『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『スポットライト 世紀のスクープ』を観た(短評)]

2016-04-15 13:37:45 | 新・物語の感想

映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告篇

☆・・・これもまた、力のこもった傑作でした。
 ボストン・グローブ誌の特集記事チーム<スポットライト>が力強く巨悪に迫っていきます。
 よく、この実話を作品に出来たなぁと思います。
 見始めてすぐ、「神父が信徒の子供に性的な虐待をしてしまう理由の第一義は、神父と言う職種の独身制度に根があるだろう。牧師は結婚が許されているので、そういったことが少ない」と思っていたら、物語の中盤で、ことにあたった臨床心理学者が同様の趣旨を言っていた。
 神父が性的な倒錯に至る確率は6%だそうだ。
 カトリック世界は強大で、そんな告発に微動だにせず、これからも、確率論的な犯罪者を必要悪として飼いならしていくのだろう。

 まあ、この物語の児童への性的虐待は論外だとは思うが、不倫などには、民事リスクはあれど、「まあ、しょうがないんじゃん」という見方もしている。
 しかし、先に、政治家初の権利としての育児休暇を取った宮崎議員が、その時間に不倫をしまくっていたことや、
 この物語の神職にありながらの狼藉など、
 地位をかさに着た悪行と言うのは許し難いものだ。

                     (2016/04/15)

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[映画『ルーム』を観た]

2016-04-15 08:04:23 | 新・物語の感想

「ルーム」本予告

☆・・・傑作ですね。
 時節がら、そのようなテレビでの宣伝をされていないけど。
 17歳で誘拐された少女が七年間の監禁生活の中で子供を宿し、その子が五歳になり物心がつく…、その時点で《監禁「ルーム」》からの脱出を決意し、そして、その経験を克服するまでを、凄まじく多くのテーマを内包して描いていた。
 ・・・主人公の踏みにじられた青春、望まぬ出産、だが、そこで誕生した子供こそが、生きるよすがになる。
 子役の息子ジャックは、生まれながら、その「部屋」の中の「世界」しか知らない。
 その生活。
 細かい事象が積み重ねられて語られる。
 そして、想像力が貧困な鑑賞客には理解が得られないような突飛な脱出方法、そのサスペンス。
 犬を散歩していた男に助けられ、女の勘の洞察が利いた警察官に保護される、天の配剤。
 両親は離婚していて、主人公ジョイの父親は、犯人の血が半分混じっているジャックを直視できない。
 そう、それまでの二人の「部屋(世界)」では、ジョイは「ママ」でしかなかったが、ここで名前が立ち現われる。
 ジョイの母親は、ジョイとジャックを受け入れる、が、再婚相手もいる。
 再婚相手は好人物だが、自分の不遇の間に恋愛していた母親に、解放後のフラッシュバックや周囲(社会)との齟齬に言い知れぬ不満を爆発もさせる。
 ジャックも、自分の周囲から流れてくる膨大な情報量に溺れそうだったので、やや内に籠もる。
 ジョイは、テレビの取材も受ける。
 だが、そこでの、プロのインタビューアーであったら当然にせざるを得ないだろう質問を受け、悩み、自殺未遂に至る。
 ジョイは入院し、ジャックは母親と引き離される。
 そこでジャックは、寂しさを感じつつも、子供の心の柔軟性で飛躍的に社会とのコミュニケーションを得ていく。
 そんな息子の姿を見て、ジョイも安心を得て、ジョイ自身も回復していく。
 だが、ふたりでハンモックで微睡んでいると、ジャックが「《部屋》に戻ろうよ」と言うのだ。「いや、ちょっとだけだよ」
 かくして、ふたりは《部屋》に戻る。
「あれ、《部屋》ってこんなに小さかったんだ」
 ジャックは意外そうに呟くと、かつての自分の《世界》を構成していた一員たちに別れを告げるのだった。
 ジョイも、そのあまりにも小さい《部屋》を見て、恐怖の対象であった存在のあまりにもの矮小さを思い、「バイ…」と部屋に声なく告げるのだった。
 ジャックはもちろん、ジョイも、過酷なる経験から立ち直るのだろう。

                   (2016/04/15)

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