七日間?七日花?
令和元年7月5日
勝福寺の古代銀杏。
そして、カヤの大樹。
飯泉山勝福寺は、京都東寺真言宗の
名刹で、十一面観音が本尊。
寺伝によれば、弓削道鏡が東に
下った際、北千代台(小田原)に
創建した千葉山弓削寺の東院堂
ともいわれている。
今の飯泉に移された後、小田原城
の鬼門鎮守の道場として崇められ、
通称「飯泉観音」と親しまれている。
また、坂東三十三観音の第五番札所
として有名。
現本堂は、宝永3年(1706)に
再建されたもの。
この本堂も老朽化のため、昭和44年
に改修。
建物は、密教系寺院独特の構えで、
内陣は後部3間(5.45m)外陣は前部
2間(3.63m)の板の間。
全体に江戸時代(1603〜1867)
初期の様式を残し、地方色豊かな
建物といえる。
この寺には曾我兄弟(曾我祐成・時致)
が仇討ちの際に日参して成就した
ことや、二宮尊徳が14歳の時、
旅僧の訓読する観音経を聞いて
発心したという伝説が残されて
いる。
芭蕉の句碑は、鐘楼の裏にある。
刻字は摩滅。
句は、
「鶴下りて 七日花見る
麓かな」。
俗に、花盛りは七日間といわれ、
鶴は下りると一箇所に七日留まる
と云われているそう。
今麓は花盛り。鶴も下りて七日風情
を楽しむという意か。
この俳句の芭蕉の句は、3句。
花咲いて 七日鶴見る
麓哉
華ざかり 七日鶴見る
麓哉
これにて、七日花という花は
なし。
解消!
それにしても、ちょっとの
ことで、随分情景が変わるし、
いいたいことも変わるもの。
俳句の奥深さか。遊び心、
柔軟な発想など今朝も知ること
となる。