▼最近、暇も、金も、そして、近場に混まない映画館もあるものだから、何の予備知識もなく映画を観に行く。
ロバート・デ・ニーロ監督作の『グッド・シェパード』だ。
デ・ニーロは、私くらいの年齢だと、なんともカリスマを感じる役者なのだが、最近は、どうも活躍がおとなしい。
チケットを買って、すんなりと、いつものMOVIX昭島の館内へ。
開館二十周年記念だそうで、本日は1000円均一でした。
# # # #
とても、傑作でした。
これは、「完成度の高いコッポラ作品だ!」と私は思った。
物語は、1961年の、CIAによるキューバのカストロ政権転覆を狙った上陸作戦が失敗に終わり、その、どうやらCIA内部の情報漏れと思われる事件を調査するCIA創成期からのリーダーの物語。
それと平行して、そのリーダー、エドワードが、第二次大戦前夜から、CIAを形成していく過程が、その人生とともに語られる。
その、過去と現在の交差が、コッポラの『ゴッド・ファーザー PARTⅡ』以上に見事に語られるのだ。
コッポラは、「イタリア移民」の歴史をイタリアンマフィアの台頭を描く中で語ろうとした訳ですが(スタローンの『ロッキー』にも、その傾向が見える)、
今回、デ・ニーロは、「多民族国家アメリカ」が世界で生き抜くための歴史を、国外諜報機関CIAを描いていく中で描こうとしており、それが見事に成功している。
有名な、イェール大学の学内エリート組織「スカル&ボーンズ」と言う、歴史のない国アメリカが産んだ必死の伝統秘密組織なども詳しく描かれる。
また、コッポラ作品では、組織(ファミリー)とともに、家族・一族(ファミリー)が詳細に描かれ、その代表としてパーティーシーンがあるが、
この作品でも、繰り返し、組織のパーティーシーンが描かれる。
その和気あいあいの様は、一族のつながりを見る者に植えつけるのだ。
最初は打算的に見えたエドワードの妻となるマーガレットも、いつしか貞淑な妻となり、そして、CIA組織に染まっていくエドワードに絶望していくのだった。
しかし、マーガレットを演じるアンジェリーナ・ジョリーが、こんなにも美しいとは思わなかった。
こりゃ、全盛期のナスターシャ・キンスキーに勝るとも劣らない・・・。
・・・コッポラ作品には、常に破綻がつきものだった。
しかし、このデ・ニーロ作品はそつがない。
多くの事象を扱いながら、それぞれに物足りなさが起こらない。
CIA・FBI・KGB・英国諜報部・KGB寝返り組・キューバが入り乱れるのだが、それらが、無駄なく物語を形成していく。
それは、伏線の回収的な流れではなく、見事に国際諜報戦の丁々発止になっている。
しかも、物語には、キューバ上陸作戦の失敗と言う大きな問題がある。
それは、身内の情報漏えいによるものなのだ。
その謎が、物語全篇を覆ってもいる。
国際的な諜報戦の最先端には、個人対個人の「愛」がちゃんと存在し、それらが、システムの暴走の歯止めになっている展開に感動した。
(おまけ一言)
ジョン・タトゥーロ、いい味出してました^^
それから、コッポラは、この作品の製作総指揮をやってますね。
(2007/10/20)
ロバート・デ・ニーロ監督作の『グッド・シェパード』だ。
デ・ニーロは、私くらいの年齢だと、なんともカリスマを感じる役者なのだが、最近は、どうも活躍がおとなしい。
チケットを買って、すんなりと、いつものMOVIX昭島の館内へ。
開館二十周年記念だそうで、本日は1000円均一でした。
# # # #
とても、傑作でした。
これは、「完成度の高いコッポラ作品だ!」と私は思った。
物語は、1961年の、CIAによるキューバのカストロ政権転覆を狙った上陸作戦が失敗に終わり、その、どうやらCIA内部の情報漏れと思われる事件を調査するCIA創成期からのリーダーの物語。
それと平行して、そのリーダー、エドワードが、第二次大戦前夜から、CIAを形成していく過程が、その人生とともに語られる。
その、過去と現在の交差が、コッポラの『ゴッド・ファーザー PARTⅡ』以上に見事に語られるのだ。
コッポラは、「イタリア移民」の歴史をイタリアンマフィアの台頭を描く中で語ろうとした訳ですが(スタローンの『ロッキー』にも、その傾向が見える)、
今回、デ・ニーロは、「多民族国家アメリカ」が世界で生き抜くための歴史を、国外諜報機関CIAを描いていく中で描こうとしており、それが見事に成功している。
有名な、イェール大学の学内エリート組織「スカル&ボーンズ」と言う、歴史のない国アメリカが産んだ必死の伝統秘密組織なども詳しく描かれる。
また、コッポラ作品では、組織(ファミリー)とともに、家族・一族(ファミリー)が詳細に描かれ、その代表としてパーティーシーンがあるが、
この作品でも、繰り返し、組織のパーティーシーンが描かれる。
その和気あいあいの様は、一族のつながりを見る者に植えつけるのだ。
最初は打算的に見えたエドワードの妻となるマーガレットも、いつしか貞淑な妻となり、そして、CIA組織に染まっていくエドワードに絶望していくのだった。
しかし、マーガレットを演じるアンジェリーナ・ジョリーが、こんなにも美しいとは思わなかった。
こりゃ、全盛期のナスターシャ・キンスキーに勝るとも劣らない・・・。
・・・コッポラ作品には、常に破綻がつきものだった。
しかし、このデ・ニーロ作品はそつがない。
多くの事象を扱いながら、それぞれに物足りなさが起こらない。
CIA・FBI・KGB・英国諜報部・KGB寝返り組・キューバが入り乱れるのだが、それらが、無駄なく物語を形成していく。
それは、伏線の回収的な流れではなく、見事に国際諜報戦の丁々発止になっている。
しかも、物語には、キューバ上陸作戦の失敗と言う大きな問題がある。
それは、身内の情報漏えいによるものなのだ。
その謎が、物語全篇を覆ってもいる。
国際的な諜報戦の最先端には、個人対個人の「愛」がちゃんと存在し、それらが、システムの暴走の歯止めになっている展開に感動した。
(おまけ一言)
ジョン・タトゥーロ、いい味出してました^^
それから、コッポラは、この作品の製作総指揮をやってますね。
(2007/10/20)