メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

オペラ『プラテー』

2009年06月22日 | メガヒヨの本棚・CD棚
6月といえば、じめじめした天気、カエルの鳴き声、そして花嫁の季節…。
そんな今月にぴったりのオペラがある。

1745年初演のオペラ、ラモー作曲『プラテー』。
メガヒヨは2006年公演をパリ・オペラ座ガルニエ宮で観た。
蛙の女王として君臨する沼の精プラテーをタイトルロールとするこのオペラ。
音楽、演出、キャスト全てが好みに当てはまり、とっても気に入った。

【あらすじ】
大神ジュピテルは妃ジュノンの嫉妬に悩まされていた。。
そこで周囲の提案により、一芝居打ち彼女の頭を冷やさせようとする。
それは醜い女性と結婚の真似事をするというもの。
そのターゲットに選ばれたのは、自惚れ屋の沼の精、プラテー。
蛙の様な容姿の彼女は自分には千人の崇拝者がいると信じ込んでいた。
ジュピテルの詐欺も疑うことなく乗ってくる。



その結婚騒動に嘲笑の神モミュスや、から騒ぎの精フォリーも加わり、場は大いに盛り上がる。

 


しかしながら、愛の神も結婚の神も現れないどころか、怪しげな美の三女神なども登場し、うさんくさい雰囲気が漂う。

 

それでもプラテーは幸せの頂点に上りつめる。
 

ところがそこに怒り狂った妃ジュノンが登場。プラテーのベールを引き剥がした。
露わになった蛙の女王の姿を見て、驚き笑い出す。
ジュピテルは「全ては冗談だった」と妻の機嫌を直し、プラテーをそっちのけにして天界に帰っていった。
取り残されたプラテーは居ても立ってもいられず、その場から逃げ出そうとする。
しかし先ほどまで祝福していた人々に捕らえられ、引きずり回されて嘲笑される。
プラテーは怒りを爆発させ、恨みの言葉を残して沼に帰っていった。


18世紀の初演の際には単なる喜劇として上演された様だけど、
現代のオペラ座では笑いを含ませつつ、哀愁も漂わせる演出となっていた。

タイトルロールのプラテーはご覧の通り、男性。
テナーのポール・アグニューが演じている。
写真だとかなり迫力のあるメイクだけど、実際に動いているところを見ると愛嬌があり、なんとも可愛い。

この作品のプリマドンナはフォリー役のミレイユ・ドゥランシュ。
メガヒヨは「舞台で壊れまくる」美人に弱い。
クリスティン・チェノウェス様などもそうだしね。

YOUTUBEを検索したら彼女のお宝シーンがいっぱいあった。是非ご覧あれ。

第二幕より "Aux langueurs d'Apollon"
指揮者のミンコフスキ氏との遣り取りが最高!


第三幕より "Amour, amour"
ミレイユ様、最強!!



このオペラはとにかく、演出が面白かった。
装置も豪華でお金に糸目をつけていない。
特にプロローグのバッカスを讃えるシーンで出てきたこのワイングラス!!

 

中味は本物かな~。何杯か手にとって飲んでたし。
うらやましいな~

衣装はフォリーの楽譜ドレス、プラテーの蛙のタマゴ付きウェディングドレスが楽しかった。
男性陣は蛙くん含めてスーツが多かったのだけど、ブリーフも重要なアイテムとして使用されていた。
トランクスにしないところに、演出のこだわりが伺える。

アリアも合唱も、ダンスもコメディパフォーマンスも盛りだくさんのこのオペラ。
メガヒヨの大好きな着ぐるみだって出てくる。

滅多に行けないオペラ・ガルニエで、丁度上演していたのがこの作品だったことは本当にラッキーだと思う。
オペラを敬遠している方にも楽しめる作品だと思うので、是非このDVDを観ていただきたい。

ラモー 歌劇《プラテー》ロラン・ペリー/ミンコフスキ (パリ・オペラ座) [DVD]

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