貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

山皆雲に隠れたり

2019-07-13 09:55:00 | 日記

山皆雲に隠れたり

令和元年7月13日(土)

 富士見平ドライブインの

駐車場。

 

 箱根旧街道が此の富士見平の傍に

ある。

 前回の時はなかったような?

 その道路沿いに、

松尾芭蕉のでっかい句碑が

ある。


 

 詠まれたのは貞享元年(1684)8月、

『野ざらし紀行〈甲子吟行>』に

おける箱根越えの時。

 この『野ざらし紀行』は、

芭蕉が41歳にして最初の文学

の旅。

 句の詞(ことば)書(がき)には

「関越ゆる日は雨降りて山みな

雲にかくれたり」

とあり、この日の箱根は雨で視界

が悪かったようだ。

 句は、

「霧しくれ 富士を見ぬ日そ 

       面白き」 芭蕉

 季語は「霧」で秋。

 旧暦の8月は現在の9月後半に

あたり、ちょうど秋雨前線が

活発な時期。

 霧時雨で見えない富士を

心の中に見立て、「面白き」と

興ずるところに芭蕉俳諧の真髄

が窺える。

 前回訪れてから3年という月日

が流れているが、句碑の文字が

少し薄れている。

 箱根の厳しい環境も覗える。