『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『ゼロ・グラビティ』を観た]

2013-12-13 16:19:14 | 物語の感想

   (注)・・・この傑作を観て、帰宅して感想を書いて、私が営業している店で、暇な時間に、購入していたパンフレットを読んだ。

        私は店に、観て面白かった映画のパンフレットをいっぱい置いているのだ。

        パンフレットに載っていた町山智浩の「ゼロ・グラビティ」評を見て驚いた。

        記されている事例が、私の書いた下の感想と、かなり似通っているのだ。

        まさか、「海=羊水」や、ディスカバリー号の「精子」ネタまでも被っているとは思わなかった・・・。

        命に代えても、パクったわけではない。

        私の完全オリジナル文章である。

        私は、10年以上に渡る、ネットにおける文章公開で、『2001年 宇宙の旅』を何度となく引き合いに出してきた。

        それらが、少しでも、古くからの閲覧者の記憶に残っていることを祈る・・・。

☆・・・嗚呼、ここ数年では、私にとって、『アポカリプト』や『ブラインドネス』に匹敵するような傑作でした。

 素晴らしいし、面白い。

 私は、もう何度も語っているけど、『2001年 宇宙の旅』で、木星圏に到達したディスカバリー号から、宇宙船付随の管理コンピューター<HAL9000>によって、宇宙服のメットを着けないままに船外に放逐された宇宙飛行士・ボーマン船長の、船内への帰還のシーンを非常に好んでいる。

 あの、宇宙の硬質かつ冷徹さを描いた作風の中で、唯一、あのシーンだけが、息使いの荒い血の通ったシーンだからだ。

 その落差が良かった。

 この『ゼロ・グラビティ』は、そのシーンを二時間近くに渡って描き続けたような作品である。

 『2001年…』へのアンサーソングの意味合いもある。

 打ち出したのは、神の領域に入ってしまった『2001年…』に対しての、あくまでもの「人の領域」に踏み留まるとした作風である。

 主人公である女性博士ライアンは、あくまでも人として、宇宙の静寂・暗闇・孤独・・・、そして大災厄・重力の作用/反作用に挑み続ける。

 エンターテイメントとしても上出来で、ライアンは、リプリーやローズ(タイタニック)以上のアクションをこなす。

 相手は、誰にでも等しく「情」のない宇宙空間なので、そのギリギリアクションの連続に、見ている私は最大限の緊張を強いられる。

 ライアンをサンドラ・ブロックが演じているが、いつも「ウマ面」とか言ってすいませんです、魅力的でした。

 息の詰まるような宇宙空間の中で、彼女が宇宙服を脱ぐだけで、そのタンクトップの胸・あらわなムチムチの太もも、たまらなかったです。

 ドラえもんの秘密道具「オーバー・オーバー」を着て、上着を脱ぐ女の子を見たときみたいにエロかったです。

     

 また、赤ちゃんを産むことのできる女性を主人公に据えたことで、作品は、数々の生命への暗示が見て取れ、

 激しきスペースデブリの暴風は「乳海攪拌」のカオスであり、

 シャトル→国際宇宙ステーション→ソユーズ(ロシア)→中国の宇宙ステーション→中国の宇宙船シェン・・・、と乗り物を変えていく「産みの苦しみ」があり、その各所で、胎内や赤ちゃん・命・生きることのイメージが紡がれ、最終的にライアンは地球に帰還、

 海に落ち「羊水」の中でもがき、地球の重力の中で、歩きはじめの赤ちゃんの様にタドタドしく立ち上がる様は、あくまでも、人間として宇宙に対峙し、人間として帰還するという、『2001年・・・』に対しての別の答えを提示してくれている。

 ちなみに、『2001年・・・』のディスカバリー号は、精子の形を模している。

 猪突猛進の宇宙への向かい方である^^;

 途中で、漂流の冒頭をナビゲートしてくれた存在としてマットがいて、ジョージ・クルー二—がいい仕事をしてくれているが、別離を挟んで、最後に幻影として現われる。

 これも、スターゲイトの向こうで、ボーマン船長が出会ったボーマン船長の過去と未来の姿と対を為すだろう。

 空き家となった宇宙ステーションの中には、多くの浮遊物が浮かんでいて、ライアンの涙や、燃える油の描写に唸らせられたが、それ以上に、何度も、『2001年…』で表現された浮遊するボールペンが見られたのは感動した。

 あれ、確か、ボールペンをガラスに張り付けて、浮かんでいるように見せていたんだよね。

 しかし、無重力の体感と言う点で、久し振りに、3D映画を堪能したよ^^

                                               (2013/12/13)