「俺は毎日汽車道を歩いているので 都合によってたまに道を歩く時もあるのです 俺がどうして汽車道ばかり歩いているかと言うと 駅と駅との間を歩くには 道を歩くと 初めての道だから 右へ曲がる道だの左へ曲がる道だの 突き当たる道だの 十字路の道があって どの道を通って行けばこの次の駅に行けるか分からないのです」
1940年、18歳の時、突然清は八幡学園を飛び出している。この放浪の旅は、1954年まで続いた。
清は戦争への恐怖感を人一倍抱いていた。
戦争=死というイメージは次第に強くなり、徴兵される恐怖感から放浪の旅に出たとも言われている。
8月15日、夜9時からNHKで「15歳の志願兵」があった。
旧制愛知一中で3~5年生約700人が海軍予科練への志願を表明する「総決起事件」が起きた実話をドラマ化にしたもの。
戦争のさなか、総決起集会で全員が志願するが。
周りの大きな流れに逆らえない。本音と建て前を使い分ける。そんな誰でももっていそうな考えが、重大な結果をもたらす。
死んでいった者もいた。
今、ぼくたちは、自分の考えで周りの流れに逆らえるだろうか?