このところ二週続けて水曜日に映画を見た。スピルバーグ製作総指揮の「SAYURI」とニキ・カーロ監督の「スタンドアップ」の2本である。「SAYURI」は桃井かおりがオーデションを受けて出演したというので関心があった。チャン・ツィイー主演の究極のゲイシャ・ムービーとかで、ハリウッドが作った日本映画である。時代は戦前から戦後にかけての物語で、祇園の町や衣装、日本がアメリカ人が作るとこうなるのかと面白かった。一緒に行った友人は「あんなのおかしい!」と憤慨していた。「スタンドアップ」は実話に基づいた作品で、離婚して子どもを抱え生活のために女性鉱山労働者となった主人公が、男性社会の中で耐えがたいセクシャル・ハラスメントを受けて立ち上がり、やがては回りの意識さえも変えていくという内容であった。両方とも女性を主人公にした映画で、描かれ方は違っていたが、生活のために男性社会の枠の中で働くという共通点を感じた。この季節の楽しみは映画、温泉、料理教室にスキー、私の充電期間である。
久しぶりに岩波ホールで映画「二人日和」を見た。「エキプ・ド・シネマの会」に入ってつながりが切れないようにしているのだがなかなかいけないでいた。京都の町家を舞台に静かに流れていく夫婦愛の物語である。同じことを繰り返しながら過ぎていく時間の積み重ね、このところ平凡な日々に心惹かれている。主演は栗塚旭・藤村志保。栗塚さんは私が上京したての頃、「新撰組血風録」というテレビドラマに土方歳三役で出ていた。伯母が勤めていた病院の女医さんが大フアンだったのでよく覚えている。私は沖田総司役で出ていたさわやかな笑顔の島田順司さんが好きだった。栗塚さんに向き合うのはそのとき以来だと思う。良い感じに年をとっておられた。映画が終わりしみじみと余韻に浸っていたら、素敵な方がお見えになりましたと紹介があり、藤村志保さんが現れたのにはびっくり。美しい人はいくつになっても美しく、プログラムなんか買ってサインしてもらった。野村恵一監督は私と同年。良い日本を撮るなーと思った。映画の最後に多くのエンジェルが紹介されていて、この映画がたくさんの人たちの協力でできたものと分かった。