☆なかなか完成度の高いバディ・ロード・ムービーではあった。
自宅LAでの妻の出産を五日後に控えた建築家のピーター(ロバート・ダウニー・Jr)が、アトランタでの出張を終え、帰宅しようと向かった空港で、トラブルメーカーとなる俳優志望の男イーサン(ザック・ガリフィアナキス)と知り合い、なんの因果か、二人、陸路でアメリカを横断しなくちゃならなくなる物語。
先ず、特筆すべきなのが、いかにも広大なアメリカを旅するイメージとしてのエピソードがふんだんに盛り込まれている点だ。
これは、イスカンダルへの旅を三泊四日ほどのイメージにしてしまった『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』のスタッフには学んで欲しい作劇テクニックである。
普通なら、アニメのほうが、細かいエピソードを盛り込みやすいのだけどね(『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』はアニメじゃないが)。
伏線は張られていたが、グランドキャニオンや、そして、メキシコ国境までもという旅の「ハレ」を盛り込みつつ、
ガソリンスタンドやデイリー(コンビニ)、バス停でのまったり時間などと言う、旅の「ケ」の部分も忘れていないのが良かったね。
◇
後、昨日観た『キック・アス』に続いて、野郎のオナニーシーンがあったのには笑った。
が、連れがいたので、大爆笑できなかったのが悔しい^^
しかも、後になって、ピーターが友人に「あいつ、二人の車内でオナニー始めやがった!」と愚痴をこぼすと、
その、元アメフト選手の花形だった黒人の友人が「ローションも使わずにか!」と変なトコに引っ掛かり、
ピーターも「ああ・・・!」と普通に答えるのが面白かった。
アメリカのオナニー事情を垣間見せられた^^;
◇
イーサンは、親父の遺灰をインスタントコーヒーの缶に入れて持ち歩いている。
私は、そのような不謹慎なギャグに大笑いするほうで、先ほどの黒人の友人の家にまぬかれ、事情を知らぬ友人が、二人に、イーサンが持参したインスタントコーヒーを二人に淹れて飲ませたときは、私も、ちょうど、ホットコーヒーを口に入れた瞬間だったので、マジで映画の中と同時に吹きだしてしまった^^;
そんな経験ははじめてで、座席の周囲にコーヒーの匂いが漂い、やや顰蹙ものだった^^;
◇
さて、だが、この作品、やや私には不満足だった。
どこが不満だったか?
最近、どちらかと言うと、ボケ役が多かったロバート・ダウニー・Jrが、ツッコミ(振り回され役)を演じ、身体・四肢が徐々に傷ついていくのは面白かった。
・・・ワトソンを振り回す
・・・周囲の者を振り回す、敵も振り回す
◇
問題は、イーサン役のザック・ガリフィアナキスの個性がよく分からないので、見ていて、安心して鑑賞できる心地になれなかった点がある。
意味が分からないかも知れないが、なんちゅうか、このイーサンの奇行の、寄って立つ異常性の土台が、明確にこちらに伝わってこないので、見ていて不安定感が起こり、安心して笑えないのだ。
コメディって、奇矯な人物を描こうとも、そこには、笑うための、奇矯な行動の原理が示され、見ているこちらに安心感が与えられなくてはならないと思うのだ。
イーサンは、最初こそ、イジワルっぽいキャラクターで登場するのだが、次第に天然であることも分かり、なんかホモみたいな歩き方でもあり、演技をさせてみると上手い、ピーターの危機に救出をしてきたりもして憎めないやつなのかなと思うと、ちゃっかしコソドロみたいなこともしている。
お前は、どういう個性を持つコメディ作品上のボケ役なんだよ! と思わせられた。
いや、このようなとらえどころのない人物は実社会にはいる。
が、映画作品上でそれをやられては、作品上において不条理が募るばかりなんだよね。
(2011/01/25)
自宅LAでの妻の出産を五日後に控えた建築家のピーター(ロバート・ダウニー・Jr)が、アトランタでの出張を終え、帰宅しようと向かった空港で、トラブルメーカーとなる俳優志望の男イーサン(ザック・ガリフィアナキス)と知り合い、なんの因果か、二人、陸路でアメリカを横断しなくちゃならなくなる物語。
先ず、特筆すべきなのが、いかにも広大なアメリカを旅するイメージとしてのエピソードがふんだんに盛り込まれている点だ。
これは、イスカンダルへの旅を三泊四日ほどのイメージにしてしまった『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』のスタッフには学んで欲しい作劇テクニックである。
普通なら、アニメのほうが、細かいエピソードを盛り込みやすいのだけどね(『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』はアニメじゃないが)。
伏線は張られていたが、グランドキャニオンや、そして、メキシコ国境までもという旅の「ハレ」を盛り込みつつ、
ガソリンスタンドやデイリー(コンビニ)、バス停でのまったり時間などと言う、旅の「ケ」の部分も忘れていないのが良かったね。
◇
後、昨日観た『キック・アス』に続いて、野郎のオナニーシーンがあったのには笑った。
が、連れがいたので、大爆笑できなかったのが悔しい^^
しかも、後になって、ピーターが友人に「あいつ、二人の車内でオナニー始めやがった!」と愚痴をこぼすと、
その、元アメフト選手の花形だった黒人の友人が「ローションも使わずにか!」と変なトコに引っ掛かり、
ピーターも「ああ・・・!」と普通に答えるのが面白かった。
アメリカのオナニー事情を垣間見せられた^^;
◇
イーサンは、親父の遺灰をインスタントコーヒーの缶に入れて持ち歩いている。
私は、そのような不謹慎なギャグに大笑いするほうで、先ほどの黒人の友人の家にまぬかれ、事情を知らぬ友人が、二人に、イーサンが持参したインスタントコーヒーを二人に淹れて飲ませたときは、私も、ちょうど、ホットコーヒーを口に入れた瞬間だったので、マジで映画の中と同時に吹きだしてしまった^^;
そんな経験ははじめてで、座席の周囲にコーヒーの匂いが漂い、やや顰蹙ものだった^^;
◇
さて、だが、この作品、やや私には不満足だった。
どこが不満だったか?
最近、どちらかと言うと、ボケ役が多かったロバート・ダウニー・Jrが、ツッコミ(振り回され役)を演じ、身体・四肢が徐々に傷ついていくのは面白かった。
シャーロック・ホームズ [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
アイアンマン2 ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] | |
クリエーター情報なし | |
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン |
◇
問題は、イーサン役のザック・ガリフィアナキスの個性がよく分からないので、見ていて、安心して鑑賞できる心地になれなかった点がある。
意味が分からないかも知れないが、なんちゅうか、このイーサンの奇行の、寄って立つ異常性の土台が、明確にこちらに伝わってこないので、見ていて不安定感が起こり、安心して笑えないのだ。
コメディって、奇矯な人物を描こうとも、そこには、笑うための、奇矯な行動の原理が示され、見ているこちらに安心感が与えられなくてはならないと思うのだ。
イーサンは、最初こそ、イジワルっぽいキャラクターで登場するのだが、次第に天然であることも分かり、なんかホモみたいな歩き方でもあり、演技をさせてみると上手い、ピーターの危機に救出をしてきたりもして憎めないやつなのかなと思うと、ちゃっかしコソドロみたいなこともしている。
お前は、どういう個性を持つコメディ作品上のボケ役なんだよ! と思わせられた。
いや、このようなとらえどころのない人物は実社会にはいる。
が、映画作品上でそれをやられては、作品上において不条理が募るばかりなんだよね。
(2011/01/25)
レギュラーコーヒーだったと思います。
それはともかく、軽妙洒脱とまではいきませんが、
なかなか面白かったです。
但し、イーサンの
>異常性の土台が、明確にこちらに伝わってこない
点は同感で、よく理解できないキャラではありました。
何も考えないで、思いついた言葉で書いていました^^;
骨になって踏んだり蹴ったりのお父様でした^^;
>>よく理解できないキャラではありました。
ですよね。
ここさえちゃんとしてくれていたら、いい作品だったのに・・・。