ペリウス座流星群をいくつも見ることが出来た帰省、その感動の延長なるか今宵の皆既月食。
早めに夕食を済ませ6時半、皆既食のはじめから見たいと屋上に三脚をたてスタンバイせし。
雨の気配はなく、椅子に深々と腰を掛け見上げるは厚い雲のかかりし夜空。
虫刺され防止のスティックを塗れば、吹く風の強さ冷たさにあちこちはひりひり、これは笑えた誤算。
なれどラジオで阪神戦を聴きながら、気持ちよきことなんと贅沢。
星さえ二、三個しか見えぬ夜空に、青空が少し見えはしてもまわりは厚き雲、雲。
しかしながら瞬間のほんの少しの青空に、見えぬか月・・と、密やかに期待をかけ、
その時を決して見逃すまいと、早朝ウォーキングから来る眠気にも負けじと双眼鏡を覗く。
あぁ・・見えた! 撮影は7時54分、皆既食の最大の頃だろうか、5分間くらい見られただろうか。
初めてかそれとも見たことさえ忘れているのか、少し興奮気味なのは。 延々、だってこんな厚い雲、
その後も雲はいたずら、もう恐らくは見られないと思えども、阪神戦を聴きながら8時半まで屋上に。
9時半頃部屋から覗けば、いつもの白い満月なり、まるで何事もなかったようにくっきりと。
わずかな雲の切れ間のあの暗赤色の月は、今は夢かはたまたまぼろしかと思えるような出来事。
私の中のロマンチックな出来事は、もうひとつある。
25日土曜の夕刻、阪南市の箱作海水浴場の「ぴちぴちビーチ」イベント、「キャンドルナイト」
約1万5000本のろうそくを灯そうと、地元の泉南青年会議所などで作る実行委員会の初企画。
長女夫婦の急な誘いに「行きたい!」愛ちゃんは盆踊りと言う事で、次女となつめとで便乗。
9月1日の防災の日にちなんで、ろうそくに火をともし、安全や平和を願おうと言う趣旨らしい。
夕日が沈んだあとの6時45分からペットボトルのろうそく台に、大勢の人たちが点火していく。
ペットボトルの形で、灯りの影が違っていたり・・。
ステージでは地元の青年による和太鼓の演奏。 ろうそくが灯りイベントはいよいよ佳境に入る。
たいまつに照らされながら太鼓の響きは一段と高鳴り、胸をついて来る。
それは人々の願い天に届けよとばかりに・・。
親子連れ、老若男女・・どんな思いで灯しながら、そして眺めたことだろう。
ろうそくの灯りを見ると、阪神淡路大震災、その後の災害で召された多くの人たちへの鎮魂の灯り。
最近は災難災害に遭ったとき、今までこんな経験はしたことがなかった・・と言う
そんな言葉が多い中、ペットボトルの中で揺れる灯に、どうぞやこれ以上悲しい思いを
誰もがしませんように・・そう願いたい気持ちになる。
残り少ない夏休みの終わり、初イベントに親も然り、特に子供たちの目は輝いていた。
1万5000本のろうそくの灯りは、夏の思い出にふさわしく心の中にゆらめいていることだろう。
束の間の皆既月食赤い月を見た幸運とキャンドルナイト、私の中の素敵な夏の思い出である。