花嵐が嘘のような、青空である。
夫と朝食を終えたとき、突然ドアが開いた。 びっくりした。
「かんた今日から制服やねん」 保育園、年少さんになったので制服になり見せに来たのだ。
「そっかかんちゃん、かっこいい!」 照れて中々写真を撮らせてくれない。
今日はみんな元気に始業式を終えたようだ。 あ~ほっとした。
明日、長女は香港へ立つ。
チューリップも咲いているが、小学校の桜もまだ残っていて、親たちはそんな下で写真を撮ったはず。
「ばぁば~!」 大きな声がして、制服にランドセルを背負ったひろとが部屋に入って来た。
「わ・・ひろと~おめでとう!」 そう言うなり、涙があふれて止まらなかった。
「ばぁば、一発で泣いてるやん」ひろとに言われた。
学校が違うので、少しして制服姿のなつめもランドセルを背負って入ってきた。
また涙があふれてきて止まらない。
保育園生活が長かったひろと、生まれたことだけでも奇跡だったなつめ・・
みんながそのことに思いを馳せながら、熱だなんだと事あるごとにあずかり送り協力し合って、それといつも何度も
成長の過程で祝ったり、四季を通じてみんなが楽しんできたそんな歳月。
ただごとでなかったその成長は、誰にとっても感慨深いものがある。
「ご飯の前に写真!写真!」
入学式で、そしてあと何度も写真を撮ったであろう2人、いい加減お疲れ。
「こっち向いて!」 「ランドセルに手をかけて!」 「笑って!」 色々な注文にぴかぴかの一年生は・・
「ばぁばも一緒に撮って~!」 みんなが入れ替わり記念撮影。 あ~夫が気の毒。
愛ちゃんのお里から送られてきたそば粉で、昨夕夫が打ったおそばとお寿司でお昼にした。
「前のよりおいしい!」 ひろとが言った。 分かるのだろうか、新しいそば粉、それに夫も段々手慣れてきたし。
食事の後娘3人となつめ、女子チームはららぽーとへショッピング。
ひろとは家に残ると言い、かんたと男子チームは私とお留守番。
ゆいちゃんは保育園で可哀そうだけど、愛ちゃんにしてみれば両手のあいた買い物はまぁないので嬉しいに違いない。
娘たちがそんな時間を過ごしていると思うと、とても嬉しい。 長女のお陰である。
ゆいちゃんを迎えに行ってまた我が家へ戻ってきた。 夫にもランドセルを見せるために。
夫の笑顔は言うまでもない。 そして「前のよりおいしい!」 ひろとのおそば評には目じりをいっそう下げた。
せかっくだけど夫は卓球仲間の夜桜お花見で出かけて行ったので、お風呂は次女が4人入れてくれた。
お昼間料理を作っていたので夕食もまたみんなでにぎやか食べた。
近くにいるお陰で、「食べて帰り~」 こんなことが簡単に言える日常にしあわせを感じる。
大きな節目、保育園から小学校・・6年間、大切な成長のとき、みんなで助け合って越えて行こう。
おめでとう・・2人の制服姿、何度見てもうるうるきてしまう。
(あのひろとがね・・あのなっちゃんが・・ね)
いよいよ卒園式。
ここへ来るまでには、歌の練習や式の練習で声を枯らしたり、熱が出たり・・卒園児側のお世話係次女まで熱が出たり・・。
なんとか当日を迎えることができた。
式が始まるまでに、グランドピアノの演奏で色々な曲が流れた。 もうこれだけで胸がいっぱいになる。
いよいよ開式。 最後になる園歌、「のんのんののさま みてござる・・」
卒園証書授与。 練習通り、緊張な面持ちで授与。
皆勤賞、精勤賞の表彰、なつめは精勤賞を受けた。 親子二代で卒園した人もいて、表彰された。
園長先生の挨拶の中で、先生が10歳のときにお父さんが保育園をたちあげて、60年・・60回目の卒園式。
いじめとけんかの話をされた。 けんかはいいが、いじめは絶対にいけないと言うお話。
「分かりましたか?」 「は~い」
後援会代表のお母さんの謝辞も涙涙。
幼稚園とはまた違い、働きながら朝からバタバタ、仕事帰りのお迎えと大変な中での保育園、感慨無量である。
先生方への、イニシアルの入ったタオルハンカチやお花のプレゼント。
年長組で見ていただいた先生の挨拶。
もう会場すべての人たちの涙だった。 誰にも言っていないけどと、おなかに赤ちゃんがいることを告げられた。
そんな中で、いつも明るくパワフルな先生、感動もの。 仕事ではない、これこを聖職である。
親とて1人2人の子供に手をやいているのに、そんな子供たち40人を細やかに、優しい目線で見てくださった。
もう涙でカメラを持つ手が震える。 パパもママも誰もが、きっとそうだと思った。
在園児の送辞、卒園児の答辞、とても可愛かった。 卒園児の成長を感じた。
卒園児が「未来へ」を歌い、在園児が「花は咲く」の送る歌。
最後はお別れの歌、「未来への帰り道」を歌った。
最後に、父兄の役員と園児からの感謝のサプライズ。
「ピンク帽子のドレミファソ」の歌を、指導主任の先生と役員で園バージョンで園長先生をはじめ先生方の
名前を入れて替え歌を作っていた。
パンフレットを作って手渡し、歌で感謝を表すと言うプレゼント。 仕事で忙しいママたち、長女が作成。
主任の先生と卒園児は、担任の先生に内緒で歌の練習をしていたのだ。
会場はひとつになっていた。 感動の渦の中を卒園式は終わった。
教室へ帰ったとき、男の子も女の子も号泣している子が何人もいた。 なつめも号泣していた。
園庭で、お世話になった先生と写真撮影。
なつめは3年間お世話になった先生みんなへ、手紙を書いて渡していた。
行きたくないとなつめがかたくなに拒否し、親子してけんか腰や泣いた日もあった。
同居していたので無理に行かせることもないだろうと思いながらも、次女の思いに合わせて私も泣いた日。
次女がなつめを出産したとき、前置胎盤で行きつけの病院では親子とも助けられないと言われて、救急車で
大病院へ搬送、私は展君や長女と救急車を追いかけながら、(次女の命だけでも助けてください)と祈った。
手術する人の時間が延びていて、そんな所へ運ばれ到着後手術、無事生まれた。
集中治療室に入り、自分で呼吸することもできず、保育器の中で身動きもせずいっぱいのチューブをつけたなつめの姿、
後30分遅ければ、母子ともに助からなかったと言われ、なつめには脳に障害が起きるかも知れないと言われた。
そんななつめが、保育器の中で身体を動かしたのを見た時には涙が止まらなかった。
(生きていてくれた・・)その感激とともに、先生の言葉でこれから先の覚悟のようなものが頭の中でめぐっていた。
何度か脳波を撮ったが、異常がなかった。 奇跡かも知れない。
なつめが退院して、次女と全く同じ状態で出産した方の2人のお子たちの状況をTVで偶然にもやっていた。
24時間つきっきりで目が離せない障害が残っている状態と言う事実。
なつめが生まれた7月25日は大阪は天神祭の日、そして25日は義父の月命日だった。
64歳と言う、今年私たちが迎える年齢で他界された義父の短い人生。
その義父の命をなつめはもらったのではないだろうか、きっとそうだと私は思っている。
夫婦はもちろんのこと、近くに住まいする兄弟みんなに見守られ、協力し合いながら成長し、今保育園を巣立つ。
あまり休むことなく、元気に精勤賞をもらった。 本当に奇跡の子かも知れない。
まるで双子のような姉妹、長女そしてバックに香港のセイ君のお陰であることもただ事ではない。
おめでとうなっちゃん!
証書、文集やアルバム、大切な園の思い出はいっぱい。
心斎橋のケーキやさんの、ケーキ。 協力しあったご家族でお祝い、と言うのだろうか。
6年間通ったひろともそうだったが、なつめの3年間も近くにいて助けてやれた幸せを思う。
さぁ、4月は1年生!
昨日はバレンタインで大安だったので、お雛さま関係の人形を玄関や部屋に飾った。
これは実家の兄嫁さんの手作り、昨年送って下さったものである。
あいちゃんから昨夜電話があり、ひろとの入学の買い物で友達と出かけるので、ゆいちゃんをあずかることに。
夫と市立中央図書館へ行く予定だったので、迎えに行ったその足で行った。
おとなしくしているはずはないだろうが、とりあえず駄目もとで・・10時過ぎ・・
駐車場待ち、館内に入ってこんな時間から多くの人が来ているのには少し驚いた。
ゆいちゃんは案の定パタパタ絨毯の上を走りまわり、読書している人が振り向き・・あわてて「シー!! 静かに」
夫が借りるCDを選んでいる間、AVコーナーでゆいちゃんが選んだ「のんたん」のビデオを見た。
地下1階から地上3階まで、約30万冊の本、15日間で1人8冊借りられる。
ビデオやDVD,カセット等も多い。 館内でも視聴が出来るブースが沢山あってCDを聞いたりDVDを見ている。
港図書館しか行った事なかったので、これはまた来る価値大いにあり・・無料ですもの利用しなくては!
それに返却は地元の港図書館でもいいのだ。
市立中央図書館 大阪市西区北堀江4-3-27
夫が次に連れて行ったのは、我らの庭大阪港中央突堤のウッドデッキ。 ここは慣れているので、走りだしたら止まらない。
膝や腰やと健全ではない2人は、走ってついて行けない! ゆいちゃんは止まる・・と言う事が、まぁない。
<老人と海・・ではなく腰がちょっと悪い老人と孫 >
ここにある古い建物上屋の使用をやめて、美しい夕日を感じる緑地公園になるそうだ。
そうなったらもうみんなで釣り・・は出来ないだろうなぁ。 でもきれいな公園になるのは大賛成!
昨年の今頃は、子守で毎日一緒に遊んでいたが、入園してはや1年あまり・・随分と変わった。
しっかりと言うか、丈夫になったと言うか。 ひろとに鍛えられたのか、負けない位やんちゃである。
この前夫が、「愛ちゃんらうちへ泊まったことないやろ、一回泊まったらええのに」
愛ちゃんにんこの間伝えたら、笑いながら「ゆいちゃんだけお願いします」と言った。 正解かも?
手をつないで無かったら、いつまでも走る、飛んだり跳ねたりしている。 ついとかないと危ない。
夫は結構のんびりだ、怪我でもさせたら・・と、私は神経を張り巡らせているのに。
しかし、声も良く通る、良くしゃべる、笑う、元気、これが一番!
せっかくの笑顔なのに、じっとしないのでぶれぶれ・・残念!
府民共済加入者の今年第6回の”こどもの笑顔”写真コンテスト、入賞を狙おうと思っている。
「頼む・・」
今日はたまった記事10日分少しでも書こう、ゆいちゃんも良くなったし・・と思った朝、息子がゆいちゃんを連れて来た。
「今度はあいつがあかんねん」
「ゆいちゃんのもらったんかな」
「かもな」
愛ちゃんが昨夜から体調を崩しているらしい。
「そっか、いいよ」
次女に電話をする。 なつめはまだ熱がある。 急きょ次女は休むことになった。
ゆいちゃんは元気になってご機嫌さん。
お昼ご飯のあと、お昼寝しそうにないので
「公園へ行く人~」
「は~い!」
「じぃじ、葉っぱとってきてあげたらよろこぶかなぁ」
「そりゃぁ、よろこぶよ」
いっぱい落ちた銀杏の葉、わしづかみにして入れようとした私に
「一枚づつよ、ばぁば」
「あ、ハトさん! ばぁばハトさん撮って!」
「ハトさん!ピース! みんなこっちむいて!」
「ばぁばハトさん、こっち向かへん!」
「こっちおいで、あそぼ」
「あ~、にげた~!」
「あかいのあったよ」
「いっぱいとれたよ」
「あ・・・ゆいちゃん、ばぁばさっきお水まいて濡れてるのに・・」
「だって疲れたもん、いいの」
まぁでもゆいちゃんが、元気になって良かった。
夕方長女がひろとの保育園へ迎えに行ってくれて我が家へ連れて来た。
じぃじとお風呂に入って、5人で一緒に晩ご飯。
ポケモンが終わって8時、マンションへ送って行った。
愛ちゃんは大分良くなったそうだがしんどそう。 明日はお休みだと言う。
2人の保育園は息子が連れて行くので、愛ちゃんはお昼間はゆっくり休めるだろう。