夜中の1時、頂上までのぼるかどうかの調べがあった。
たった3時間しか仮眠ができなかった。寝た気がしなかった。
8合目から頂上まで登った。幸いにも雨が降ってなかったが、防寒着としてカッパを着ていた。
4時前に着いた。
すごい人だ。富士山頂上でご来光を拝む人だ。
一番見やすいところを陣取っていた。
今か、今かと雲海のはてをだれもが見ていた。
4時47分。
「万歳!万歳!」があちこちから聞こえていた。
ぼくも、「ばんざい!!ばんざい!!!」。
太陽が顔を見せた瞬間は、感動ものだ。
それから、噴火口の中の万年雪を見た。お鉢めぐりはしなかった。
いよいよ下山をする。
下山は勢いがついてしまい、危険である。
何人もの人がすってんころりんと転んだところを目撃した。
ぼくも1回転んでしまった。
足のツメがいたくなって来た。
ぼくは、どんどん遅くなり、最後になってしまい、10時のバスに乗る時間に間に合わないみたいだったので、最後の30分間を馬に乗って下山した。
馬ににこにこして乗っていると、「殿様みたいだ」、「乗ってみたい!」、「いいなあ」などいろいろ声をかけられた。