☆・・・婆さんを、あきる野医療センター「物忘れ外来」に連れて行く。
婆さんがボケていないかの確認ではない。
婆さんは、自分がボケ認定されたほうが楽なのである。
しかし、俺は、滅びの呪文「アルツ!」を唱えたからと言って、婆さんをボケに逃すつもりはない。
つまり、婆さんがボケてなどいなくて、これからも馬車馬のように働かせるために、「ボケてないことの再確認」するために行く「物忘れ外来」なのである。
『アルツでない』『アルさせない』『アルツハイマーに逃げさせまじ』大作戦である。
…結果、MRIも血流シンチも判定テストも、健常者として完璧だった。
母親は、「チッ! しくったぜ!」と舌打ち。
ただ、前回 判定テストが満点だったのだが、今回は、質問を一つ間違えたそうだ。
「ここは何階ですか?」の質問に「一階です」と答えて間違えたのだ。
その、テスト診断を受けたリハビリ場所は、地下一階だったのだ。
これは引っ掛け問題だ。
リハビリ場の待合通路の突き当たりには、窓があり、その向こうには庭が広がっていた。
ババァは俺に、窓の外を見ながら、「あれ?」と首を傾げたのだ。
俺は、「庭だな」と言った。
しかし、その庭は、地下一階の窓の外を、地上から掘り出し、庭にしていたに過ぎない。
しかし、ババァは、「庭があるので一階だ」と、騙された!
ちょっとした本格ミステリーの大トリックのようだった!(^◇^;)
『アルツでない』『アルさせない』『アルツハイマーに逃げさせまじ』!
(2022/03/30)