思い出に浸りながら安房峠を下り、平湯峠を越えて美女峠経由で故郷朝日町に帰った。朝に夕に乗鞍岳を見て大きくなったのだが、八ケ岳を見たとき乗鞍岳に似ている気がして懐かしく感じた。今回雪の無い乗鞍岳を見てこんなに優しい山だったのかと意外に思った。考えてみると岩肌のギザギザした八ケ岳を見慣れてそう感じるようになったのだと思う。乗鞍岳は遠く仰ぎ見るようだが、清里は八ケ岳の裾野に位置しているようで、その距離の違いかもしれない。『仰げば高き乗鞍の 清峰燦とかがやきて~』と中学校の校歌に『そそりたちたる乗鞍の山 滾ち流がるる宮川の水~』と高校の校歌にもうたわれていた乗鞍岳。時を過ごした場所に帰ると、その時が頻りと思い出されるようだ。