『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『ポケモン BW ビクティニと黒き英雄ゼクロム』を観た]

2011-07-20 22:25:17 | 物語の感想
☆正式タイトルは『劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ ビクティニと黒き英雄ゼクロム』。

 多少のバージョン違いの二作を同時公開させると言うアイディアに酔った、内容的にはあたり障りのない内容になることが予想できた。

 しかし、甥っ子の誕生日プレゼントとしての所望だったので、見に行った。

 同時公開の『ビクティニと白き英雄 レシラム』が時間的には都合が良かったのだが、甥っ子が「どうしても『黒』!」と言うので、多少の時間をもてあましつつの鑑賞。

 結構面白かった。

 プロローグでは、大地の活力を失い、故郷を去った<大地の民>の人々を故郷に戻そうとする青年の姿が描かれる。

 私には、放射能騒動で住居を追われた福島の人々とダブるのだった。

 序章が終わると、主人公サトシら一行のいつもの旅が描かれる。

 サトシは、崖から落ちそうになった鹿のポケモンを助けるのだが、

 そこでの崖の高さの恐怖表現が、いつもの「ポケモン」での、「高い・危ない」と言う記号的なものじゃなく、ちょいと、こちらの肝を冷やすような高さの演出で、「おやっ、今回はいいぞ」と、見直し始めた。

 その難局を脱出したサトシは、崖下のほら穴から、舞台となる<大地の剣の城>の地下に入っていくのだが、展開がなかなかスピーディーで良い。

 剣の城の町では、ポケモンバトル大会が行なわれ、それはタイトルクレジットが流れる中で展開する。

 セリフはないのだが、試合の起伏は大いに伝わる。

 ビクティニと言う、小さな体に大きなパワーを持った、姿を現わさない、町の守護ポケモンがいるのだが、サトシに興味を持ち、サトシの回りを透明にうろつく。

 サトシの食べているマカロンを、透明なままでちょろまかし食うので、空中に、徐々に欠けていくマカロンが浮いており、それは作中で何度も繰り返されるが面白い映像だ。

 透明なビクティニを追うシーンでは、公園のシーソーがうまく演出に取り込まれていた。

 また、悪役然とした登場人物が現われないので、私は、いつもの「ポケモン」パターンが感じられず、先が見えず、夢中で見ているしかなくなった^^

 映画版では、いつも大局の中で傍観者になることが多かったサトシだが、今回は、単身(ピカチュウは一緒)、成層圏まで飛び出す大活躍する。

 悪役は、<大地の民が住まう国>を再興させようとする青年ドレッドだったのだ。

 ドレッドはビクティニを捕らえ、そのパワー増幅能力を酷使し、レシラムの武力で「理想」を遂行しようとする。

 サトシは、レシラムのライバルポケモン・ゼクロムの力を借り、それに対抗する。

 ドレッドは、自分のやっていることを悪だとは思っていない。

 しかし、大地の民が故郷を追われたのは、1000年前のことだった。

 1000年の間には、不本意さはあれど、そこに歴史も伝統も生まれる。

 が、「理想」に燃えているドレッドには、「故郷再興」こそが第一命題であり、強硬なやり方に躊躇がない。

 ドレッドは、<大地の剣の城>を浮遊させ、<大地の国>の龍脈(大地復活の要)に城の剣の楔を打ち込むつもりなのだった。

 ドレッドの、作品展開上の立ち位置が、子供向けにしては、非常に難解だった。

 確かに、「ちいさな犠牲はつきものだ」と、ビクティニを虐待しているドレッドは、子供の目には悪に見えるのだが、でも、彼の「理想」は必ずしも悪ではないのである。

 それは、プロローグからの展開を見れば、歴然である。

 う~む、なかなか深い。

   ◇

 さて、ポケモンアクションも良かった。

 序盤のポケモン大会での、レギュラーポケモンたちのバトルも、個性が出ていて良かったし、

 ビクティニの住処に集うポケモンたちも、色っぽい猫や、ツボミ状の赤ちゃんみたいのなど、良かった。

 何よりも良かったのだが、ゴーレムみたいなポケモンだ。

 最後の最後、ゼクロムvsレシラムの間にも、今川泰宏的な演出で割ってはいる大活躍だ。

 町長さんの「大塚署長」みたいな外見や、オートジャイロの活躍など、明らかに、最近の「鉄人28号」や「ジャイアントロボ」を演出した今川泰宏的である。

 また、クライマックスの、成層圏を浮遊する城の表現や、サトシの追い詰め方などは、「ヱヴァンゲリヲン」的である。

 いいことだと思う。

 それが作品の質をあげているのだから。

 今までの、到底かないっこないジブリのエピゴーネン的なエコ表現より数百倍はいい^^

                                                     (2011/07/20)


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2 コメント

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Unknown (犬塚ケン)
2011-07-22 02:01:10
こんばんは。

さて、突然で申し訳ありませんが、
KLY氏のブログ『LOVE Cinemas 調布』にリンクのある全てのブログに、
以下の文章をコピーで投稿させてもらっています。

KLY氏が理由を明白にしないまま、当方のトラックバックを削除し、
皆様へのリンクを断ち切ったので、やむをえずこの様な行動に出ました。
御迷惑であることは重々承知しておりますが、
上の様な事情を御理解いただけると幸いです。

↓『LOVE Cinemas 調布』を取り上げた記事のURLです。
http://nearfuture8.blog45.fc2.com/blog-entry-648.html

↓映画ブログ界に一石を投じるシリーズも御参照ください。
http://nearfuture8.blog45.fc2.com/blog-category-20.html

なお誠に勝手ながら、このコメントに対する苦情は、
当方のブログのコメント欄では受けつけません。
何か御用件があればメールでお願いいたします。

この度は、こちらのブログをお騒がせしたことを、
心よりお詫び申し上げます。
返信する
犬塚ケンさんへ♪ (ミッドナイト・蘭)
2011-07-22 06:03:22
いつも、犬塚ケンさんがどのような映評を書いているか詳しくはないのですが、

いつも、他者とのバトルの構図で書いているのでしょうか?

私も、政治や時事問題を語る段においては、そういう面もありますが、

芸術面を語るときは、楽しい分野なので、論争は避けている次第です。

他ブロガーの名前を出さなくても、評論は出来ます(私も出すときは出す)。

KLYさんとは、もちろん、見方が正反対の時もありますが(例『ブラインドネス』^^;)、

でも、あの人の鑑賞量や、その評論密度、その評論内容の踏み込み度を考えると、一目も二目も置かねばならないブロガーです。

なお、私は、自分が知ってしまった情報以外は、殊更に、パンフレットや何度も見て考えるようなまねはしません。

必要に応じてですが、一度で、判断を下します。

それが、「私個人」の考えです。

おそらく、KLYさんは、論争が面倒なのでしょう。

私も、必要と、「自分」が感じた時以外は、映画で論争はしたくありません。

自分のブログで言い続ければいいんじゃないですかね。

犬塚ケンさんは、「映画秘宝」的なので、あのような傾向のグループと連携を取るのもいいと思う。

私も、かつては「映画秘宝」、好きでしたよ^^
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