チロがいる頃からビッケやムムも可愛がって、くるたびに犬用・猫用のお土産を持ってきてくださったお客様が入院されて長くはないだろうと連絡をもらった。どうしてもお目にかかっておきたいと思い、GW明けの7日に上京した。朝、庭の花々を摘んで小さな花束にして、ムム・ナナ・ミミの写真をもって行った。病院で名前を告げると本人に聞いて「会う」といってくださったので病室に入れてもらった。鼻から酸素を入れて「今日は苦しいの」と辛そうに言われた。様子を見計らって「清里の花」と渡すと胸に抱きしめて匂いをかぎ「チロのお墓の回りに咲いてたわねー」と、ムムの写真を見て「ボスになったのね」とも、苦しい息の下でこんなおしゃべりをされた。9日の夜、入院を知らせてくださった方から、8日に亡くなられたと電話をもらった。まだ60代、1人で生きて来られて何かと無理もなさったのだろう。「別れといえば 昔より この人の世の常なるを・・・・」と島崎藤村は書いているが、心が重い。