G20、大阪は大変ですねえ。学校も休みになるのにはびっくりしました。その中で、夕食会での安倍首相の挨拶がまたまた問題に。大阪城再建の失敗は、エレベーターをつけたこと云々。うけをねらったんでしょう。しかし、首相のスピーチってご自分でお考えになるんですかね。部下が原稿をつくるように思うのですが…。まあ適当にアレンジするのかも知れませんね。部下が作成したとしたら、その部下はたいそう叱られそうですねえ、まったく。クビになったり…(笑)。
ということで、今回はクリスチャン・ツィメルマンであります。以前に、チケットが買えなかったことを述べました。まあ、人気のあることは間違いないですねえ。現在のピアニストの中でも、アルゲリッチとポリーニを横綱にするなら、シフとこのツィメルマンはさしずめ大関か、ってとこでしょうか(なんで相撲になぞらえるか?)。過日のプレトニョフは前頭筆頭クラス、内田さんは小結。いやはや、そんなランクづけはまあいいとして…。
それで、最近ツィメルマンのCDを聴きました。シューベルトの即興曲。いいなあ、と思い、他にはと思ったら、そうそうショパンのバラードがあるぞ、あれはよかったな、と思いだしたのでありました。とはいうのもの、この人の演奏、CDではどんな曲が聴けるのだったかな、と思うと、あまり、浮かんでこない。それで少し調べてみると、ピアノ独奏曲はそれほどないのですね。これに比べて、協奏曲はけっこう多い。カラヤンとグリーグとシューマン、バーンスタインとベートーヴェンとブラームス、小澤さんとラフマニノフにリスト、ブーレーズとバルトークとラベル、ジュリーニと、そして自ら振ったショパン、などなど。独奏曲では、ショパンはこのバラードのみ、シューベルトも即興曲とソナタ1枚のみ。そんなもんなんですね。ベートーヴェンのピアノ・ソナタや、ショパンの他の曲、そして協奏曲ではモーツァルトなども聴きたいですがねえ。1956年のお生まれですので、もう63ですか。協奏曲もかなり以前の録音(指揮者の多くはもうかなり前にお亡くなりになっている人)なので、最近は録音は少ないようですねえ。このバラードも1987年7月の録音ですから、もう30年以上前のものであります。
ツィメルマンのピアノは、なんと言ってもピアノの色彩美でしょうねえ。実に美しいし、特に曲のどこの音をとっても、磨きぬかれたピアノの美に唸ってしまうほどです。ご自分でピアノも調整されるそうで、とにかく彼の弾くピアノは混じりっけがなく、純粋で、これぞ極上のピアノなのでありました。そして、ショパンにおいては、その豪華絢爛な色彩とスケールの大きな表情にあふれており、これぞショパンと思ってしまうし、これ以上のショパンがあろうかと思うのでありました。
しかし、ピアノがきれいで見事な技巧だけで、ショパンは十分なのか。そこがいつも問題になるところなんですねえ。例えばルービンシュタインの演奏も素晴らしいのですが、やたら健康的な印象があるのです。例えば、第1番は、非常に良く考えられた演奏ですし、聴かせどころなどのツボもきちんと押さえて、表情に振幅も大きく、我々に極上の素晴らしさを与えてくれています。第2番と第3番も、澄んだピアノで輪郭が明確で、弱音の美しさもいい。表情に変化も鮮やか。第4番がある意味最も難しい。しかし、ふたつの主題、特に第2主題が繰り返されていく中で、その微妙な表情や音色の変化はなかなか聴かせるところであります。そして、その世界にとっぷり浸る快感は、他には比類なきものでありました。やはり、美音と考え抜かれた演奏と技巧で、大満足でありました。
しかしこの人、日本がお気に入りとかで、家もあるので、日本での演奏会も多いのですが、できればCDをもっと出してほしいものです。まあ、あまりそういうのが好きではないのかも知れませんがね。
(DG 423 090 2 1994年 輸入盤)
ということで、今回はクリスチャン・ツィメルマンであります。以前に、チケットが買えなかったことを述べました。まあ、人気のあることは間違いないですねえ。現在のピアニストの中でも、アルゲリッチとポリーニを横綱にするなら、シフとこのツィメルマンはさしずめ大関か、ってとこでしょうか(なんで相撲になぞらえるか?)。過日のプレトニョフは前頭筆頭クラス、内田さんは小結。いやはや、そんなランクづけはまあいいとして…。
それで、最近ツィメルマンのCDを聴きました。シューベルトの即興曲。いいなあ、と思い、他にはと思ったら、そうそうショパンのバラードがあるぞ、あれはよかったな、と思いだしたのでありました。とはいうのもの、この人の演奏、CDではどんな曲が聴けるのだったかな、と思うと、あまり、浮かんでこない。それで少し調べてみると、ピアノ独奏曲はそれほどないのですね。これに比べて、協奏曲はけっこう多い。カラヤンとグリーグとシューマン、バーンスタインとベートーヴェンとブラームス、小澤さんとラフマニノフにリスト、ブーレーズとバルトークとラベル、ジュリーニと、そして自ら振ったショパン、などなど。独奏曲では、ショパンはこのバラードのみ、シューベルトも即興曲とソナタ1枚のみ。そんなもんなんですね。ベートーヴェンのピアノ・ソナタや、ショパンの他の曲、そして協奏曲ではモーツァルトなども聴きたいですがねえ。1956年のお生まれですので、もう63ですか。協奏曲もかなり以前の録音(指揮者の多くはもうかなり前にお亡くなりになっている人)なので、最近は録音は少ないようですねえ。このバラードも1987年7月の録音ですから、もう30年以上前のものであります。
ツィメルマンのピアノは、なんと言ってもピアノの色彩美でしょうねえ。実に美しいし、特に曲のどこの音をとっても、磨きぬかれたピアノの美に唸ってしまうほどです。ご自分でピアノも調整されるそうで、とにかく彼の弾くピアノは混じりっけがなく、純粋で、これぞ極上のピアノなのでありました。そして、ショパンにおいては、その豪華絢爛な色彩とスケールの大きな表情にあふれており、これぞショパンと思ってしまうし、これ以上のショパンがあろうかと思うのでありました。
しかし、ピアノがきれいで見事な技巧だけで、ショパンは十分なのか。そこがいつも問題になるところなんですねえ。例えばルービンシュタインの演奏も素晴らしいのですが、やたら健康的な印象があるのです。例えば、第1番は、非常に良く考えられた演奏ですし、聴かせどころなどのツボもきちんと押さえて、表情に振幅も大きく、我々に極上の素晴らしさを与えてくれています。第2番と第3番も、澄んだピアノで輪郭が明確で、弱音の美しさもいい。表情に変化も鮮やか。第4番がある意味最も難しい。しかし、ふたつの主題、特に第2主題が繰り返されていく中で、その微妙な表情や音色の変化はなかなか聴かせるところであります。そして、その世界にとっぷり浸る快感は、他には比類なきものでありました。やはり、美音と考え抜かれた演奏と技巧で、大満足でありました。
しかしこの人、日本がお気に入りとかで、家もあるので、日本での演奏会も多いのですが、できればCDをもっと出してほしいものです。まあ、あまりそういうのが好きではないのかも知れませんがね。
(DG 423 090 2 1994年 輸入盤)
さて、ツィメルマンですか。私も、このCDは所有しています。硬質のピアノ音ですが、同じ硬質でも、ポリーニとは、少し、温度感が、異なる気がします。ポリーニは、あくまでも、ひんやりしますが、ツィメルマンは、温かみを、感じます。まあ、現在のポリーニは、温かみや、肉付きのある音に、変わってきていますが。
実は、ツィメルマンとの出会いは、CD初期にあります。まだ、グラムフォンのCD(輸入盤)が、4200円の頃、ブラームス/ピアノ協奏曲第1番(バーンスタイン指揮)を、購入しました。当時の、4200円は、高額でした。国内盤が、3800円の時ですから、よく、買えたと思います。そして、あの、凄まじい、出だしの、びっくりしました。LPでは、味わったことない、音響でした。勿論、バーンスタインの演奏が、迫力満点だったからです。あくまでも、透明で、冷静な、ピアノ音が、ツィメルマンの演奏でした。それから、彼のCDは、色々と集めていきました。確かに、独奏曲は、少ないと思います。ドビュッシー/前奏曲全曲、リスト/ロ短調ソナタなども、好きなCDです。本当に、ベートーヴェンや、モーツァルトなども聴きたいですが、やはり、ショパンが、もっと、聴きたいものです。
先日、いつ買ったのかは、覚えていないのですが、グラムフォンの、ホームコンサート・シリーズという、いわゆる、クラシック入門用のCDの中に、ショパンの有名曲を集めた、ものがありました。よくある、CDですが、その中に、ツィメルマンの演奏が3曲ありました。なんと、ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」、第6番「子犬」、第9番「別れ」です。詳しい録音データはないのですが、アナログ(70年代?)と思われる、初期の録音のようです。この3曲が、実に良い演奏で、硬質で、クリスタルのような、透明感があります。ツィメルマンの、ショパン/ワルツ集のCDは、見たことがありませんが、恐らく、廃盤になり、あまり、世の中に出回っていないのかも、知れません。中古店で買った、このCDは、私の宝物になりました。
ご紹介の、バラードも、ツィメルマンらしい、良い演奏です!