子どものころ飛騨の山奥の村では生の魚はほとんどなく干物が多かった。その中で私は干鱈(ひだら)が一番好きで良く食べていた。上京してからもスーパーなどで見つけるとつい買わずにはいられなかった。イタリアの市場で干鱈を見てから、外国の人はどうやって食べるのかずーと気になっていた。友人に話したらメキシコにもあるという。12月のクリスマスごろ店の前までたくさんつんで売っていたそうだ。今でも売っているはずというので買いに行ったら、298ペソ/1Kで売っていた。良い牛肉でも89ペソ/1Kなのでとても高い。日本では見たことがない、とても身の厚いしっかりした干鱈だった。市内観光を一緒にした人に料理法を教えてもらった。名前をつければ「バカラオのトマト煮込み」かなといわれた。干鱈を塩出ししてニンニク・タマネギ・トマト・オリーブ・干し葡萄・アーモンドを入れて煮込むのだが、ぱさぱさにならず水気もない仕上がりが良いそうだ。さっそく作ってご飯やスパゲッティにかけて食べたがおいしかった。
ここでは昼食が1:30~3:00頃までだそうで、3時近かったが店内は結構お客さんがいた。席には赤い色のサルサ・メヒカーナと緑色のサルサ・ベルテの2種類のソースとタコスを揚げたものが置いてあって、自由に食べてよいそうだ。初めてマルガリータというお酒を注文したら、中に入れる果実を聞かれて「タマリンド」に聴き覚えがあったのでそれにした。来たものを見てびっくり、シャーベットのようでこれがお酒?と思ったが、グラスのふちに塩がつけてありストローが付いていた。周りを見るとおみんなストローで飲んでいた。サボテンのスープとタコスを注文。緑色のタコスはチチャロンがはさんであった。そのうちギターが2人とコントラバスの3人のマリアッチと呼ばれる楽団の演奏が始まり、こんなことしてていいのかな~という思いがちらりと掠めた。メキシコにいると感じさせられたひと時であった。(マルガリータとチチャロン入りタコス)