映画の日なので、「スキップ・トレース」に続いて、2本目を観るのだ!
☆・・・ちまたで評価の高いポール・ヴァーホーベン監督作品!
これが観たいから、いちいち、そこでしかやってない立川シネマシティまで来た。
二つの作品に、偶然に一致したことがあるので、まず記しておく。
どちらの作品にも妊娠・出産シーンがあったのだが、両ケースとも、父親とされる人物とは別の父親といたした結果として、明らかにわかる肌の違う赤ちゃんが生まれて来ていた^^;
・・・さて、この人の描く「異常状況」は多分に、その戦争体験にあると言う。
偏った作風の監督だが、観る者に大きなインパクトを残す。
二時間を飽きずに見た。
サスペンスの範疇に入るのだが、「犯人捜し」とか「苦境の打開」とかに、妙齢の女性ミシェルが能動的に動くわけではなく、自分の境遇(過去の父親の重大猟奇犯罪、現在において被ったレイプ事件)に受け身の性格なので、観ているこちらは不安定な気分にさらされ続ける。
多種の性的な局面にミシェルは直面し、そこに、家族と言う、ある意味 相反するものを共生させているので、不安感は更に増していく・・・。
主演のイザベル・ユペールの演技は見事で、美しい人だったのだろうし、この作品の時点でも美しいとも言えるのだが、役柄でも孫が生まれ、節制した生活で顔にふくよかさがないのでギスギスした印象。
それが、エロチックな状況に置かれているのが、ぴちぴちギャルの好きな私にはちょいと共感できる点が少ない。
常に、欧米の性の間口の広さには、マジ敬服する。
ウディ・アレンの映画なんかでも、ハゲオヤジが普通に恋愛してるしさ^^
原作は、私のフェイバリットの一つ『ベティ・ブルー』のフィリップ・ディジャンの小説だそうだ。
私自身が『ベティ・ブルー』に夢中になったころと感受性が変わっただろうし、この作品の物語性ではなく、その感性に共感できることはなかったのだが、
ミシェルの、なんかうだつのあがらない息子の彼女ジョシ―のエキセントリックさに、私はベティの片鱗を見て、私自身が年齢を重ねていることを思わされた。
ジョシ―は癇癪持ちで、おそらくビッチだが、可愛い。
それは、歳を経つつ、性への興味が尽きない、だけども認めたくはない、私とミシェルの共通性の認識へとつながっていく・・・。
(2017/09/02)
性の間口の広さに敬服同感です。