☆日航123便墜落事件は、私が社会の動向に興味を持ち始めた高校生の頃に起こった大事件だったので、非常に記憶に残っている。
川上慶子ちゃんや与圧隔壁なんて言葉が、すぐに思い出される。
後に、阪神大震災が起きた後に、サブカル系言論者が「<終わらない日常>が終わった」と語っていたが、私にとって日航機墜落事件は、「<終わらない日常>などはない」と言うことを既に教えてくれていた。
当時、バンドブームで、パンクバンドを組んでいた友人が、即興で「日航機墜落」などと言う不謹慎な楽曲を作っていたものだ・・・。
◇ ◇
非常に面白かった。
さりとて、この作品、誤解を恐れず言えば、物語などない。
別に、背景を「日航機墜落」にする必要がないのである。
また、力強い演出に引っ張られて、2時間半の上映時間を緊張感を持って見ることが出来るが、舞台を地方新聞社にする必要もない。
事件当時の動向に、現在の主人公の姿を重ね合わせている。
そのロッククライミングの姿を、大自然を背景に、臨場感たっぷりに見事に活写しているが、本筋とのテーマの有機的なつながりは薄い。
ただ、タイトルの「クライマーズ・ハイ」のためだけのモンタージュであった。
おかしい点は多々あるが、それでも見ているこちらをグイグイ引っ張ってくれるのは、ひたすらにパワフルな演出の結果だろう。
◇ ◇
そう、そもそも、この作品は、具体的事例を辿る物語ではないのである。
社会・組織内での人間群像を執拗に描いているのみの作品なのだ。
あまりにも役者が多いので羅列はしないが、社会人として生きていると、必ず出くわすであろう、自分の回りにいる者に似た個性的人物が、見事に配されている。
鑑賞者は、そこでの主人公の心情や動きを見て、自分に重ね合わせずにはいられない。
人と人のぶつかり合いは、バトルロイヤルを見ているが如くだ。
面白い。
面白い、が、なんかふと我に返ると、車田正美のマンガの如く、それぞれの出演者が必殺技を叫んで戦い続けている印象にも似ている。
◇ ◇
私は、日頃、限界までは怒らないタイプの人間であるが、主人公(堤真一)をはじめ、出てくる者たちが、日常の中で自分の主張をやや礼儀なくぶつけあう姿を見て、かなり勉強になった。
口論して、でも、その後に社会人・会社人たるべく、感情のぶつかりあいなどなかったかのごとく対応する様は、私に、人生の生き方の新たな答えを教えてくれた様な気がした。
(2008/07/06)
川上慶子ちゃんや与圧隔壁なんて言葉が、すぐに思い出される。
後に、阪神大震災が起きた後に、サブカル系言論者が「<終わらない日常>が終わった」と語っていたが、私にとって日航機墜落事件は、「<終わらない日常>などはない」と言うことを既に教えてくれていた。
当時、バンドブームで、パンクバンドを組んでいた友人が、即興で「日航機墜落」などと言う不謹慎な楽曲を作っていたものだ・・・。
◇ ◇
非常に面白かった。
さりとて、この作品、誤解を恐れず言えば、物語などない。
別に、背景を「日航機墜落」にする必要がないのである。
また、力強い演出に引っ張られて、2時間半の上映時間を緊張感を持って見ることが出来るが、舞台を地方新聞社にする必要もない。
事件当時の動向に、現在の主人公の姿を重ね合わせている。
そのロッククライミングの姿を、大自然を背景に、臨場感たっぷりに見事に活写しているが、本筋とのテーマの有機的なつながりは薄い。
ただ、タイトルの「クライマーズ・ハイ」のためだけのモンタージュであった。
おかしい点は多々あるが、それでも見ているこちらをグイグイ引っ張ってくれるのは、ひたすらにパワフルな演出の結果だろう。
◇ ◇
そう、そもそも、この作品は、具体的事例を辿る物語ではないのである。
社会・組織内での人間群像を執拗に描いているのみの作品なのだ。
あまりにも役者が多いので羅列はしないが、社会人として生きていると、必ず出くわすであろう、自分の回りにいる者に似た個性的人物が、見事に配されている。
鑑賞者は、そこでの主人公の心情や動きを見て、自分に重ね合わせずにはいられない。
人と人のぶつかり合いは、バトルロイヤルを見ているが如くだ。
面白い。
面白い、が、なんかふと我に返ると、車田正美のマンガの如く、それぞれの出演者が必殺技を叫んで戦い続けている印象にも似ている。
◇ ◇
私は、日頃、限界までは怒らないタイプの人間であるが、主人公(堤真一)をはじめ、出てくる者たちが、日常の中で自分の主張をやや礼儀なくぶつけあう姿を見て、かなり勉強になった。
口論して、でも、その後に社会人・会社人たるべく、感情のぶつかりあいなどなかったかのごとく対応する様は、私に、人生の生き方の新たな答えを教えてくれた様な気がした。
(2008/07/06)