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☆有栖川有栖の作品は、短篇は好んで読むが、長篇は、いまいち派手さに欠けていてそれ程読んでいない(『双頭の悪魔 (創元推理文庫)』は傑作だと思う^^ )。
しかし、この作品は、昨年度の<本格ミステリベスト10・第一位!>だったそうで、講談社ノベルスで出たので購入し、読んでみた。
有栖川作品には、二人の代表的な探偵がいて、いかにも本格な舞台で活躍する探偵が大学生の江神二郎で、やや大衆的な、今なお書き続けられている探偵として、臨床犯罪社会学者の火村英生がいる。
この作品は後者の探偵であり、これまでも、やや派手さに欠ける事件を解決しまくっている^^;
しかし、今回は、<クローズドサークル>である「孤島」を舞台にしている。
古典的な、派手な舞台設定である。
が、事件は地味である。
なのに、なかなかの大著であるにも拘わらず、飽きずにスルスルと読んでしまった。
余韻も深い。
考えるに、節々に、本格ファンを喜ばすような「文法」が充ちているからだろう。
それは、有栖川の「ケレン」ではない。
有栖川の「熟成」である。
普段は本格を読まないような方にとっては、「本格ミステリってこんなものか・・・」と思われちゃう可能性もある。
火村英生は、この作品で、何度となく、名探偵のような所作を見せる。
クールな火村にしては珍しいことなのだ・・・^^;
しかし、どうも、うまくいかない。
難解な「謎」に、珍しく戸惑う火村の姿も見ることが出来る。
そんな姿が見れて、私は嬉しい^^
(2008/12/12)
しかし、この作品は、昨年度の<本格ミステリベスト10・第一位!>だったそうで、講談社ノベルスで出たので購入し、読んでみた。
有栖川作品には、二人の代表的な探偵がいて、いかにも本格な舞台で活躍する探偵が大学生の江神二郎で、やや大衆的な、今なお書き続けられている探偵として、臨床犯罪社会学者の火村英生がいる。
この作品は後者の探偵であり、これまでも、やや派手さに欠ける事件を解決しまくっている^^;
しかし、今回は、<クローズドサークル>である「孤島」を舞台にしている。
古典的な、派手な舞台設定である。
が、事件は地味である。
なのに、なかなかの大著であるにも拘わらず、飽きずにスルスルと読んでしまった。
余韻も深い。
考えるに、節々に、本格ファンを喜ばすような「文法」が充ちているからだろう。
それは、有栖川の「ケレン」ではない。
有栖川の「熟成」である。
普段は本格を読まないような方にとっては、「本格ミステリってこんなものか・・・」と思われちゃう可能性もある。
火村英生は、この作品で、何度となく、名探偵のような所作を見せる。
クールな火村にしては珍しいことなのだ・・・^^;
しかし、どうも、うまくいかない。
難解な「謎」に、珍しく戸惑う火村の姿も見ることが出来る。
そんな姿が見れて、私は嬉しい^^
(2008/12/12)