車で帰ってくると、トラオが少し痩せたかなと思う後ろ姿を見せて庭を横切って行く。トラオは３年前くらいから、ミューの周りをうろうろし始めた♂の野良猫である。取り付けたばかりのドアー用網戸を壊されてから、私はトラオを目の敵にしている。猫用入口から入ってきてムムやミミのごはんをみんな食べて行ってしまったり、猫用ホットカーペットで暖まったりしている。私の足音がすると急いで逃げていく。ベランダや薪小屋の上で日向ぼっこをしていてミューの猫と間違えられたりする。近くの猫好きの家では野良猫用に外に餌を置いてあるのだが、そこでもトラオは食べているが、なぜこそこそとしなければならないミューにも来るんだろうと思う。そうそう、その家でトラオはウメと呼ばれているそうだ。「こら！トラ！」と私が怒鳴ると、逃げながら立ち止まって私の顔をじっと見る。トラオがしっぽが長くてもう少しかわいかったら、家の猫にしたかもしれない。トラオのしっぽは、途中で切れたような短いしっぽである。
暖冬で、あまり寒さを感じることもなく過ごしていたが、昨日から急に冷えて寒くなった。今朝は雪で真白。風も冷たく、お陽さまが出てもなかなか温度が上がらない。日中、ナナをつないでおく土手も風が強いので、風があまり当たらないところに移動した。こんな日の夕暮は、富士山と雲が力強く堂々としてドラマを見せる。昨日は１０㌔ももらった野沢菜を漬けた。野沢菜を洗いながら、故郷の菜洗いの頃を思い出した。小川に丸太を渡して板を置いて、洗った菜っ葉を置いて行く。近所の人や母が一列に座って、カブラ・白菜・大根などを洗っていた。漬物をつけるための秋の行事。人がたくさんいて生き生きとした暮らしがあった。１４日にお墓参りに帰った故郷は道行く人は１人もなく静かな寂しい村だった。あっ！今は村ではなく高山市に合併して町になったのだ。