☆向っているのは、<鳥海ダム>予定地だ。
途中、鳥海山の樹海に入り込みそうになった私は、遭難の危険を恐れ、大きく、北ルートから迂回することにした。
<鳥海ダム>は、民主党の小沢に賄賂を贈った西松建設受注のダムで、民主党の公共事業凍結の嵐の中でも建設中の巨大ダム群の中でも、「調査中」とされているものの一つだ。
「調査中」とは意味が分からないが、今回の「ダム・ファッカー」を読んで頂ければ分かる。
凍結対象ではないのである。
だが・・・。
◇
主要地方道56号線を北東に車を走らせる私だったが、途中で、南に進路を変えなければ、<鳥海ダム>には行けない。
だが、どうも東北、工事が多いのである。
これは、おそらく、東京での年度末に道路工事が多いのと理由は同じだろう。
・・・予算の使い切りである。
つまり、東北は、年度末には積雪の季節になってしまうので、まさに今、11月が、「年度末」の意味合いを持つのだろう。
てな訳で、とりあえず、<猿倉温泉>の方に向えば<鳥海ダム>に近いと思われたが、そこには工事による道路閉鎖で行けなかったので、更に北を迂回する。
南への比較的大きい道があったので、そこを進むと、集落に至った。
奥さんが農作業をしていたので、私は車を停めて、「この先は、どこかに抜けるのですか?」と問う。
すると、奥さんは、「ここは行き止まりだよ。どこに行くの?」と聞いてきたので、地図を示しながら、説明すると、「<鳥海ダム>は知らないけど、<法体の滝>なら、うんと戻って橋を渡ったら右だよ」と教えてくれた。
もっと北を迂回しなければならなかったのだ。
・・・と、私は視線を感じた。
振り向くと、その農地の母屋の方から、男が眼光鋭く私を見ていた。
おそらく、奥さんの旦那なのだろう。
「心配しなさんな、私はロリコンだす、人妻には興味がない・・・^^;」
奥さんに礼を言い、その場をそそくさと去った。
◇
主要地方道70号線を南下、おって、<法体の滝>へ右折する。
田舎道を進む。
両側を山に囲まれた盆地状の農村だ。
路肩のススキが、日に照らされて揺れている。
ともあれ、<法体の滝>に着いた。
ここは、昨年公開の駄作『釣りキチ三平』のクライマックスシーンが撮られた場所だそうだ。
確かに美しい滝だ。
水も恐ろしく澄んでいた。
・・・あまり綺麗に撮れてなくてすいません^^;
・・・これが映画の状景ですね。
冬季なので閉店していたが、売店の自動販売機で、私は缶コーヒーを買った。
付近には、軽トラで乗りつけた男がいて、一服していた。
「すいません」と、私は声をかけた。<鳥海ダム>ってどこにあるんですか、建設中と聞きましたが?」
すると、男は、キョトンとした顔をしたが、私が地元の者でないとすぐに合点が行ったらしく、優しく微笑み説明してくれた。
「テレビとかでやっていただろ? 中止になったんだよ」
「・・・全く造られていなかったんですか?」
「ああ、手をつける前だった。通ってきただろ、そこが湖になる予定だったんだよ。モモヤケが」
「モモヤケ・・・? 百宅(ひゃくたく)と言う字ですよね」
「ああ、両側が山だっただろ? あそこを堰き止めてダム湖にする予定だった」
「・・・もし、ダムが出来ていたら、<法体の滝>も沈む予定だったのですか?」
「いや、ここは、残る」
そう言うと、男は去って行った。
ふ~む・・・、私は納得した。
小沢一郎の指示下にあるダムは、そのほとんどが建造継続されている。
だが、この<鳥海ダム>は、全くの着工前であった。
しかし、小沢一郎の指示下である為に、政府は「凍結」とは言えなかった。
故に、「調査中」とされていたのだ。
◇
私は、道を戻った。
<百宅>の集落・・・。
ここが、湖の下になる予定だった。
幻の<鳥海ダム>予定地
先ほどまで背景であった村が、急に意味ありげに、私の目に映るのだった。
・・・百宅地区は、標高400メートルで、落ちのびた平家一族の隠れ里と言う言い伝えがあり、マタギの里としても有名なのだそうだ。
そんな説明の看板を読みつつ、村を通り抜けていたら、私はギョッとさせられるのだった。
重装備の農作業のおばさんが歩いていた。
なんと言おうか、イスラムの女性の、一番戒律の厳しい「ブルカ」のような格好であった。
しかも、上下真っ白の装束なのである。
私は、宇宙人かと思ってしまった^^;
◇
旅は続く・・・。
(2010/01/18)
途中、鳥海山の樹海に入り込みそうになった私は、遭難の危険を恐れ、大きく、北ルートから迂回することにした。
<鳥海ダム>は、民主党の小沢に賄賂を贈った西松建設受注のダムで、民主党の公共事業凍結の嵐の中でも建設中の巨大ダム群の中でも、「調査中」とされているものの一つだ。
「調査中」とは意味が分からないが、今回の「ダム・ファッカー」を読んで頂ければ分かる。
凍結対象ではないのである。
だが・・・。
◇
主要地方道56号線を北東に車を走らせる私だったが、途中で、南に進路を変えなければ、<鳥海ダム>には行けない。
だが、どうも東北、工事が多いのである。
これは、おそらく、東京での年度末に道路工事が多いのと理由は同じだろう。
・・・予算の使い切りである。
つまり、東北は、年度末には積雪の季節になってしまうので、まさに今、11月が、「年度末」の意味合いを持つのだろう。
てな訳で、とりあえず、<猿倉温泉>の方に向えば<鳥海ダム>に近いと思われたが、そこには工事による道路閉鎖で行けなかったので、更に北を迂回する。
南への比較的大きい道があったので、そこを進むと、集落に至った。
奥さんが農作業をしていたので、私は車を停めて、「この先は、どこかに抜けるのですか?」と問う。
すると、奥さんは、「ここは行き止まりだよ。どこに行くの?」と聞いてきたので、地図を示しながら、説明すると、「<鳥海ダム>は知らないけど、<法体の滝>なら、うんと戻って橋を渡ったら右だよ」と教えてくれた。
もっと北を迂回しなければならなかったのだ。
・・・と、私は視線を感じた。
振り向くと、その農地の母屋の方から、男が眼光鋭く私を見ていた。
おそらく、奥さんの旦那なのだろう。
「心配しなさんな、私はロリコンだす、人妻には興味がない・・・^^;」
奥さんに礼を言い、その場をそそくさと去った。
◇
主要地方道70号線を南下、おって、<法体の滝>へ右折する。
田舎道を進む。
両側を山に囲まれた盆地状の農村だ。
路肩のススキが、日に照らされて揺れている。
ともあれ、<法体の滝>に着いた。
ここは、昨年公開の駄作『釣りキチ三平』のクライマックスシーンが撮られた場所だそうだ。
確かに美しい滝だ。
水も恐ろしく澄んでいた。
・・・あまり綺麗に撮れてなくてすいません^^;
・・・これが映画の状景ですね。
冬季なので閉店していたが、売店の自動販売機で、私は缶コーヒーを買った。
付近には、軽トラで乗りつけた男がいて、一服していた。
「すいません」と、私は声をかけた。<鳥海ダム>ってどこにあるんですか、建設中と聞きましたが?」
すると、男は、キョトンとした顔をしたが、私が地元の者でないとすぐに合点が行ったらしく、優しく微笑み説明してくれた。
「テレビとかでやっていただろ? 中止になったんだよ」
「・・・全く造られていなかったんですか?」
「ああ、手をつける前だった。通ってきただろ、そこが湖になる予定だったんだよ。モモヤケが」
「モモヤケ・・・? 百宅(ひゃくたく)と言う字ですよね」
「ああ、両側が山だっただろ? あそこを堰き止めてダム湖にする予定だった」
「・・・もし、ダムが出来ていたら、<法体の滝>も沈む予定だったのですか?」
「いや、ここは、残る」
そう言うと、男は去って行った。
ふ~む・・・、私は納得した。
小沢一郎の指示下にあるダムは、そのほとんどが建造継続されている。
だが、この<鳥海ダム>は、全くの着工前であった。
しかし、小沢一郎の指示下である為に、政府は「凍結」とは言えなかった。
故に、「調査中」とされていたのだ。
◇
私は、道を戻った。
<百宅>の集落・・・。
ここが、湖の下になる予定だった。
幻の<鳥海ダム>予定地
先ほどまで背景であった村が、急に意味ありげに、私の目に映るのだった。
・・・百宅地区は、標高400メートルで、落ちのびた平家一族の隠れ里と言う言い伝えがあり、マタギの里としても有名なのだそうだ。
そんな説明の看板を読みつつ、村を通り抜けていたら、私はギョッとさせられるのだった。
重装備の農作業のおばさんが歩いていた。
なんと言おうか、イスラムの女性の、一番戒律の厳しい「ブルカ」のような格好であった。
しかも、上下真っ白の装束なのである。
私は、宇宙人かと思ってしまった^^;
◇
旅は続く・・・。
(2010/01/18)
その重装備の農作業着を、【はんこたんな】といいます。
意味は・・・知らんです。
なんでそんなに重装備なのかなあと考えたんですが、風が強いからでしょうかね。
阿部公房の「砂の女」の舞台も、あの辺ですから。
【はんこたんな】ですか、音からも意味が読み取れませんね。
思えば、私、いい季節に旅したと思います。
寒いですが、車に乗り込めば問題なかったですから、却って、外に出ると、寒さで空気が新鮮でした。
もうちょい遅かったら、この盆地も雪景色だったのかな。
マタギの看板を見ていたら、地元のおじいさんが、私を不審気に見て通り過ぎていきました^^;