虫は、居らず、仕方なく役員会は、山本暎一さんに、虫プロに戻って、総監督の、労を担ってもらうよう交渉した。

 山本さんは『千夜一夜物語』『クレオパトラ』でも、手塚治虫と共に作品をまとめた虫プロの主力演出家・山本暎一。後の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ等、様々な傑作を手がる事になる彼の、単独での初の劇場監督作品となった。

 山本さんは独立して作画プロの一員であったが、そこからの出向という形で、総監督を引き受けた。

 たくさんの作品候補の中から、原作は、歴史学者ジュール・ミシュレの「魔女」を選んだ。

 虫プロダクション製作の「大人のためのアニメーション」第3作目だが、メジャーな娯楽作であった前の『千夜一夜物語』『クレオパトラ』とは方向性を大きく変え、実験的前衛性の高い作品として企画され、キャッチフレーズも、山本さんが毛嫌いしていたそれまでの「アニメラマ」から「アニメロマネスク」に変えた。

 作画監督は、前2作でエロチックなシーンを巧みに描いた、杉井ギサブローが担当し、本作でも存分に腕を振るった、映画中盤の黒死病が蔓延し、そのために街が溶けていくシーン等の原画も描いている。
 映像的には、イラストレーターの深井国をフィーチャーし、彼の画を活かすかたちで全編を制作。セル画のテイストを極力排し、静止画を多用する、あるいはイラストを動かすという手法がとられた。

 そのようなスタイルで作られたにも関わらず、個々の表現が非常に力のあるものとなっており、単なる実験的な作品に留まる事なく、鮮烈なアニメーション作品に仕上がっている。

 山本監督の才覚が炸裂したフィルムであり、アーティスティックな味わいの作品を多く残した「作家集団」虫プロダクションの集大成的な作品である。

など、心ある方々から、賞賛を受けた作品であったが、内容が前衛的であったためか『哀しみのベラドンナ』は興行的には大失敗に終わり、虫プロの息の根を止める原因となってしまった。

 日本ヘラルドも、手塚無しの大人のためのアニメーションも度重なる、失敗により、その後企画すらされていない。

 これほどの内容であるにもかかわらず、その後、振り返られる機会も少なく、『ベラドンナ』はアニメファンにとっては永く「幻の名作」となってしまったらしい。

 「悟空の大冒険」同様、文字通り、早すぎた作品だったのであった。
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海のトリトン

2007年02月25日 11時28分00秒 | ふしぎなメルモ
海のトリトン
一般的に語られている海のトリトンのスタッフを書いてみます。
原作          :手塚治虫
プロデューサー     :西崎義展
演出          :富野喜幸
作画監督        :羽根章悦
美術監督        :伊藤主計
            :牧野光成
音響監督        :浦上靖夫
音楽担当        :松原武俊
音楽          :鈴木宏昌(蛙プロダクション)
効果          :森 賢二(イシダサウンド)
編集          :森本寛夫
制作助手        :片山秀男
文芸進行        :鶴見和一
制作担当        :鈴木紀男
制作担当プロデューサー :黒川慶二郎
制作          :朝日放送
            :アニメーションスタッフルーム
各話と放送日 脚本家
1 話 4/ 1 海が呼ぶ少年     松岡清治 羽根章悦
2 話 4/ 8 トリトンの秘密
3 話 4/15 輝くオリハルコン
4 話 4/22 北海の果てに     辻 真先
5 話 4/29 さらば北の海     宮田 雪
6 話 5/ 6 行け.南の島!     松岡清治
7 話 5/13 南十字星のもとに   辻 真先
8 話 5/20 消えた島の伝説    松元 力
9 話 5/27 ゆうれい船の謎    富田 宏
10 話 6/ 3 めざめろ.ピピ!    松岡清治
11 話 6/10 対決・北大西洋    宮田 雪
12 話 6/17 イルカ島大爆発    松岡清治
13 話 6/24 巨獣バキューラの追撃 松元 力
14 話 7/ 1 大西洋へ旅立つ    辻 真先
15 話 7/ 8 霧に泣く恐竜     宮田 雪
16 話 7/15 怪人レハールの罠   辻 真先
17 話 7/22 消えたトリトンの遺跡 松元 力
18 話 7/29 灼熱の巨人タロス   辻 真先
19 話 8/ 5 甦った白鯨      宮田 雪
20 話 8/12 海グモの牢獄     斧谷 稔
21 話 8/19 太平洋の魔海     辻 真先
22 話 8/26 怪奇・アーモンの呪い 宮田 雪
23 話 9/ 2 化石の森の闘い    松岡清治
24 話 9/ 9 突撃ゴンドワナ    辻 真先
25 話 9/16 ゴルセノスの砂地獄  宮田 雪
26 話 9/23 ポセイドンの魔海   辻 真先
27 話 9/30 大西洋陽はまた昇る  斧谷 稔

  担当した作画家や 作画のスタジオなど
 9話:タイガープロ,古沢日出夫
10話:タマプロダクション
11話:石黒 育,古沢日出夫
12話:塩田秀考,タマプロダクション
13話:落合正宗,平賀みちる
14話:米川功真
15話:石黒 育,Fプロダクション
16話:タマプロダクション,アニメスター
17話:石黒 育,Fプロダクション
18話:アニメスター
19話:石黒 育,Fプロダクション
20話:山プロダクション
21話:石黒 育,Fプロダクション
22話:スタジオ・ジョーク,アニメ・スター
23話:Fプロダクション,高プロダクション
24話:坂井俊一,桜井美知代
25話:石黒 育,Fプロダクション,タイガープロ
26話:坂井俊一,桜井美知代
27話:石黒 育,Fプロダクション,タイガープロ
  仕上
 9話:高橋達雄,前田峯子
10話:アド・リブ,西巻民子
11話:高橋達雄,前田峯子
12話:アド・リブ,西巻民子
13話:高橋達雄,前田峯子
14話:西牧たみ子(アド・リブ)
15話:高橋達雄,前田峯子
16話:西巻民子,アド・リブ
17話:高橋達雄,前田峯子
18話:西巻民子,アド・リブ
19話:高橋達雄,前田峯子
20話:西巻民子,アド・リブ
21話:高橋達雄,前田峯子
22話:西巻民子,アド・リブ
23話:高橋達雄,前田峯子
24話:西牧たみ子
25話:高橋達雄,前田峯子
26話:西牧たみ子
27話:高橋達雄,前田峯子
  背景
 9話:勝又 激
10話:水谷 昇,プロペロン
11話:勝又 激
12話:
13話:勝又 激
14話:西 芳邦,スタジオ・アクア
15話:勝又 激
16話:西原繁男
17話:勝又 激
18話:明石貞一
19話:勝又 激
20話:西 芳邦,スタジオ・アクア
21話:勝又 激
22話:ブロベロン
23話:勝又 激
24話:明石貞一
25話:勝又 激
26話:西 芳邦,スタジオ・アクア
27話:勝又 激
 編集
 9話:高橋宏固
10話:菅谷正昭,スタジオサンゴショウ
11話:高橋宏固
12話:むつごろう一座
13話:高橋宏固
14話:菅谷正昭,スタジオサンゴショウ
15話:豊永安義
16話:菅谷正昭,スタジオサンゴショウ
17話:豊永安義
25話:長谷川令子
27話:山本栄子
撮影
12話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
18話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
19話:高橋宏固
20話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
21話:豊永安義
22話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
23話:佐藤博司
24話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
26話:菅谷正昭(スタジオサンゴショウ)
27話:金沢和男
演出助手 :清水マサル(9,11話)
     :井出康道(10話)
     :田村善行(12,14,16,18,20,22,24,26話)
     :川田武範(13,15,17,19,21,25,27話)
     :山吉康夫(23話)
制作進行 :佐野禎史(9,11,15,19,21,23,25,27話)
     :芝野達弥(10,12話)
     :岡 吉弘(13,17話)
     :井出康道(14,20話)
     :川畑健二(16,22,26話)
     :吉岡優一(18話)
     :丸山秀男(24話)
制作協力 :朝日フイルム
録音   :アオイスタジオ
現像   :東洋現像所



テーマソング
「海のトリトン」
作詩:伊勢正三
作曲:南 高節
編曲:小山恭治
唄 :須藤リカ かぐや姫


主題歌
「GO! GO! トリトン」
作詩:林 春生
音楽:鈴木宏昌
唄 :ヒデ・夕木




声の出演
トリトン    :塩屋 翼
ピピ      :広川あけみ
ルカー     :北浜晴子
イル      :大竹 宏
カル      :肝付兼太
フィン     :杉山佳寿子
ポセイドン   :北川国彦
ナレーター   :北川国彦
ポリベイモス  :加藤精三
老婆      :津田まり子
ドリテア    :沢田敏子
マーカス    :矢田耕司
ポリペイモス  :加藤精三
一平      :八奈見乗児
ネレウス    :八奈見乗児
父       :野田圭一
母       :沢田敏子
イルカA     :水鳥鉄夫
イルカB     :吉田理保子
海鳥       :神谷 明
お母さんイルカ :中西妙子
イルカA :森 功至
メドン :加藤 修
ドリテア :沢田敏子
ポリペイモス :加藤精三
ミノータス :柴田秀勝
マーカス :矢田耕司
クラゲ :杉山佳寿子
ネレウス :今西正男
ゴルセノス :水鳥鉄夫
ゲルペス :兼本新吾
マイペス :野田圭一
ブルーダ :山田俊司
ネレウス :八奈見乗児
ゴルセノス :水鳥鉄夫
ゲルペス :兼本新吾
マーカス :矢田耕司
ヤドカリ :山田俊司
シャチ :加藤 修
レハール :富田耕生
老人 :永井一郎
老ペンギン :矢田耕司
タロス :岡本敏明
ギルティ :杉山佳寿子
ロレンス :小林 修
ヘブタボーダ :中西妙子
老婆 :沼波輝枝
パティ :清水マリ
ゴルセノス :水鳥鉄夫
ブルーダ :中曽根雅夫
鳥 :寺尾美恵子
ラカン :峰 恵研
ジェム :山本圭子
ゲルペス :増岡 弘
クラゲ :吉田理保子
マイベス :加藤 修
ミノータス :柴田秀勝
クラゲ :小泉栄子
グルペス :増岡 弘
:渡部 猛

「海のトリトン」は朝日放送系列局で毎週土曜日の19時から19時30分までの時間帯に放映されました。当時、朝日放送はTBS系列局。前番組は『原始少年 リュウ』。後番組は『ど根性 ガエル』ですた。

 オープニングは「南こうせつとかぐや姫」が実写で出演したものでしたが、その後、エンディングで流れていた「GO! GO! トリトン」をオープニングに変更しました。

 1990年12月17日にバンダイビジュアル販売株式会社から全話を収録した7枚組のレーザーディスクのセット『海のトリトン パーファクトコレクション』が41200円で発売されております。
品番はBELL-317。一部地域のみで放映された第1話を収録。68頁の解説書付です。

 1991年に全6巻のビデオ版がバンダイビジュアル販売株式会社から発売。
第1~3巻が125分、
第4~6巻が100分収録。BES-531~6。


ここで、10話以前の資料が語られていないのに疑問をお持ちになりませんか。

またメルモの手塚プロスタッフが、冷遇されているが、いるのが判ります。

 手塚プロの映画部は残務整理のための私だけとなりました。
手塚プロ映画部の財産といえば、やなせたかし先生の「やさしいライオン」だけとなってしまい。島方社長と公共施設や図書館用の視聴覚用16mmフィルムとして、教育映画者にセールスをしましたが、今までの手塚先生の原作が使えないため、新たな企画で、ミクロイドZなど企画しようとしましたが、トリトンの外注支払いなどだけが、負債として残ってしまい、製作費の入金がないので、経営が苦しく、映画部に残っているのが心苦しくなり、6月、島方さんに相談して、退職する事を、手塚先生に申し出ました。

 気を使わせて申し訳ないと言ってくださいました。そして退職金代わりにと、大切にしていた、ビデオ、テープレコーダーとカメラの入っている、ロッカーを持って帰る様にといって、下さいました。
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海のトリトン

2007年02月24日 00時50分23秒 | ふしぎなメルモ
当時の事情を知っているのはごくわずかの人であり、証言できる、手塚先生側の人間はほとんど、生き残っていない。

 手塚プロ映画部部長であった鈴木紀男さんは、海のトリトンでは制作担当でアニメーションスタッフルームに在籍したが、その後一人車中で亡くなられているのが発見されルト言う不幸な出来事も起きた。

 悔し涙を流し、何も語ろうとしなかった手塚先生も、今は永久に語ることが出来ず、元手塚プロ社長の島方さんも何も語らず最近亡くなられてしまった。

 ふしぎなメルモの制作が終わり、そのまま海のトリトンの制作に入っていたため、いつもならふしぎなメルモの打ち上げを、当然行なわなければならないのであるが、その予定が立たないまま 「海のトリトン」の制作をしていた。

 「海のトリトン」は、手塚先生原作「青いトリトン」をテレビアニメ用に、手塚先生の絵コンテで、パイロットが作られた。
 当時のことを手塚プロの小林さんや、吉村さんから、「青いトリトン」のパイロットを虫プロで、2人も作画をした、というお話を伺っている。

 虫プロ営業の西崎さんが、メルモに引きつづいて放送を決めてきた。

「海のトリトン」は私がプロデューサーをして、すべての手配をすることになったが、虫プロから独立したアニメーションスタッフルームという会社が、西崎さんの紹介で、手塚プロに 「海のトリトン」の制作を手伝わせてくれないかと申し込んできた。

 その内容は、「サブと市」の時の、「虫プロとスタジオゼロ」のような関係で、させて欲しいという申し入れであり、手塚先生も、「メルモでは スタッフに余りにも迷惑をかけたので、ひとつ半分はアニメーションスタッフルームでやらせて見て見ないか」と言ってくれた。

 申し入れを受けた。そして手塚先生が絶大な信頼を持っていた、富野善幸さんに、全演出を任せ、手塚先生は富野さんに演出はお任せして、余り口出ししないようにするということであった。

 手塚プロとしてはその申し入れを受けることにした。アニメーションスタッフルーム側のプロデューサーは、私の恩師、W3で制作を教えてくれた 黒川慶二郎さんであった。
練馬の喫茶店で、富野善幸さんを交え、黒川大先輩と3人で今後の作品作りの相談をした。 富野さんの哲学的な話しぶりにには、昔から難解で、学のない私には、理解することが出来ない無い様であったが、その哲学的な話を聞くのは嫌いではなかった、いやむしろ好きであった。

 私は、出来るだけ、富野さんと手塚先生の、演出の意向に協力し、制作としては、予算やスケジュールの面で、演出に協力する形をとりたいと申し出た。しかし、それは 虫プロという温室に育ってきて、外の世界を知らない甘い考え方であった。

 黒川プロデューサーは、早くから世間に出ていた。やはり予算とスケジュールの管理を優先して、ある程度のところで 演出には妥協してもらわなくては、と意見を述べた。しかし、手塚治虫の庇護のもと、手塚プロのプロデューサーということで、 自分の演出中心という意見を押し出し、いま思うと黒川大先輩に対し、なんと甘チャンで青臭い意見を主張してしまったのか、 とても恥ずかしく思う。

 それでも交互の制作は順調に進み1話がスタッフルームで、2話は、永樹凡人さんの演出スタジオジョーク中心の手塚プロで,3話も正延宏三さん演出スタジオテーク中心の手塚プロで 演出補助として私がメルモと同じように手塚プロから撮影出しをして順調に作っていった。6話9話を大貫信夫さん演出、10話は池原成利、イケポンさんにお願いした。

そんな3月末のことであった。 2階で作業をしていたところへ3階から手塚先生が降りてきて「もう私のものが作れなくなってしまいました」というのであった。
 涙ぐんでいて、話の内容がよくつかめず、「海のトリトン」がスタッフルームですべて、制作することになり、手塚プロで制作できなくなったというような内容だと受け取った。

 手塚先生を慰めようと、当時個人で企画していた、エンゼルの丘や、キャプテKEN等があったので、 「いいじゃないですか、こっちの企画を進めて、頑張りましょう」と言ったが、 そうじゃないんです、私の今まですべての版権を、西崎に取られてしまったのだ、と言うのであった。 そして悔し泣きに、血の涙を流していた。

 島方社長に話を聞いた。手塚先生と西崎弘文との契約書がありそれに手塚先生の記名と捺印があって 今までの手塚治虫のキャラクターは、すべて西崎広文個人の物になってしまった。

 だから今後手塚原作の作品を作っても、利益は、西崎個人に入ってしまうので、作れないというのであった。

 裁判になったが、契約書があるので敗訴した。そして手塚治虫は一切そのことを語るのをやめた。

 これまでも、何度もそのような危機があり、そのつど後悔もしたが、まさか今回全幅の信頼をしていた、そのまさか、が現実となってしまい、先生は 己の馬鹿さ加減懲りないことに、自己嫌悪に陥り、トラウマとなってしまった。

 人を信じられなくなり、やたら人の意見にも反発するようになっていった。
この事は、本人が語ろうとしなかったので、余り知られていないことである。

 その後版権を、取り戻すため、手塚プロでは、莫大な費用と時間を使っている。

 まだ解決できないでいるその理由に、生前手塚先生が、版権問題解決のため、西崎の話をしようとしても、烈火のごとく怒り出し、「西崎の名前を僕の前で口にしないで下さい」と怒鳴りつけた。 という噂を聞いた。先生の性格なら当然である。

 そして、坊主憎けりゃ袈裟までで、「海のトリトン」に対して、僕はあの作品には一切関わっておりません、発言となってしまったのである。

 当時そのあたりのことを把握していなかった私は、ほとんどのスタッフを引き取ってもらえるようにアニメーションスタッフルームにお願いした。

また、事情を知った、正延さんは、トリトンの協力を断り、苦しい経営を強いられた。

 世間の常識なら個人が、手塚治虫の版権を保持することなどありえず、譲るなら莫大な費用がかかるはずで、役員でもない一個人の社員が取得するなどありえないことが判る筈ですが、法律とか、そこにいる、裁判とかは、悪人の味方で、言うならば、エリートコースを歩いてきたため常識に欠けてしまった、人格に障害をお持ちになった方ばかり。結果として、悪人の味方をしてしまう。正義は無い、嘆かわしいことです。
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ふしぎなメルモ 最終回

2007年02月23日 12時14分34秒 | ふしぎなメルモ
第26話 「さようならメルモ 」3月26日放送
        脚本 せき・らん(石津嵐さん) 演出 大貫信夫さん

 「いかん、ぜったいにいかん、もうこれ以上、メルモに対して救いの手を伸ばすことはいかん!ましてこれ以上、ミラクルキャンディを補充するなどもってのほか」と黒ヒゲ神様はメルモの母に言っている。

 なおも、頼み込む母親に、「いつまでもキャンディに頼ってばかりではいかん、」と白ヒゲ神様も諭した。

 「せめてもう1度だけメルモにあわせて」と頼む母親に、「とんでもないことだ」と机を叩いて怒る神様、思わず驚いた知恵の輪の神様が飛び上がった拍子に、知恵の輪がはずれた。

 そして「渡ひろみ、今すぐとはいかないが、願いは聞き届けるぞ」と白ヒゲの神様は、母親に言った。 「いつまでも待ち続けます」とメルモの母は答えた。

 学校帰り校門で、友達とメルモは別れ一人帰る。
(背景のミスで学校の名前が、杉村小学校と、杉山小学校に、なってしまっていた3話ではメルモは杉原小学校3年B組となっている、リテークする時間がなく、そのまま放送してしまった)

メルモを呼び止める、加藤次郎。あした自分の誕生日なので、誕生パーティに来るよう、メルモを招待する、

ワレガラスが祖国へ帰ることになり、彼はメルモたちに一緒に来ないかと誘った。
子供たち三人で暮らさせるのが心配だったのだ。しかしメルモはすぐには返事ができない。
一方、二郎の母親から弟たちを連れてこの家に来なさいと誘われた。
メルモは、トトオとタッチの面倒を見なくてはと、困っていたが「パパとママもぜひ、一緒に連れてくるように」といっていたとメルモを誘った。

帰宅したメルモを、ワレガラス先生が待っていた、チッチャイナ国が革命で新しく生まれ変わり、親友から新政府樹立に力を貸して欲しいと頼まれ帰国することにした、チッチャイナ一緒に行こうといわれる。

次郎の誕生日次郎パーティに友人たちが来て祝っている、気まずくなったメルモたちは、帰ろうとしたが、次郎の母に呼び止められ次郎の両親から「あなた方の両親の代わりをさせてくれないか」といわれる。3兄弟も大歓迎だという。トトオの大賛成といい、「今夜から家族の一員だ」と加藤家は喜んだ。

空港に見送りに行くメルモとトトオ、タッチ、それに次郎、ワレガラスは帰国し、新たなメルモの人生が始まった。

15年後

メルモは手塚病院の分伝室に居た。
待合室には成人した次郎が待っている、そこへ次郎の母と、成人したトトオタッチが来る。
そして女の子が生まれた。

ワレガラスから、手紙が来て、結婚式の回想シーンとなる。

(ワレガラスの回想で、今までの話のシーンを使い、主題歌の2番の歌詞を紹介した。そのあとでエンディングも2番の歌詞を紹介している)

その1年後メルモは出勤する夫、次郎を見送っている。
イタズラしたター子が、青いキャンディを口に入れてしまう。

そして現れたのは、メルモの母であった。メルモに会いたいという気持ちを、神様が、1分間だけかなえてくれ、ター子の体を借りて、会いに来たのだった。
 抱き合うメルモと母、この時間(とき)は永遠(とわ)の1分間であった。
やがてときはすぎ、母親は赤いキャンディを食べて、さよならを行って、ター子に変身してしまう。

さようならメルモ、それは、遠くすぎさった、ふしぎなメルモへの別れの言葉

さようならメルモ。  さようならメルモ

            -完-

出演 渡メルモ、渡トトオ、渡タッチ、ワレガラス、メルモの母渡ひろみ、白ひげの神様、黒ひげの神様、知恵の輪の神様、加藤次郎、加藤太郎、加藤三朗、加藤家の両親、メルモの学友、次郎の友人たち、杉山小学校の皆さん(杉村の看板もありミスである)
後半 成人した 加藤メルモ、渡トトオと渡タッチ、加藤次郎、看護婦さん、手塚院長。神父さん、加藤ター子(赤ちゃん)

作画スタジオジョーク   タマプロダクション 
背景 明石貞一さん 門屋達郎さん 
仕上 木のプロ、スタジオリブ
特殊効果 佐藤章二さん 
コメント (8)
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ふしぎなメルモ 25話

2007年02月22日 10時09分10秒 | ふしぎなメルモ
第25話 「豪傑赤(ごうけつあか)チャンに泣(な)く 」3月19日放送
脚本 柴山達雄      演出本田元雄

 バイクを止め河川敷に腰掛けて話をしているメルモと、加藤次郎、メルモが「ねぇ、次郎くん、なんだか私たち、こうしていると恋人同士が、デイトしているみたいだよね」という

「メルモったら子どものくせに おませだなぁ」と次郎は笑う。

そこへ不良どもが、難癖をつけて絡んでくる。 次郎はそんな不良どもをやっつけてしまう。

「次郎君って強いのね」とメルモが言うと,「これも空手の豪十郎先生のおかげさ」と次郎は言った。

 空手道場を、のぞいているメルモ、次郎が稽古試合をしているが、メルモに気をとられて負けてしまう。のんな次郎をしかる師範、メルモを呼んで、次郎とメルモを並ばせ、頭の上にかわらを載せる。震える二人の頭の上のかわらを、豪快に割る豪十郎先生、まさに豪傑であった。

 そんな豪傑先生も家に帰ると娘たち4人にうるさいと怒られっぱなし、おばあちゃんに泣きつく有様、奥さんにあきれられてしまう。

 奥さんから子供ができたと知らされ、万歳をして大喜びするが、娘たちに「うるさいと」と怒られてしまう。
豪十郎先生は、今度こそ男の子が言いという。

 安静にしろと、奥さんを大事に寝かせておき、娘たちにカレーライスを作ってやる豪十郎先生、塩と砂糖を間違え、娘たちから「パパは何をやらせてもダメね」といわれる始末。

 次郎がメルモをバイクに乗せ道場へ来る。「都合により10ヶ月ぐらい休みます」の張り紙、仕方なくメルモたちはドライブに行く事にしたが、途中メルモは神社で柳田豪十郎先生を見たという。

 見に行くと豪十郎先生は、神社で「今度は男の子が生まれますように」と、神頼みをしていた。

 家庭ではそんな父に反撥して、娘たちは「妹が欲しい」と団結した、そしておばあちゃんまで娘たちの仲間に入ってしまった。

 豪十郎パパは元気がなくなり3ヶ月あまり食事を取らなくなっていた、娘たちはそんな豪十郎パパを見て、男でも女でも、本当は、どちらでもいいのだと、反省し、パパに謝った。

それから1ヶ月、向野産婦人科で出産を待つ、柳田家族とワレガラスにメルモに次郎。

豪十郎先生はそわそわと落ち着かず、もう男でも女でもどちらでもいい、元気なら、と神に祈る。

やがて赤ちゃんの泣き声が聞こえ、看護婦が男の赤ちゃんが生まれたことを知らせる。

次郎がメルモに「願いがかなったね」というと、「私たちが結婚したらどんな赤ちゃんが生まれてくるのかしら」と言うメルモであった。

出演 メルモ、ワレガラス、加藤次郎、番長、その子分たち、空手の先生柳田豪十郎、その奥さん、おばあちゃん娘長女次女三女四女、空手道場の皆さん、産婦人科の看護婦,生まれてきた男の赤ちゃん

声の出演 堀絢子さん、山下啓介さん、山本嘉子さん、矢田耕司さん、野沢雅子さん、作間功さん、関真知子さん、福原圭一さん、山上茂子さん、渡辺晃三さん、

作画監督 山本繁さん 作画スタジオジョーク 背景プロペロン 仕上げ木のプロ スタジオリブ 
特殊効果 佐藤章二さん 撮影珊瑚礁

進行は伊藤達雄さんでした
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ふしぎなメルモ 24話

2007年02月21日 10時04分56秒 | ふしぎなメルモ
第24話  「恋人がいっぱい」

 まんが部の池原成利さんに、手塚先生の変わりに絵コンテの清書をしてもらっておりました。12回目の放送のときには、2つの話に分けて「ひん死の白鳥さん」を始めて演出してもらいましたが、今回は1回分放送の演出を池原成利さんに、お任せいたしました。

 このお話では、「海はあらゆる生命の母である」のナレーションでストーリーが始まりますが、絵はイルカの泳ぐ姿でした。このイルカは当然、次の作品「海のトリトン」の顔見世でありました。

 公園で、タッチのお守りをするトトオ、目を放した隙に、逃げ出す、バイクを走らす、加藤二郎、タッチに気がつき、急ブレーキをかけ、池に落ちてしまう。

 メルモの家で服を借り、メルモの文句を言うが、逆にメルモを怒らせ、服は貸すからと、住所を書かされ追い出される。そんなメルモを二郎は気に入る。

 レコード店に車を止めレコードを買っている太郎、そこをと売りかかった字電車のメルモは、車に泥をはねてしまい、車のドロを拭いている、そんなメルモを、一郎は気に入る。

 がり勉の三朗は本を読みながら歩いていた、障害物など無意識でよけていたが、転がってきた、ピンポン玉を踏んづけて、潰してしまう、トトオが怒り、三朗があやまるが、メルモが、トトオの法が悪いのだから、気にしないでと、いう。そんなメルモを三朗は気に入る。

(その3人がメルモに思いをめぐらすシーンで、踊りのカットまで入れたが、作画に余裕が出来ていた、またギターを弾いているシーンも指の止めに BGがあっているので、アフレコにラッシュフィルムが間に合っていることがわかる、<当たり前のことですが。>)

 メルモは加藤家に服を返してもらいに行く、応対に出たのは二郎の母親だった。

一郎の車で家に向かう3人、恋人について語っている。

 (この車のナンバーなど作画のちょっとしたイタズラがある、後ろにGTOとあり、誰かの車を意識している、またハンドロ中央には作画したスタジオテークの、TAKまでが読み取れる)

 帰宅して3人は、兄弟の意中の人が、メルモであったことを知る。

 三朗が珈琲を入れてくる、太郎がケーキを持ってくる、考え抜いた次郎は灰皿を持って行き恥をかく。 そして兄弟は、メルモの取り合いで喧嘩となってしまう。

 母親に挨拶してメルモは帰る、帰ったことを、母親から知らされ喧嘩していた3人は、メルモのあとを追う。
(次郎のバイクにもはっきりとTAKEの文字が、書いてある)

 メルモの家でメルモは三人の兄弟から恋を打ち明けられた。
太郎はギターを弾いて歌をうたい、次郎は空手の技を見せ、三朗は落語を聞かせる。

そしてメルモとタッチは三兄弟と共に海へドライブに出かける。
(カセットをかけるシーンが出てくる。まだ8(エイト)トラック のテープであることがわかる。そしてかかった曲は、吉見佑子さんの「ふたしかな空」を使わせていただきました。

レコードジャケットは私のページ
http://mcsammy.fc2web.com/JungleEmperor/JungleRecord/JungleRecord.html
にあります。

 海に着いたメルモとタッチ、三兄弟、寝ていたタッチを車に置いて海岸へ行く。目を覚ましたタッチは、誤ってボートに、それを見たメルモが助けようとしたが、とも綱がはずれ、ボートが沖へ流されてしまう。助けに海に飛び込む三兄弟、たどり着いたのは次郎で、タッチも笑った。

タッチの持っていたキャンディで、イルカに変身したメルモは太郎と三朗も救った。

出演 メルモトトオ、タッチ、ワレガラス、加藤太郎、加藤次郎、加藤三朗、兄弟の母。
声の出演 平井道子さん、山本嘉子さん、山下啓介さん、神谷明さん、吉見佑子さん、

作画監督  正延宏三 作画 スタジオテーク
背景 伊藤攻洋さん 水野尾純一さん
仕上げ 木のプロ、スタジオリブ

進行は芝野達弥さんでした。
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ふしぎなメルモ 23話

2007年02月20日 12時09分19秒 | ふしぎなメルモ
ふしぎなメルモ 第23話 「光(ひかり)と闇(やみ)と愛(あい)」

 メルモ、トトオ、タッチはワレガラス先生の新車でドライブに出かけた。
トトオは、幌が自動格納できるのを面白がって何度もイタズラする。とめるメルモさせ「私も一度だけとスイッチを入れたり切ったりする始末、とうとう壊してしまう。

 雨が降ってきて、幌がでない車は、雨ざらしとなってしまう、雨宿りのために、ワレガラスが知っていた鍾乳洞へ避難する事にした。

 鍾乳洞の中は広くなっていて、奥には立ち入り禁止の柵があったが、そこを乗り越えて入った、男女の足跡がある事をメルモたちは発見した。

 心配したメルモたちは、お互いをロープでつないで、その足跡を後を追いかけた、そして駆け落ちして隠れていた 若いカップル、津村実と矢部千代子を発見する。

 2人を探していた、矢部不動産の社員2人が津村のバイクを発見、千代子の父親、矢部社長に知らせた、社長は社員4人とともに鍾乳洞のなかにやってきた。

 別れるように銃を突きつけ脅す社長であったが、津村は断わった。

 実は津村少年は泥棒であった、それを矢部社長が拾って社員として育てたのだが、すでに津村は、千代子にそのことを打ち明けていた。

 どうしても別れないという2人に矢部社長は、天井に向け発砲する。何度か発砲したために天井が崩れ、全員が鍾乳洞に生き埋めになってしまった。

 そのうち落盤の衝撃で、亜硫酸ガスが発生、絶体絶命になってしまう。
落盤でできた天井の穴を発見するが、高すぎて抜け出す方法がなかった。

 メルモはキャンディの秘密を話し、動物に変身して逃げる方法しかないと説明、誰も信じようとしないので、鳥に変身して見せる。

 全員にキャンディを分け与えるが、矢部社長はそんなのは信じられないとメルモの手を振り払う、その拍子にビンははじかれ大量のキャンディが川に落ちてしまう、拾おうとしてあわてたトトオが、転んだ拍子に、他の人のキャンディも川へ落としてしまった。

 途方にくれる、ワレガラス、メルモだけでも変身して逃げろという。そんな時タッチが杉の苗木を持って遊んでいた、それを見たワレガラスは、青いキャンディが多ければと、杉の苗木を川の中に投げ込んだ、杉の苗木は、見る見る成長して大きくなり、その枝につかまってみんなは、洞窟から脱出することができた。

 矢部社長がいないことに気がつき、社員に助けに行くようたのむが、命が惜しいと誰も行こうとしない。

 津村が立ち上がって助けに行き矢部社長を助け出した。ワレガラス先生が矢部社長を診察し、命に別状ないことを告げる。

 帰りの車の中、メルモは「あの二人これからどうなるのか」とワレガラスに聞く「命の恩人、悪いようにはならないさ」とワレガラス先生は答えた。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、津村実、回想で津村の少年時代、矢部不動産社長令嬢矢部千代子、不動産会社千代子の父矢部社長、
矢部不動産社員A、B、C、D
声の出演 大竹宏さん、吉田理保子さん、峰恵研さん、吉見佑子さん、作間功さん、大塚周夫さん、八代駿さん

脚本 松本守正さん、 演出 西谷克和さん

作画監督 山本繁さん 作画 タマプロダクション
背景プロペロン 仕上げ木のプロ、スタジオリブ、
進行は甲斐京平さん、この話で、進行を手伝ってもらいましたが外注の方でした。
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ふしぎなメルモ 22話

2007年02月19日 12時04分08秒 | ふしぎなメルモ
22話 わたし求婚(きゅうこん)されちゃったァ!!

 海のトリトンは4月1日からの放送が決まっていた。
手塚先生から、半分をアニメーションスタッフルームというところに出すという話で、手塚プロでの仕事は、2週間で1本となっていたので、「海のトりトン」のスケジュールには、あまり問題はなかった。

 主導権は手塚プロにあるということと、今度はプロデューサーという肩書きだったので緊張もあった。

 アニメーションスタッフルーム側のプロディーサーがワンダースリーで制作を教えていただいた黒川さんであったが、なぜ、スタッフルームのカット表に虫のマークがついていたのか、そんなところに変な疑問を感じていた。
この話が放送されたのは2月が終わろうとしていた。

 お母さんが先生をしていた、中学校を、丘の上から見ていたメルモとトトオ、トトオが余りにも母親をなつかしがるので、メルモは、青いキャンディで変身し、お母さん代わりにトトオをなぐさめるが「お姉ちゃんじゃ、気分がでないや」などと言われてしまう。

 そこへ番長グループがやってくる。番長の近石昭吾はメルモを見て、教師だったメルモの母、渡先生と勘違いし、番長仲間と渡り先生と結婚する約束をしているので、「結婚の条件」を求めてきた。

 ワレガラス先生に相談するメルモ、「結婚とはなにか」の説明を聞く。そして難しい条件を言って昭吾にあきらめさせようとした。

 メルモは渡り先生の使いだと、昭吾に、まずお金を貯める、家を建てる、番長を辞める、という条件を伝えた。

 昭吾はあきらめるどころか、番長をやめ、新聞配達や、牛乳配達、お店の手伝いなどして、頑張り始めたのであった。

 昭吾の両親は離婚していた、昭吾を引き取った父親は、毎日飲んだくれていたのであった、その上昭吾が、働いているのを知って、金をせびった。喧嘩をして家を飛び出し、 雨の中昭吾は懸命に家を作り完成した。

 そんなようすを見ていたメルモは、ケーキを持って昭吾の作った家に行き、結婚式をすることを決意した。

昭吾の母親が父親のところへ来た、昭吾を心配してであった。

 結婚式を終わらせた昭吾は、結婚はなかったことにしても良いと言い出した。その条件はお母さん代わりに膝枕で、甘えさせて欲しいということであった。

 昭吾は雨の中で家を立てていたためか、高熱を出し病気になっていた、メルモは、昭吾の家に助けを求めに行った。

 両親は必死に昭吾の看病をした。気がついた昭吾に両親は優しく、「早くなおってね」と 言ったが、仲直りした両親を見て昭吾は、「これならいつまでも病気でいるよ」といって笑った。

出演 メルモ、トトオ、ワレガラス、近石昭吾、昭吾の父、昭吾の母、中学校の先生、番長仲間たち

演出は富野善幸さん原作からの脚本で、海のトリトンのチーフディレクターとなられるので、メルモ最後の作品担当でした。

声の出演 牧野和子さん、田の中勇さん、大竹宏さん、竹尾智晴さん、雨森雅司さん

作画監督 正延宏三さん、作画、スタジオジョーク
背景 水野尾純一さん(スタジオ・ビューグル)宮本清司さん
仕上げ 木のプロ、民話社 
進行は井出康道君でした
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ふしぎなメルモ 21話

2007年02月18日 12時35分53秒 | ふしぎなメルモ
21話 姉(ねえ)チャンなんて大嫌(だいきら)い!

家事に大忙しのメルモ、タッチをおんぶして、朝食を作っている。いたずらねこを追いかけ外に出るが、となりの奥さんが赤ちゃんにおっぱいを上げていた。それを、タッチが見て泣き出してしまった。

 メルモは、大人になって、タッチにおっぱいを上げようとするが、おっぱいが出ない、そこへ、ワレガラス先生が来ておっぱいの出るわけを説明する。

トトオの幼稚園の父兄参観日がありメルモが行くというのを聞いて、キャンディが残り少なくなっているので、無駄遣いをするなと、ワレガラスはメルモに忠告する。

 トトオの父兄参観日の日メルモは、大人に変身しないで父兄参観日に行く、そのためトトオは恥をかき、帰宅してからメルモに怒って「お姉ちゃんなんか嫌いだい」といって家を飛び出してしまう。

 トトオは公園で、草笛で、赤とんぼを吹いていた、おじさんと出会う、一緒に遊んでいるうちおじさんの家に遊びに行くことになる、行った家は、西原廃品回収店、そこは、伯母さんの家であった。トトオは捕まり物置に閉じ込められてしまった。

 おじさんは、火事で記憶喪失症になってしまい、おばさんの世話になっていたのだった。

 夜通しで心配しているメルモ。朝書きとめだと、おじさんが来てメルモに判を押すようにと書類を出す。メルモはハンコを取りに行き、おじさんに、その判を手渡す、書類を隠すようにおじさんは数箇所、書類に判を押した。おじさんはおどおどしながら、帰っていった。

 届けられた箱を開けるとトトオのくつと手紙が入っていて、トトオをかえしてほしければ、お母さんの生命保険の証書を持ってくるようにと書いてあった。

 受け取りは養子承諾書であった、伯母さんはこれでトトオは、法律的には、私の養子となったと懐へ承諾書をしまうのであった。
そしてトトオを雑巾掛けや、皿洗いとこき使った。そんなトトオをおじさんは手伝うが、伯母さんに怒られてしまう。トトオも「初めはお父さんみたいな良い人だと思っていたのに、おじさんなんか嫌いだ、」とおじさんを恨むのであった。

 メルモがおばさんを尋ねてくる、こんなことをすると誘拐になりというメルモに、こちらには養子承諾書があると書類を楯に、トトオを返してほしければ保険証書を持ってくるよう、追い返されてしまう。

メルモはワレガラスに相談している。そんなとき、ワレガラスに伯母さんの家からトトオが病気なので、往診の依頼の電話がある。トトオを救い出すチャンスとワレガラスが往診に行く。

 寒い倉庫を暖めえるようワレガラスに言われ、たくさんのストーブをつける。伯母さんが誤ってこぼれた石油にマッチの火を落とし、倉庫が家事になってしまった。

 その家事を見て、おじさんの記憶が戻り、火の中に飛び込んでワレガラスと、トトオを救い出してくれた。メルモとトトオ、それにワレガラスは、病院のベットに横たわった、怪我をしたおじさんを見舞っていた。

 トトオは、これからは良い子になると、メルモに誓った、ベットで眠っているおじさんは微笑んでいるようであった。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、隣の家の奥さんさん、
メルモの伯母さん、記憶喪失のおじさん

声の出演 山本嘉子さん、柳沢美和子さん、吉田理保子さん、吉見佑子さん、麻生美代子さん、加藤修さん、

脚本 芝山達雄さん、演出大貫信夫さん
作画監督 山本繁さん 作画 タマプロダクション 背景 プロダクション ワート
仕上げ 木のプロ
進行 伊藤達雄君でした。

2月20日放送のこの話は、のちに考えると、とても大切な意味のあるストーリーであったと思います。

脚本が、制作肌で、一時虫プロダクションの、労働組合の元会長であった、司馬竜(しばたつ)こと芝山達雄さん、お話の中では意味深に、メルモが「めくら判」を押すシーンが出てきます。

「そして、これでトトオは、「法律的」には、私の養子」 と伯母さんに言わせている「法律的には」という言葉、これから起こる、現実の世界を、見事に予言していた、作品でありました。

 手塚先生は、ひょっとしたら、何か不穏な空気を予知していたのかも知れません。

それでも、手塚先生は、信頼という言葉を、あえて、選んでしまったのだと思います。

 それほど手塚先生初め、メルモのスタッフは、彼に感謝していたし、絶大の信頼を寄せていたのでありました。

あとで思えば、おかしな原動はありましたが、忙しいなかなので、疑うなどということは、とてもできませんでした。
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ふしぎなメルモ 20話

2007年02月17日 11時48分47秒 | ふしぎなメルモ
20話 すて猫(ねこ)トラちゃん

 放送されたときには、すでに、「海のトリトン」の制作にも入っていて、非常に忙しい中、貫徹続きで作業は行なわれていた、白身でのアフレコはなおも続いており、アフレコタレントさんの元気はなくなっていた。

 港で船からの荷物降ろしで、誤って虎の檻を落とし壊してしまい、メスの虎が逃げ出してしまった。

 逃げたメスの虎は銃で撃たれてしまった、パトカーが傷ついた虎が逃げていて危険だと知らせながら走っている、それをメルモはお使いの帰りに聞く。

メルモはみかんを落としてしまい、それを追いかけて、水道工事のあとの穴にへ来てしまう、そこにはメスの虎がいたが傷ついて倒れるそばには赤ちゃんの虎が生まれていた。メルモに赤ちゃんを預け、虎は町へと向かって行き撃たれてしまう。

 メルモは家で赤ちゃん虎を飼う事にする,いたずら盛りの赤ちゃん虎とタッチは仲良しになるが、赤ちゃん虎は外で、近所のねこや犬と喧嘩して傷を追わせてしまう。

 文句を言いに来る、ねこの飼い主と犬の飼い主、そしてブルドックの飼い主、その間にもブルドッグと喧嘩して、ブルドッグを負かしてしまう。

(この喧嘩の擬音は、ある有名なドラマーがちょこっとドラムソロであわせてくれた)

 しかられている姉メルモの姿を見て、トトオはトラを捨てに行くが何度も縄を抜けてきてしまう、捨てきれなくなったトトオは広場の土管で飼う事にして家に戻る。

 広場の土管へやってきたのがシャムネコバロン 秘書が止めようとするがトラと喧嘩して傷つけてしまう。

 秘書から相手が猛獣と聞いてバロンの飼い主は銃を持って広場へ行く、トラをうとうとする社長にトトオは身を張ってかばう、そこへメルモとワレガラスが、止めに来る。

 メルモの家でタッチがキャンディのふたを開けてしまう、コボレ出た青いキャンディをトラが食べ大人の虎に変身してしまい外に飛び出す。

 トラに追いかけられた社長たちは事故を起こしてしまう、トラはそのまま逃げ去る。
トラを探す、メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス。タッチが泣き止み、トラの居場所がわかりメルモとワレガラスが助けに行く。

そこへ機動隊が駆けつけ取り囲む。その囲みの中からメルモとワレガラスは抜け出し、ワレガラスの病院へ行く、トラを卵に変えていたのであった。

いつの日か人間と動物が共存できる日まで、その卵は冷凍保存することにした。

社長が登場の場面でBGMに挿入歌村田英雄さんの 王将が使われている。イメージは
http://www.co-cfc.co.jp/d3505sp/d3505sp.html
のページで「王将」からサンプルが視聴できる。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、クレーンの操作員、合図作業員,作業員たち、パトカーの警察官、ねこと飼い主の主婦、飼い犬とおじさん、ブルドッグと飼い主のおじいさん、シャムネコバロン、バロンの飼い主の社長、その秘書、機動隊のひげの隊長と、その隊員たち。

声優 木村さん、作間功さん、大田淑子さん、吉見佑子さん、本多晋さん、峰恵研さん。

演出と作画監督はチーフディレクターでスタジオテークの正延宏三さん、作画は、スタジオテーク、このことで正延さんは作画までなら、自分のスタジオでできるという感触を得将来自分のスタジオでアニメ制作をの夢に1歩近づいた。

背景プロベロン、仕上げ木のプロ、佐野信子さん、など。

進行は芝野達弥君でした。
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ふしぎなメルモ 19話

2007年02月16日 10時11分53秒 | ふしぎなメルモ
ふしぎなメルモ 第19話 「メルモの初恋」

昨年企画したストーリーであったが、放送できたのは2月になってしまったお話でした。脚本は、辻先生ではなく、元虫プロ文芸課出身、手塚先生の信者、石津嵐さんが書いてくださいました。石津さんは、合うたびに「お前がしっかりして、先生を守ってくれなければ」と会うたびいつも激をとばしてくれました。演出も古沢日出夫さんが担当してくれました。

 メルモも結婚を夢で見るようになっていた、将来のお婿さんてどんな人なんだろう。

学校へ行く途中メルモとター子は上級生の藤村小学校大番長鉄腕大五郎、と子分A,Bの3人組にいじめられそうになる、そこを通りがかりの男性が助けてくれた。
 学校で朝礼のときに、その男性が新しく赴任された、音楽の野沢先生であることが紹介された。
 野沢先生にメルモはあわい恋心をいだき始めた。

授業の後メルモとター子は、野沢先生に結婚しているか尋ね独身であることがわかった。

野沢先生が落とした定期入れをメルモは拾う、定期入れを届けに野沢先生の家に行くと、野沢先生の家は病院であった。野沢先生の案内で病院を見学、胎教について説明を受ける。

 ますます野沢先生を好きになってしまった、メルモは、「渡メルモの姉」と名乗り「メルモがお世話になったお礼に」と音楽会に誘った。

{このシーンはわざわざ作ったシーンで、音楽会のあと二人は食事をするが、その場面で歌手が歌をうたっている、その歌は、天地真理さんの「水色の恋」で昨年の発表された曲で 作詞は田上えりさん 作曲は田上みどりさんでした

さよならの ことばさえ いえなかったの 白雪姫みたいな 心しかないわたし
遠く去って 行く人に 涙だけが ひとしずく ひとしずく とんでいくの

あのひとに さよならを 言わなかったの さよならは お別れの ことばだから
あなたのすがた あなたの声は いつまでもわたしの 想い出に

前にも説明したが、ヤマハ作曲コンクール第1回が1969年に始まった第2回目の「'70 作曲コンクール」が1970年11月5日 合歓の郷 屋内ホールで開かれ 「小さな私」作詞田上えり 作曲田上みどり 編曲生駒芳正 歌手藤田とし子 で発表された。

その曲を「水色の恋」と題名を換え、テレビドラマ「時間ですよ」で"隣の真理ちゃん"としてデビューしていた、 渡辺プロダクションの天地真理さん(本名斎藤真理埼玉県大宮市出身)がデビュー曲としてうたった。

「時間ですよ」第48回が放送された11月17日から、この曲「水色の恋」が歌われ始めていた。
「イメージを聞くなら。Midi http://www.dtmtown.com/fin/st_page/FiN~mizuiro.htm
など、 」にあります。

その後の天地真理さんの活躍は、チャンネルを回すとどこかに出ているというような活躍をなされ、その「水色の恋」のヒットにほんのちょっとお手伝いができたのかな、と喜んでいる。

今メルモはリニューアルされてしまった。このシーンは完全にカットされてしまい、そんな大切な思い出までも無視されてしまうことは、淋しい限りです。 }

 メルモは野沢先生がもうすぐ結婚することを告げられショックを受けた。

 野沢先生はター子にメルモの姉のことを尋ね、メルモには姉がいないことを知り、そのことをメルモに尋ねた。

野沢先生にメルモの姉のことを忘れさせるためメルモはキャンディを使い生まれ変わらせる。

 「細胞分裂のシーンは兼用することによって、作画カットを減らした。」

成長過程で、少年の野沢先生と鬼ごっこをしながら、家に送っていくメルモ青いキャンディを渡して分かれ、メルモは初恋にさよならする。

 翌日また番長にいじめられそうになるところを、また野沢先生に助けられる。その野沢先生から、昔遊んだメー子という女の子がメルモにそっくりだったことを思い出したと告げられ、野沢先生の心に自分が刻まれたことが判り、メルモは元気をとりもどした。

出演 メルモ、ワレガラス、ター子、藤村小学校大番長鉄腕大五郎、と子分A,B、野沢先生、校長先生、手塚先生、藤村小学校の生徒の皆さん、

声の出演、江角英明さん、原田一夫さん、山本嘉子さん、伊藤克さん、大竹宏さん、山下啓介さん、田の中勇さん、野沢雅子さん、吉田理保子さん。出番がなかったけど吉見佑子さんも来ていました。

作画監督、山本繁さん、作画 スタジオジョーク、背景 水野尾純一さん、宮本清司さん、
仕上げ木のプロ、スタジオリブ

進行は片山秀夫さんが担当してくれました。
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ふしぎなメルモ 18話

2007年02月15日 09時46分17秒 | ふしぎなメルモ
第18話 「3650日の恐怖」

 1月が5週もあり、精神的なきつさも感じていた、今回は辻さんの脚本に、平田さんに再度絵コンテをお願いした作品でした。

 雑誌の編集者たちから、文句が来た。
メルモのスタジオにいることが多く、手塚プロの映画部2階にはほとんど居る事がなくなっていた。そしてマネージャだった、平田さんや手塚卓さんも、目の前にある、ひろみプロの仕事が忙しく。島方さんがお帰りになると、手塚先生についている人がいなくなっていた。

そんな中、編集者たちの制止を振り切って、西崎さんが、先生と、何度か合っている、困る、という苦情であった。

西崎さんにあって、事情を聞くと、海のトリトンのことで、緊急に打ち合わせしなければならないことがあったので、仕方なく強引に手塚先生と、打ち合わせをしてしまった、というのであった。

 できるだけ、打ち合わせは、昼間、それもマネージャや、島方さんを、通すように言った。本人も気おつけますと言ってくれた。

 ヤマハ作曲コンクール第1回「'69 作曲コンクール」というのが開催されていた、作曲に興味を持っていたので、そんな会が開かれたことは知っていた。そして手塚プロで、ヤマハの「氷の国のミースケ」が 作られたので、ヤマハに、親近感を感じていた。

第2回目「'70 作曲コンクール」は昭和45年11月5日 合歓の郷 屋内ホールで開かれた。

そこで「小さな私」という良い曲があったことは知っていた。

 メルモと同じ放送局系列で、テレビドラマ「時間ですよ」が人気を得ていた、昨年からは隣の真理ちゃんで天地真理という人がデビューしていた。この方も同じ埼玉出身(大宮)ということで、ついつい応援していた、昨年末楽しみなお話が来ていた。

 パトカーに追いかけられている、ギャングの義兄弟兄貴分が小西、射撃が得意で妹思いの、弟分が、大造、逃げる途中、事故を起こし、逃げこんだのがメルモの家、メルモとタッチは人質になってしまう。特別ゲスト出演のタワシ警部の説得も効かず、駆けつけたワレガラスは、ただ、神に救ってくれるようにと頼むのであった。
 白ヒゲ、黒ヒゲ、知恵の輪の神様は、その声を聞いた。そしてまだ寝ていたトトオが、犯人たちを、のばしてしまう、(神様の仕業)。

 タワシ警部は、犯人たちが隠した10億円の金塊の隠し場所をどうにか知る方法がないかと、ワレガラスに相談した、それを聞いた、メルモは、一計を案じて、メルモ、タッチ、ワレガラスを10年歳をとらせて、そのあいだに、罪は時効になり、金の価値も下がってしまったと思わせようとした。

 目が覚めた犯人はメルモたちの年取った姿を見て、自分たちが記憶喪失であったと信じた。妹思いの大造が妹の手術が10年も経っては間に合わなかったと悔やみ、その姿を見たメルモは苦悩する。

 壁まで金でできていて、その壁をいまいましそうに、眺めていた、小西であったが、メルモとワレガラスが、目配せしている様子が映っていた、それを見た小西は、だまされたことに気がつき、メルモを人質にして山奥の金塊の隠し場所へと向かう。

 ヘリコブターで、救助に向かう、タワシ警部、ワレガラス、大造、ヘリコブターから、犯人を撃とうとするが、自信がない、オリンピック選手並み射撃の腕の、大造に、撃つようにという。

 とても撃てないという大造であったが、電話でメルモのおかげで、妹の千恵子が無事に手術が終わったと、連絡を受けた大造は、小西を撃った、その弾丸は、赤いキャンディを改造した弾丸で、口の中に見事命中して、小西は、赤ちゃんになってしまった。

 逮捕するから元に戻すよう、メルモに言うタワシ警部に、大造は、妹の千恵子と2人で、小西赤ちゃんを真人間になるよう育てるからと、このままにしておいてと頼み込む、タワシ警部は「赤ちゃんに手錠は、かけられないわな」と言って、去って行った。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、ギャングの兄貴分小西、その弟分の大造、その妹入院中の千恵子、特別ゲスト、鉄腕アトムでおなじみ、タワシ警部。

声の出演 青野武さん、原田一夫さん、本多晋さん、槍田藤吉さん、小林恭治さん、辻村真人さん、それに いつも来ていただいて、せりふのないタッチの役などしてくださっている吉見佑子ちゃん。 レコードを出しました。と「ふたしかな空」を持ってきてみんなに宣伝、早速レコード店で、レコードを買いました。

作画監督 正延宏三さん、作画、タマプロダクション、スタジオテイク
背景ブロベロン、仕上げ木のプロ、宮本雅子さん、佐野信子さん、

進行は井出康道君でした。
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ふしぎなメルモ 17話

2007年02月14日 11時17分57秒 | ふしぎなメルモ
第17話 「ひとりぼっちのジャングル」

 手塚治虫原作「青いトリトン」を「海のトリトン」と名前を換え、放送が決まったというニュースが、虫プロ商亊営業の西崎さんから伝えられた。メルモのスタッフが、そのまま制作することになり、忙しい中、活気に満ちていた。それでも、メルモのスケジュールは、遅れに遅れ、アフレコは、白身のカットがまだ多くあり、リテークが出来ないまま、口が合わないのを我慢して直せず、放送していた。

 
 車社会、狭い裏道まで車が入り込み、メルモとトトオは、歩けないでいた、大きな塀にトトオが登ってみると、そのなかには広い庭園が広がっていた。

 その土地の持ち主、五平爺さんに甥の夫婦が来ていた、どうせ金の無心だろう、そのとき、防犯カメラの警報がなる。
(防犯カメラのモニターが、古いテレビの受像機、時代がわかる)

 メルモとトトオは五平爺さんに捕まり怒られた。
次の日学校へ、来て、先生たちに文句を言う五平爺さんであった、メルモが、放送劇を放送中であった。おばあさんの役に、雰囲気を出すため、メルモは、キャンディで、おばあさんに変身、おばあさんの声をだした、その放送を聴いた五平爺さんは、昔のおばあさんの声だと懐かしく想い、放送室へとんで行った、メルモに会ってもう一度おばあさんの声を聞かせてくれというが、変身していない、メルモのおばあさんの声を聞いても、声が違ってしまい、がっかりして帰っていく。

 ワレガラス先生から、五平爺さんの事を聞いたメルモは、五平爺さんを慰めようと出かける。そのあとを追うトトオ、メルモのおばあさんの声を聞いて、あわてて合おうとし、ころんでメガネを落としてしまう五平爺さん、メルモを本当のおばあさんだと想い、昔の思いにかえる。

 そんな時、あとをつけてきたトトオが、めがねを踏んでしまい、その音に気がついた、五平爺さんに、あやまりながらメガネを返す、その壊れたメガネをかけた五平爺さんは、見えるようになり偽者のおばあさんに怒り、トトオを機械に捕まえさせようとする。

 その様子に、怒ったメルモは、池にキャンディを投げ込み、その水を盆栽にかけて、木々を成長させてしまう。ちょうど雨が降ってきたので、温室の天井を開け、雨水にキャンディを溶かし、温室の木々を生長させ、ジャングルにしてしまう。

 一夜にしてジャングルとなった庭園、五平爺さんは木々に捕まって身動きできず、トトオに助けを求めた。

 庭園の外を通りがかる子供たち、一夜にして換わってしまった庭園にふしぎに想い、塀に上って様子を見ていると、トトオが来て、おじいさんを一緒に助けて欲しい、助けてあげれば庭を自由に使わせてくれるといっていると、助けを求める。

 メルモはワレガラスに助けを求め、庭園にと駆けつけた。そこには五平爺さんが、子供たちと、ターザンのようにつたにぶら下がって遊んでいた。

 キャンディが減っているのにメルモは気がつく、いつもなら、一晩経てば元通りになっているはず。でも役に立ったのだからと皆のほうに駆け寄っていく。

ここでは、最終回へむけ、キャンディが増えないという複線を貼っている。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、五平爺さん、爺さんの甥夫婦、手塚先生、や学校の先生たち、男の子A,B、女の子など

声の出演 吉見佑子ちゃん、吉田理保子さん、田の中勇さん、大竹宏さん、田村錦人さん

作画監督 正延宏三さん、作画、タマプロダクション、スタジオジョーク、
背景 水野尾純一さん、アップルズ
仕上げ大石洋子さん、スタジオビック

進行は伊藤達雄君でした。
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