貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

牡丹いつつと音楽物語ふたつ

2017-05-13 11:16:44 | 日記
牡丹いつつと音楽物語ふたつ

平成29年5月10日 14:00~

 「もう一年と」との要望に応えて、今年も

神津善行さんの音楽講座が開かれた。

 平成29年度の一回目は、「音楽物語」。

 一つ目は、浜田廣介さんの『泣いた赤鬼』を

神津さんが脚色。

 二つ目は、神津さんの音楽物語

『傷ついた渡り鳥』。

 「物語を絵になる音楽として造っていく」

という神津さんのミッションと、コンピュータ

で、百人から百五十人のオーケストラと同じ

ように演奏していくという、廉価で手軽にと

いう優しさを礎に創作されてもの。

 「音楽は、演奏家の演奏を第一というのを

百も承知で、その上をいく音楽をつくってい

きたい」、

「音楽家でない人が音楽をつくっている時代」

がさらに進化していくという認識のもと、

ご自身もコンピュータで音楽をつくられてい

るという、「真の音楽好き」と「先見の明」が

滲み出ていた。

 それだけでも、心も洗われ、意欲が体の芯

から湧いてくる。

 前半は、「泣いた赤鬼」

 語りは、奥様の中村メイ子さん、赤鬼を次女

で女優の神津はづきさんが、青鬼を長女でエッ

セイストの神津カンナさん。

 三人の語りとコンピュータオーケストラを神津

さんともう一方の五人の表現の音楽劇。

 どんどん引き込まれていく我を感じ、

最後には物語の中にいる自分を発見。

 絵本や児童物語が大好きなので、余計なのかも

しれないが、神津家族の凄さが最も大きな要因

だろう。

 後半は、琵琶の坂田美子さんとバイオリンの

○○さんが生演奏で加わる。

 お子さんが幼いときから公の場で家族で公演

してきたという「傷ついた渡り鳥」。

 渡りの季節が近づく。

 末っ子のロンが幼い時に襲われた傷で飛べ

ない。弟を思う兄が狐に襲われたと嘘をつき、

兄は弟と一緒に残る。

 しかし、母親はそれを見抜いている。

 兄にロンを頼んで南の島へ飛び立っていく。

 寒さは極寒となり、ロンがもう息絶え絶え

という時に、母親が南の島から戻ってくる。

 兄を想う弟のいたわり、兄弟愛、子を想う

母の愛、家族の絆・・・。

 それが音楽に乗って・・・。

 しかも、坂田さんの琵琶と語り、バイオリ

ンの方の演奏の奇抜さ、生演奏が倍加させる。

 カルガモ一家の旅立ちの演奏が一段と光る。

 そして、兄を演じたカンナさんの、

「こんなに美しい月を見たのは、生まれて始

めてです。」

という独白がぐっと胸を詰まらせる。

ほろほろろ・・・。

 演じ終わると、

中村メイコさんが涙いっぱい!はづきさんも!

 それぞれの人が泣いたり・・・、

胸を詰まらせたり・・・。

 「男女の愛だけでなくこういう愛がある

のを、子どもたちに知って欲しい」という願い

を込られている。

 舞台に、「優雅・高貴・風雅・花の王」などの

花言葉を持つ牡丹が五つ、見事に咲いていた。

 本当にありがとう!

 そして、企画・運営の佐藤財団の方々、

ゆとろぎの方々に心より深謝!!