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『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[個々の抱く思想の、学究に与える影響(2006/10/11の再掲)]

2011-01-11 22:03:46 | 保守の一考
☆・・・眠いので、かつて(2006/10/11)書いた文章を再掲します^^

   ◇

▼最近、ネット掲示板で、高尚に言えば、「教育改革に関しての<徴農>の位置付け」何てことを議論している。

 私はこの通り、一般的な情報と奇特な性格を持ってしか語れないのだが、他の方は博学な知識を披露してくれて、非常に勉強になっている。

 <徴農>は、ニート対策の一環として考えられているが、現行教育制度の結果として、ニート問題が立ち表われている以上は、厳然と「教育問題」だと言える。

 基本的には、私は<徴農>に賛成である。

 基本教育の改革とともに、「今、そこにある教育危機」に際しては、ある程度の「強制性」があってもやむを得ないと考える。

 <徴農>に反対の方は、そこに<教育勅語の復活>こそを掲げる。

 それには異論がなく、まあ、そのままの<教育勅語>の復活は難しいだろうが、そこで示される徳育は重視されるべきである、と私は考える。

 それが「基本教育の改革」の一つとしてあろうが、それとは別の手を現状で打っておこう、と言うことで、<徴農>は一つの手立てであると思うのだ。

 稲田朋美衆議院議員などは「ニートを徴農制で叩き直す」などと、実に爽やかな主張をしてくれている^^

▼で、それはさておき^^;

 <教育勅語>について考えたとき、私は、大学の教職課程で習った講義を思い出すのだ。

 私は、左翼的な傾向の強い大学で習ったのだが、その<教育勅語>を学んだ講義は、実に客観性に満ちたものだったと記憶する。

 現在の教育状況のように戦後民主主義そのものと化してしまった教育こそ受けていないが、そういったものに染まりつつある教育下、<教育勅語>と言うものが日本に悪影響を及ぼし戦争に導いた、と言うイメージは持たされていた。

 それを払拭する程度の客観性に満ちた講義であった。

 私は、それから、「<教育勅語>ってのは真っ当なものだ」と言う意識を持ち、現在に至る。

 で、十数年振りに、そのテキストを開いてみた。

 『教育勅語への道(森川輝紀著・三元社)』・・・。

 冒頭を読んで驚いた。

 そして、講義を受けた先生の名を検索してみた(テキストの著者と同じ)。

 ・・・バリバリの左翼運動家であった。

 ≪・・・勅語に集約される戦前教育の問題性への認識ではなく、その時代から切り離して一枚の文書として彼らがそれを読む時、その一部を評価する傾向を生み出していたといえる。
 戦前の社会、教育の問題性を明確に、説明できない私の力量も関係しているのだが、それでも、彼らが示す勅語への「理解」に何ともいえぬ歯がゆさを感じることになる。・・・≫

 根本的に、この方、文章があまりうまくなく、その思想がダイレクトにこちらに伝わっていなかったが、どうやら<教育勅語>には問題があるとする側の人物だったのだ。

 しかし、批判的言葉は、まえがきとエピローグだけで(その思想たるや、そここそ重問題ではあるが・・・)、その内容たるや、読んでて非常に興味深い教育史の物語であった。

 学者であることに忠実である者は、その思想とは別に、客観的事実を積み上げられるものなのか?

 (先だって、私は、「ノモンハン事件」を考える中で、反日的親ソ連的な思想を持つ(かように括るのは申し訳ないが)と思われる学者・田中克彦氏の著書から情報を得、日本軍に有利な点を抽出してみせたのだが、それが出来たのは、田中克彦氏が学者としての良心を持っていて、多くの情報を開陳してくれていたからである)

 森川先生の主張は、一言でいうと、【理屈で成り立たない天皇の下で作られた教育勅語は問題だ】と言うことらしい。

 この方は、<伝統>とか<慣習><文化>が、時に表層的には不合理に見えることがある、という事に気づかず、そこで思考停止に陥っているのである。

 だが、<教育勅語>、その内容についての是非は言及していないのだ。

 ・・・私は、その講義を受ける中で、無知であったが故に、マイナスイメージから出発し、その内容を知り、<教育勅語>に好印象を持った。

 森川先生の講義を受けて、憤慨する博識な学生もいたかも知れない。

 ただ、その内容の前提とされることに、「思想」と言う名の偏見が混じっている可能性はある。

 例えば・・・、

(この書籍のクライマックスはささやかなる「井上毅vs元田永孚」の構図が面白いのだが、ここでは「田中不二麿vs元田永孚」か)

 ≪・・・しかし、彼の理想は一八七八(明治一一)年後の複雑な政治情況の中で翻弄され続けることになる。何よりも徳育は家庭教師を原則とすべきとした田中の近代的徳育論に、天皇側近の元田永孚等は激しく反発していた。大久保利通の横死の後、明治政権を主宰する伊藤博文も、民権思想、民権運動への対決を強める中で、自由主義的教育行政の引き締めをはかることになる。明治政権を構成する両翼の潮流に押し出され、彼は文部省から去らざるを得なくなるのであった。しかも、以後の教育の歴史の中で、田中文政に光があてられることは稀なことであった。アメリカかぶれの自由主義教育論者として国家主義教育の対極に位置づけられ、その失政の責任を問題にされるのであった。近代教育の草創期、岩倉使節団の理事官として欧米教育制度全般を詳細に調査し、教育の自治、教育の自律主義に依拠した彼の改革論は、忘れ去られていくのであった。・・・≫

 かなり客観的な文章だが、やや元田永孚にエキセントリックさが付加されているように感じる。

 この本全体、元田永孚のイメージとして、そんな風が感じられる。

 そこが、この本の「前提」としてある。

 例えば、その前提が覆させられてしまうのなら、この本の客観性は消滅してしまう・・・。

▼・・・それは、今後の読書で分かろう^^

 最近、多くを学ばせて頂いている先生に、皇學館大學の新田均先生や松浦光修先生がいるが(そのサイト http://hikarinotsudoi.cool.ne.jp/)、その著書から今後、きっと答えが得られよう。

 特に、新田先生の『「現人神」「国家神道」という幻想(PHP刊)』は、上記の書と真っ向から対立する内容である可能性も大きい。

 ・・・いや、新田先生は、保守側でありながら非常に非情な論理家でもある。重なる点も多いのではなかろうか。アプローチの方向性の違いでしかないのかも知れない。

 その著書は後日紐解く。

 なお、この新田先生の著書は、【戦後民主主義で培われてしまった「前提」破壊の書】である。

 ・・・新田先生の著書『一刀両断 先生、もっと勉強しなさい!』などでは、<開放の先駆者・西光万吉氏に学ぶ>との一文を設け、対立する側の祖から偏見なく学んでいるのである。

 それが、【学者としての良心】であろう・・・。

▼いやはや・・・。

 大学ゼミの時代の先生に(「恩師」と呼べるほどの迷惑さえかけられず・・・)外間守善教授がいた。

 大嘗祭にも出席し、学習院にも講義を持っており(当時)、多くを語らないが保守的な人物と思っていた。

 何よりも、その講義内容に、左翼的な奇麗事がなかった。

 しかし、最近、『私の沖縄戦記(角川書店)』と言う著書を出した。

 この本が、かなりの左翼的表現に彩られていた。

 凄まじい違和感。

 ショックだった。

 かような思いを内に秘めて、戦後60年を生きてきたのだろうか?

 ・・・いや、違うような気がする・・・。

 目の前の「若者」の主張を、自分の経験にフィードバックさせてしまった結果のように思えるのだ。

 ≪・・・二十世紀は戦争の時代だった、とよく言われる。その戦争の真っただ中に青春の時期を過ごし、偏ったイデオロギーのもとで自由を奪われてきた私は、失われた多くの学友や戦友たちの死をむだに埋もれさせたくないと心から思う。彼らの流した血や遺族の涙が平和の種子となって二十一世紀に花を開いて欲しいと願う。事実、東西ドイツ、南北朝鮮半島、新しい中国、新しいベトナム、南太平洋島嶼の小国家群など世界は若者の力で現実にみあう思想を生み、新しい時代を構築しつつある。現地を訪ね、若者たちと話しあってみての私の実感である。・・・≫

 ・・・・・、・・・・・。

 文章は、この後も、<アジア連合>への夢を語り、ちゃんと「北朝鮮」を国名羅列に並べるのである・・・。

 その国は、特に日本(だけ)を標的に、核実験をしたようですよ・・・。

 いや、核実験しなくったって、その国は、まともな対応など金輪際出来ないキチガイ国家ですよ・・・。

 外間先生、人質でも取られてしまっているのか?

 思想が、学問の探求に与える影響は、いい面もあり、悪い面もあるようです・・・。

                                                     (2006/10/11の再掲)

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