＊ 台風一家 ＊

本当は一家でなく、一過。　むかしむかし私はTVやラジオで耳にする「たいふういっか」を台風一家と勝手に文字にしていた。
台風が過ぎた後（どんな一家が通り過ぎていったんやろう）微笑みながら本当にそんなことを思ったりした。
思えば馬鹿なことなんだけど。　台風の家族なんている訳ないのに。

保育園へなつめを行かせている親たちは、今年の出来事はなんでも初体験、昨日から台風情報が気になっていた。
「７時に警報が出ていたらお休みになる。　母さん二人の子守大丈夫？」　「どうってことないよ」
「近畿はお昼前に来るって、途中警報になったら迎えに行かなくては。　あ、展がおるなぁ」　
運のいいことに、なつめ父ちゃんがいる。　帰宅するなり病院へ行き熱中症と診断され点滴を、足もしびれて・・怖いなぁ。
日曜の野球の試合が祟ったんだろう、次の日曜も二回戦があるので今日は大事をとって有給をとり休んでいるのだ。

いつもそうだけど、大阪は暴風圏とか言われても　たいていは通り過ぎる。　いつも肩透かしをくらう。
しかしおおかみ少年ではないが、決して（またどうせ通り過ぎる）そんな風に安易には考えていない。
一回一回緊張している。　日本ばかりでなく世界中で、大自然の想定外な災害や被害の状況をあまりに多く見せられているから。

木々の葉を落としたくらいで台風は去り、昼間の太陽は相変わらず容赦なく照りつけてきた。　
有難いことに台風一過は、涼しい夜風をおいて行った。　夜通し、こおろぎの大合唱になった、毎日が演奏だ。