山皆雲に隠れたり
令和元年7月13日(土)
富士見平ドライブインの
駐車場。
箱根旧街道が此の富士見平の傍に
ある。
前回の時はなかったような?
その道路沿いに、
松尾芭蕉のでっかい句碑が
ある。
詠まれたのは貞享元年(1684)8月、
『野ざらし紀行〈甲子吟行>』に
おける箱根越えの時。
この『野ざらし紀行』は、
芭蕉が41歳にして最初の文学
の旅。
句の詞(ことば)書(がき)には
「関越ゆる日は雨降りて山みな
雲にかくれたり」
とあり、この日の箱根は雨で視界
が悪かったようだ。
句は、
「霧しくれ 富士を見ぬ日そ
面白き」 芭蕉
季語は「霧」で秋。
旧暦の8月は現在の9月後半に
あたり、ちょうど秋雨前線が
活発な時期。
霧時雨で見えない富士を
心の中に見立て、「面白き」と
興ずるところに芭蕉俳諧の真髄
が窺える。
前回訪れてから3年という月日
が流れているが、句碑の文字が
少し薄れている。
箱根の厳しい環境も覗える。