メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ二泊四日のNY2013 その5 《THE LITTLE MERMAID一回目編》

2013年08月13日 | NEWYORK

いよいよ待ちに待った開幕。
事前リーク情報のおかげで買えた座席は、最前列の下手通路側。

実はメガヒヨ、Broadway版を2008年に観ている。
そのときの観劇記はコチラ

今回のバージョンはかなり改編されていた。
フルオーケストラによるOvertureが終わると、スクリーン越しにフライングで泳ぐアリエルが現れるのである。
おそらくこちらはダミーの女優さん。
そして彼女が泳ぎ去った瞬間、舞台左手に岩に座る本役アリエルが登場し、♪The World Aboveを歌う。
(舞台写真はBroadwayworld.comから拝借)


アリエルを演じるのは、Jessica Groveさん。
2008年版のSierra Baggess嬢も可憐だったけれど、こちらもディズニープリンセスを演じるために生まれてきたような女優さん。
声もお顔も本当に可愛らしい。
ヨーロッパ版、劇団四季版では水中でのアリエルの髪が逆立っているけれど、この「改編版」ではそのようなことはなく。
フライングする際に下ろした髪の毛が絡まる危険性があるからあのウィッグなのだろうけど、このバージョンでは何より美しさを優先した模様。
ちなみにJessicaさんは2012年にカリフォルニア州サクラメントの劇場でもアリエルを演じている。その際にはフライングの演出は無く、常に腕を動かして泳いでいる様子を表現していた。


そして我らがNick Adamsくん。
ぱっちりした目元といい、スイートな歌声といい、彼も完璧なディズニープリンス。


Nickくんの役作りは、2008年版のSean Palmerさん(SATCのマーカス役で有名)とはまた違った感じ。
少年っぽい無邪気さを備えたプリンス・エリックだった。
アリエルの声を聞いて、「人魚をみつけるぞ!」と望遠鏡を構える様子はとても可愛らしかった。

Jessicaさんともお互い童顔同士、背丈のバランスも良く、ステージ上でお似合いのカップルになっていた。
ケンタッキーの劇場が気前よく♪Kiss the Girlの動画をフルコーラス公開しているので観てみてね。

上の動画で美声を披露しているセバスチャン役は、Alan Mingo, Jr.さん。
この方は2008年度版でも代役を経て、Tituss Burgessさんの降板後にセバスチャンを演じている。
衣装は宮廷音楽家らしく、真っ赤なモーツァルト・スタイル。
四季版でもこちらがいいのにね。ベテラン俳優にはこの方が似合うよ。


キング・トリトンにはEdward Wattsさん。
声も良くてかっこいいのに、♪The World Above(Reprise)がばっさりカットされていてがっかり。
サクラメント版ではミュージカルナンバーに入っていたようなので、今後B'wayでの再演の際は復活させてほしいな。


♪She is in Loveのシーン。
Broadway版では子役が起用されていたフランダー役には、現在エール大在学中のChristian Probstくん。
ちなみに彼はたった3年前、Jessicaさんがリーズル役だった『The Sound of Music』でフリードリッヒを演じていた。
とてもキュートだし実力もあるので、B'wayで活躍する日も遠くないのでは?
例えば『Newsies』のデイビットなんてぴったりだと思う。

アリエルのお姉さん達も美女揃い。ドレスに、個性とりどりのティアラも素敵!
このプロダクションは衣装にはちゃんと予算を掛けているなぁ。

あとは…そうそう。2008年度版では、女官のカルロッタという役があったのだけど、今回そういう役の人はいなかった。
その代わりにグリンズビーが、お城の中でアリエルに親切にする役割を引き受けていた。


そしてそして。影の主役であるアースラ役のLiz McCartneyさん。
いや、何というか、もうアニメ映画そのまんま。
歌声もよく響いていたよ。『オペラ座の怪人』や『スイーニー・トッド』にも出演されているし、オペラ歌唱はお手の物のよう。
おそらく世界中のアースラ役が束になってかかっても、この方には敵わないのではないかな。


ちなみに最前列でメガヒヨの隣に座っていたお嬢ちゃん。
アースラ様登場シーンになるとビビりまくって、お母さんの膝の上に逃げてずっとそのまんまだったっけ。
きっとしばらくは夢に出るぞ(笑)


あ、それとね。最前列は、目の前に障害物が何もなくて見やすくて良かったんだけど、冷えるのが難だった。
欧米の劇場は、日本人にとって冷房が効きすぎているからね。
特に♪Kiss the Girlのナンバーなんてしんどかった。
ドライアイスのスモークが景気よくたかれて、それが客席にまで流れ込んできてしまったんだもの。


クライマックスのあっけなさは2008年バージョンと変わらず。
魔法の貝を、奪って放り投げて終了。

たしかアニメでは巨大化したアースラをプリンス・エリックが倒してなかったか?
でかいタコを作る予算が予算が無かったかどうかは知らないけど、そのシーンが今回も再現されないなんて、これじゃあNickくんの筋肉の持ち腐れだよ。
これじゃあプリンス・エリックって、砂浜にいたアリエルをお城に連れて帰った以外は役に立っていないんじゃあ…
他のディズニーミュージカルと比較してみると、『美女と野獣』の野獣はガストンと戦ってるし、『ライオンキング』のシンバもスカーを倒してるし、『メリー・ポピンズ』のバートは煙突掃除をしているのに!!
まぁこのクライマックスシーンは、「訳わかんない契約書にサインしちゃうと、親にとんでもない迷惑を掛けるよ」という教訓を子供に知らしめればOKという感じだからね~。
制作側としては、「悪者を倒す戦い」に重きを置いていないだけかも。
原作であるアンデルセンの「人魚姫」だって、魔女は善意のお婆さんなのであって、別に戦うシーンがある訳ではないからね。


そんな訳で大団円。
最後はみんなで合唱してキスして終了。
でもNickくんの声、すごく響いていて良かったな。歌、さらに上手くなったね。 

Nickくんの歌声は、PaperMillが公開している動画の最後の方でちょこっとだけ聴けるよ!


舞台が跳ね、メガヒヨは昨年もお会いしたNickくんファンクラブのKさんと一緒に出待ちをすることに。
PaperMill Playhouseのステージドアは、出口を出て左手に廻り、建物の裏側の駐車場に面した場所にあるよ。

ステージドアの前は、昨年の『Priscilla』の殿方と入れ替わる様に小さい女の子でいっぱいだった。
まるで日本のプリキュア・ショーみたいだなぁ。
そんな中、東洋からやってきた"大きいおともだち"であるメガヒヨ。プレゼントの酒瓶を抱えてじっと待つ。

しばらく待ってたら出てきた、出てきた。
メガヒヨ、ちびっ子たちへの配慮も全くなしに王子様に駆け寄る!!


Kさんと2shot写真を撮りっこ。
日本から持ってきたシャンパンを「パートナーちゃんと二人で飲んでね。」と渡したら、
「Oh you're sweet.」だって。てへ♪


後ろで待つちびっ子たちに悪いので、本日はほどほどに。
「明日またNick姉さんとくるよ。」と言ったら笑顔で送り出してくれた。
この時点で明日の公演が待ちきれないメガヒヨ(笑)、後ろ髪を引かれる思いでPaperMillを後にするのであった。