8年程前に森のイスキアの佐藤初女さんの事を知って、お会いしたいと思っていた。どうやって訪ねていけばいいのかと思いながら年月が過ぎていた。1週間前ひょんな事から佐藤さんの講演会が軽井沢であることを教えてもらい、ぜひ行きたいとお願いした。入場券はすでに売り切れで、教えてくださった方が昨年甲府でもあり二度目だからと自分の分を譲ってくださった。
少し背中の丸まった84歳の初女さんは、静かなゆったりとした東北訛りの口調で「食は命、心をこめて作る料理は魂に響く」・「何気なく暮らしていると大事なことを通過してしまう」・「今を生きる。今より大事な事はない。今の時を感謝で生きる」など心に響く言葉を話された。食べ物はストレートに心が伝わるとも言われ、食に関わっている私には本当に貴重な時間であった。会場が暖かい癒しの空間のようで心地良かった。出口で見送ってくださった初女さんと握手して、ミューを「イスキアの心に近づけたい」などと言ってしまった。
2日に来て下さったお客様は、雪を冠った八ケ岳、富士山、南アルプス、金峰山を堪能して、夜はちょうど満月の月と星を眺め、朝は朝焼けの富士山をはじめとする山々と朝日の昇る瞬間を見、甲斐駒ケ岳に朝日があたるのを見て大満足と言ってくださった。朝日がさす甲斐駒ケ岳の上に満月がまだ見えてそれもよかった~と。寒い冬にもこんなに素敵な贈り物がいっぱいあることを分かってもらえて私も嬉しかった。夜、月明かりの八ケ岳も神々しく、赤岳の山小屋の灯りも見えてこれもお薦め。日中はスノシューを履いて林の中の散歩も気持ちのいい冬の楽しみ方の一つである。