井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

帰路・パリャンへ 1

2006-10-02 21:20:10 | カイラス巡礼・旅行記
6月15日

 朝、目を覚ますと窓の外から見える山が真っ白になっています。
道理で昨夜は寒かったはずです。
昨夜は朝方まで布団の中で寒さのため丸まって寝ていました。


 駐車場に見慣れない緑色のバスが止まっています。
私が寝る前に外へ出たときもこのバスは止まっていませんでした。
よく見るとラサから走ってきたバスのようです。
しばらく見ているとバスの乗客が集まってきます。


顔を見ると結構ご老人といった人達です。
それらの人達が大きな荷物を持ってバスの周りに集まってきますが
大きな荷物は布団やマットのようです。これらはバスの上に積むようです。

ジョーがおばあさんに話しかけます。
「カイラッシュ?」と聞くと皆さんうなずいています。
どうやらカイラス山へ向かう人達のようです。

 私達もいつもの朝食を済ませて今日からは今まで走ってきた道を戻ります。
今日はパリャンまで戻ることになります。


一番右端の人がチベットのエージェントでブダイさんです。
その左にいる人が私達の運転手、ウェイさんです。


 10:10分、パルガを出発します。
パルガから15~20分ほど走ったところで見覚えのあるタルチェが
たくさんある場所に着きます。
そうですここはチャンガセと聞いた場所です。
タルチェの周りを右回りに1周してランクルが止まります。

ほんの数日前にこの場所からマナサロワール湖を初めて見たのですが、
その時と同じ光景が目の前に広がります。

右手にマナサロワール湖を見ながら後ろを振り返ると
カイラス山が見えるはずなのですが今は雲の中です。
この先、この景色の前に立つことがあるのかと思うと
ジーンと来るものがあります。
この光景を納めるために最後のシャッターを切ります。

 これで、私のカイラス山コルラがすべて終わります。

 ランクルの中でこれでカイラス山やマナサロワール湖とは
お別れだと思うと一抹の寂しさが湧いてきます。
しかし、ここはまだまだ4千メートルを超える高地ですので
カトマンズへ着くまで気を抜くことは出来ません。
私は、ただただ車窓からの光景を目に焼き付けるように見いっていました。




途中で遊牧民の家族に会いました。
民族衣装を身にまとい、私達のランクルへ近づいてきます。
子供の愛くるしい顔を見ると、健やかに育っているようです。
このような高地で何もないような所でも人間の営みが
しっかりと行われています。
ここに比べると日本は格段に恵まれているはずなのですが
この家族より幸せといえるのでしょうか?