娘のいない私にとって、ビッケは猫ながらしっかり者の長女のような存在だった。乳がんとわかって手術をしようか迷っていたが、手術の大変さと再発率のことを聞いて、ビッケにとってどうかを一番に考えるとこのまま家で過ごすのが良いだろうと結論を出した。私がメキシコに行く少し前から、コロコロ便だったのが細い便になり、左足が腫れてきていた。「餌も水も受けつけなくなった」とメキシコにメールで知らせを受けて3日後、「今朝死にました」とまたメールで・・・・・。チロの時とはまた違う悲しみでいっぱいになった。癌と早くきずいてやれなかった後悔と、看取ってやれなかった心残りとがあった。猫であれ犬であれ共に暮らせば家族なんだとしみじみ思った。3月15日ビッケは天国に行った。拾った猫なので何月生まれかはっきりわからないが、6月で我が家に来て10年になるところだった。
7日夜、無事に清里に帰りました。成田で満開の桜を電車の窓から眺めて、清里の桜に思いを馳せていました。お客様を案内して、清春芸術村の桜を見に行きました。どうかなと思いつつの案内でしたが、八分咲きのちょうど見ごろで喜んでいただきました。美術館では「ルオー展」(ルオー家秘蔵ー日本初公開・~5月13日まで)をやっていてたくさんのルオーの作品が公開されていました。いつもここで楽しみにしているのは高村智恵子の絵を見ることです。今回も「樟」と題されたその絵にあってきました。清春に行く道中もあちらこちらに満開の桜を堪能することが出来ました。駐車場でタクシーの運転手さんが観光客の人と神田の大糸桜も見事ですよと話しているのを耳にはさみ、「行きますか」とお客様に聞くと「行きま~す」との答え、車を走らせていくと八ケ岳と大糸桜の見事な眺めにため息でした。