あっという間に6月になっている。朝食の時、お客様が「ネクタイしてないからコガラかしら、逆光でよく見えないけど、あっヤマガラね」など話していらした。私も一緒になって庭の鳥を見ていた。ふとつり花の木を見ると蝉のように木の幹にとまってじっと動かない鳥がいる。「あれ何かしら」とお客様に聞くと「コゲラよ」と返ってきた。コゲラは何時も忙しげに木をつつきながらツツーと幹を登っているのにあんなにじっとしている訳がないと思った。よく見ると幼い巣立ちしたばかりのコゲラのようだ。ツーと登るがまたズズーとずり落ちて、ほんの少ししか登れないでいる。細い枝に移ったらやっとツーと登ってエンコウ楓の木に飛んでいった。お客様と2人で胸をなでおろした。初めての経験だった。この近くにコゲラの巣があるらしい。お連れのお客様は落ち着かなさそうにご飯を食べていらしたが、幸せな朝のひと時だった。